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2023年3月28日火曜日

福岡市史講演会「西島伊三雄と都市福岡のデザイン」を開催しました

2023年3月4日(土)、第17回福岡市史講演会「西島伊三雄と都市福岡のデザイン」を開催し、多くのお客様にご来場いただきました!


今回の講演会は、いまでは「福岡の顔」ともいえるグラフィックデザイナー・西島伊三雄(にしじま・いさお/1923-2001)による仕事を振り返り、それらが福岡というまちのイメージ形成に与えた影響と、いままさに転換期にある福岡のこれからを考えることをテーマに開催しました。

これまで市史講演会では、『新修 福岡市史』の編さんを通じて得られた学術成果や地域の歴史にまつわるテーマが多かったのですが、今回はこれらとはちょっと毛色の異なる、ややチャレンジングな試みです。


このようなチラシをつくりました。
左下の写真は若かりし頃の西島伊三雄さん!



12時30分、続々とお客様がご来場(事前にお申込みいただき、ありがとうございました)。
そんな中、壇上のスクリーンでは生前の西島伊三雄さんの映像を流し、皆さまにご覧いただきました。

この映像は、専門学校日本デザイナー学院九州校の生徒さんのために制作されたもので、物体の捉え方や描き方など、伊三雄さんが実際に絵を描きながら独特の語り口(ザ・博多弁!)で楽しくレクチャーされている様子が映し出され、場内の皆さんも熱心に見入っておられました。

真剣に絵筆を握る西島伊三雄さん。

九州の形を捉える方法の解説でしょうか。

西島伊三雄さんといえばこの笑顔!


また、ロビーでは伊三雄さんが手がけた書籍の一部を紹介する展示コーナーも展開。
こちらも多くのお客様にご覧いただくことができました。

こんな感じでロビー展示を行いました。

展示したのはほんの一部ですが、それでも数の多さに驚きます。

皆さん足を止めてご覧くださっていました。




そんな伊三雄さんの温かい人柄と実際のお仕事に触れていただいたところで、いよいよ講演会がスタートです。



まずは伊三雄さんのご子息であり、アトリエ童画社長の西島雅幸(にしじま・まさゆき)さんが粋な着物姿でご登場!

西島雅幸さん。

ところでこの羽織を裏返した衣装は博多どんたくの「肩裏(すらせ)」というもので、羽織の裏に描かれた絵を見せるというもの。
これが古くから伝わるどんたくに参加する際の「正装」で、博多ッ子の粋の象徴だそうです。

表はこんな感じ。羽織を肩脱ぎのような感じにするんですね。


そして背中には伊三雄さんの絵が…!
このような絵がチラッと見える所が粋なんです。




さて、お話の方は「西島伊三雄が残したもの」と題して、伊三雄さんが手がけてこられた作品の数々(修行時代の貴重なお話も!)や、博多に根差した多くの活動について一つ一つ振り返っていただきました。

今でも見る「萬代」や「おたふくわた」の広告は
図案屋として初期に関わったお仕事だそう!


また、伊三雄さんの代名詞ともいえる「童画」が生まれた背景にあった第二次世界大戦時の従軍体験、そして有名な福岡市地下鉄のシンボルマークに込められたふるさとへの想いなど、伊三雄さんの多彩な仕事ぶりと、ふるさとを愛した伊三雄さんの人間味あふれるエピソードが、雅幸さんの軽快な博多弁によって語られました。

伊三雄さんといえばおなじみの「童画」。




続いて、専門学校日本デザイナー学院九州校校長であり鍋島段通の作家でもある大庭香代子(おおば・かよこ)さんが加わって、「教育者としての西島伊三雄」をテーマに、西島雅幸さんと二人でお話しいただきました。

大庭香代子さん。
こちらもステキなお着物でのご登壇です。


お二人のお話からは、1970年大阪万博の幻となった西島伊三雄デザインのシンボルマークや即席ラーメン「うまかっちゃん」のデザインにまつわる裏話など、思い出とともに知られざる逸話がさらりと飛び出します。

右が実際に採用になった大高猛デザインのシンボルマーク。
左が一度は決定した西島伊三雄デザインのマーク。下の2つもカッコイイ!


あの文字と絵が西島伊三雄さんというのはよく知られていますが
「うまかっちゃん」というネーミングの発案も実は伊三雄さん!


伊三雄さんは生前、弟子や生徒に対しても技術的な事はあまり多く語らなかったそうですが、よく「みんな仲良うしようや」「ものをよく見なさい、よく観察しなさい」とおっしゃっていたそうです。
この言葉からは、おおらかでありながら、時に鋭く時勢を読み、求められているものを見極めて描いていく背中が想像されました。

「すらせ」について皆さんに説明してくださった西島雅幸さん。




休憩をはさみ、次は新天町にある「ギャラリー風」の代表である武田義明(たけだ・よしあき)さんに「図案屋からグラフィックデザイナーへ」と題して、福岡のデザイン史の中からみた西島伊三雄についてお話しいただきました。

武田さんはギャラリー風で福岡のクリエイターや作家、また美術やデザインの道を志す学生の活動を後押しするだけでなく、福岡のデザイン業界について自ら『風の街・福岡デザイン史点描』(花乱社、2017年)や『福岡現在芸術ノート』(花乱社、2021年)など著作としてまとめられています。


武田義明さん。


福岡の広告業界や当初「図案家」と呼ばれた人々の活動は、昭和初めに本格的に始動しますが、その後の戦中、そして戦後の高度成長期にいたる時流の中での広告・宣伝業界を見ていくと、「図案屋」は「デザイナー」となり、時代の求めに応じてその活動が紆余曲折してきたことが分かります。
彼らは戦前の商業美術連盟や戦後の日本宣伝美術に代表されるようなデザイナーによる団体を各地で立ち上げ、個人活動だけではなく一緒になって切磋琢磨していったのでした。

そういった活動を引っ張った仲間の一人が、のちに作家となる松本清張さんでした。

武田さんのお話からは、福岡の西島伊三雄さんや小倉の松本清張さんが、それぞれの地で中心となり団体活動を活発化させたことで、地方でも東京からの仕事を待つだけでなく、デザイナーたちが力を合わせて自らの存在を発信していこうとしていたことが分かりました。

〝デザイナー〟松本清張さんの初期作品もご紹介くださいました。




つづいて、松本大学からお越しいただいた古川智史(ふるかわ・さとし)さんに、「福岡の広告産業の特質について」と題してお話しいただきました。

古川さんのご専門は「経済地理学」です。経済地理学とは、経済活動に地理的要素がどのくらい影響を及ぼしているかを研究する学問で、経済学と地理学の両方に関連しています。
以前、ご自身のご研究の中で福岡の広告産業を取り上げておられた関係で、今回唯一、福岡の外からの視点でのお話をお願いしました。

古川智史さん。


お話では、首都圏の広告業界では段階ごとに仕事が分業化されていることが多いそうですが、福岡の広告業界では、個人のデザイン事務所の活動が盛んで各自が対応できる範囲が広く、市場規模がコンパクトな分、横のつながりが強いことが特徴として挙げられました。

また、広告を発注する側とそれを受けて作る側の両方に、「支店が多く小売業や流通業が盛んである」という福岡独自のまちの特徴も、大きく影響しているようでした。

客観的に福岡の広告業界を捉えた、興味深いお話でした。




さて、プログラムの最後はシンポジウムです。

これまでご講演いただいた皆さまに加え、ファシリテーターとして福岡市史編集委員会の有馬学(ありま・まなぶ)委員長が参加し、テーマである「西島伊三雄と都市福岡のデザイン」について、西島伊三雄をはじめとしたデザイナーの仕事が都市のイメージ形成に与えた影響に迫りました。

有馬学 福岡市史編集委員会委員長。


皆さんのお話は多岐にわたり、戦中におけるグラフィックデザイン界の大きなうねりのなかで、福岡の中心人物がまさに西島伊三雄であったこと(有馬委員長)、それは博多の祭り文化によって育まれたこと(西島さん)、あるいは根底にあった郷土愛がデザインと結びつき(武田さん)、都市化によるニーズによってそれが表出していったこと(古川さん)など、とても興味深い切り口での話題が飛び交いました。





また、現在も地下鉄マーク企業が作るカレンダーなど、日常的に「西島伊三雄デザイン」に触れることで、次世代にもそのイメージが伝わっていく(大庭さん)といったお話もあり、福岡で暮らす人々の身近にあった西島伊三雄デザインが、結果として人々の中にある福岡というまちのイメージ像を作り上げるのに大きな影響を与えたことが、皆さんのお話の中から徐々に浮かび上がってきました。


最後に有馬委員長から「福岡は2千年にわたって外部との交流で成立・発展している都市であり、だからこそそこから福岡の今後を考えていくことが重要。福岡というローカリティの中から育ってきたデザイナーがどう活躍していくかに期待したい」という展望が語られ、シンポジウムのまとめとなりました。





そして〝締め〟は雅幸さんからのご発案で、伊三雄さんが愛した童謡「ふるさと」をご来場の皆さまと一緒に歌ってなごやかに閉会しました。

最後は親交のあった小松政夫さんが伊三雄さんについて語った
ナレーションで締めるという贅沢さ!



講演会にお越しくださった皆さま、また講師の皆さま、長時間にわたりご参加くださり、本当にありがとうございました!

また、今回の講演会は準備の段階から「一般社団法人福岡デザインアクション(FUDA)」さんに多大なご協力をいただきました。
ここで改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

▼福岡デザインアクションについてはコチラ。



なお、この講演会の様子は、福岡市博物館公式YouTubeでの動画公開も予定しています(鋭意動画編集中です!)。
また講演記録も、来年3月末に発行予定の『市史研究 ふくおか』第19号への掲載を予定しておりますので、そちらもどうぞお楽しみに!



らーめんたい((C)西島伊三雄)



text by さだきよ&かみね

2020年9月11日金曜日

【開館30周年記念コンサート】参加申し込み受付を終了しました。

 10月11日(日)開催の「開館30周年記念コンサート」は,昨日9月10日をもちまして申込受付を終了いたしました。たくさんのご応募、誠にありがとうございます。

応募が定員の100名を超えましたので、これから抽選に入らせていただきます。

当選結果は、e-mailで応募された方には、e-mail、往復はがきで応募された方には往復はがきの返信面にて近日中に送付しますので、ご確認いただけますと幸いです。

なお、抽選の詳細についてのお問い合わせにはお答えできません。

開館30周年記念コンサート

【日 時】令和2年10月11日(日)

    18時30分~(一時間程度)※会場は18時から

【会 場】福岡市博物館1階 グランドホール

【演奏者】大山 平一郎 ヴィオラ

     八尋 祐子 第1ヴァイオリン

     黒葛原 康子 第 2 ヴァイオリン

     白水 大地 チェロ

【曲目】 モーツァルト アイネ・クライネ・ナハトムジークからロマンス

モーツァルト 弦楽四重奏曲第 14 番ト長調 K.387 から第1楽章

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲作品 18-1 から第 2 楽章

チャイコフスキー 弦楽四重奏曲第 2 番からアンダンテ・カンタービレ

ギーゼキング 3 本のヴァイオリンのための小曲

ボロディン 弦楽四重奏曲第 2 番から夜想曲


※また、参加される方は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、以下の注意事項を良くご確認の上、ご協力をいただきますようよろしくお願いします。
●マスク非着用の方(特別な事情のある方以外)
●発熱・せきなど風邪の症状がある方
●体調不良の方
●新型コロナウイルス感染者、または感染の疑いのある方と濃厚接触があった方

その他、来場の際の注意事項については以下をご確認ください。

皆様のご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

福岡市博物館広報


2020年2月19日水曜日

【Cancelled:Free of Charge】 Enjoy the sound of spring at the museum! Spring Concert will be held on March 25th from 5:40 pm!

 This event has been canceled due to concerns over the spread of corona virus


Spring has finally arrived! The weather starts to get warmer! It looks like cherry blossoms are blooming a lot earlier than usual this year!

 The Spring Concert with Mr. Heiichiro Oyama, Music Director of the Chanel Pygmalion Days, and others will be held on Wednesday, March 25th from 17:40. Enjoy the beautiful sound of the ensemble at the Grand Hall of the Fukuoka City Museum!


============================================
Spring Concert
Wednesday, March 25, 2020, from 5:40 pm
 Fukuoka City Museum Grand Hall
 3-1-1, Momochihama, Sawara-ku, Fukuoka
============================================

 Set List
 Wolfgang Amadeus Mozart 
      Eine Kleine Nachtmusik II. Romanze

 Wolfgang Amadeus Mozart       
   String Quartet No.14 in G major, K.387 “Spring”
 
Ludwig van Beethoven
   String Quartet No.2, Op.18 No.2

Pyotr Ilyich Tchaikovsky
     String Quartet No.1 in D major Op.11 : II Andante Cantabile

Walter Wilhelm Gieseking
     Little Music for Three Violins

Alexander Porfiryevich Borodin
     String Quartet No.2 Nocturn

  •  The set list may be subject to change due to some unforeseen circumstances.
  •  Kids are welcome. However, we ask the parents to remain mindful of their children during the concert so as not to disturb other people in the audience.
  •  The seats are available on a first-come-first-served basis. If there are no seats available, guests can watch the show while standing.

2020年2月12日水曜日

【開催中止:入場無料!】3月25日(水)17:40~博物館に響く春の音♪スプリングコンサート開催!

新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、本イベントは中止させていただきます。ご理解、ご協力をお願いします。

暖かくなってきましたね!今年は桜が咲くのも早そうな気配です。

さて、来る3月25日(水)17:40~、博物館1階グランドホールにて大山平一郎氏(シャネル・ピグマリオン・デイズ室内楽シリーズ芸術監督)ほか豪華出演陣をお迎えし、スプリングコンサートを開催します。 福岡市博物館グランドホールに響き渡る美しい弦楽器の音色を是非お楽しみください!


スプリングコンサート

【日時】 2020年3月25日(水)17:40開演
【場所】 福岡市博物館1階グランドホール
(福岡市早良区百道浜3丁目1‐1)

【料金】
 入場無料(申込不要)

【出演】
八尋祐子   第1ヴァイオリン
朝長茜    第2ヴァイオリン
大山平一郎  ヴィオラ
白水大地   チェロ

大山平一郎氏

【プログラム】
 モーツァルト   アイネ・クライネ・ナハトムジークからロマンス 
 モーツァルト    弦楽四重奏曲 第14番 ト長調 K 387から第1楽章 『春』
 ベートーヴェン  弦楽四重奏曲 作品18-1から第2楽章        
 チャイコフスキー 弦楽四重奏曲 第2番から アンダンテ カンタービレ   
 ギーゼキング   3本のヴァイオリンのための小曲             
 ボロディン    弦楽四重奏曲 第2番から 夜想曲    

※やむを得ない事情により、出演者・曲目が変更となる場合がございます。
※お子様もご参加いただけますが、他のお客様の鑑賞の妨げとならないようご配慮願います。
※会場の都合上、座席数に限りがございます。立見となる場合もございますので、あらかじめご了承ください

主催 福岡市博物館  協力 (公財) 福岡市文化芸術振興財団
お問合せ 福岡市博物館 092-845-5011




2019年12月18日水曜日

なつかしい活版印刷を体験 文林堂見学会&活版印刷ワークショップを開催しました


先月、このブログでもお知らせしましたとおり、11月18日(月)から23日(土・祝)まで、城南区鳥飼の印刷所・文林堂さんで、見学会とワークショップを開催いたしました。


城南区鳥飼の文林堂さん

 期間中、文林堂さんでは、ふだんのお仕事のかたわら、店内で印刷機や金属活字、印刷された作品などに、手書きの解説を付して展示いただきました。


店内には所せましと展示物が。でも置かれている機械も活字もバリバリ現役

 お昼からは、山田さんのお話をうかがいつつ、実際に活版印刷でカードを作成するワークショップが開催され、毎日10人前後、最終日は祝日だったこともあって20人近くの方がお越しくださいました。


2019年12月11日水曜日

【参加無料】12月15日14時から 木寺昌記氏ミニコンサート開催!




福岡市博物館1階グランドホールで,篠笛奏者・木寺昌記さんによるミニコンサートが開催されます。

篠笛の音に打たれた,特別展 『挑む浮世絵 国芳から芳年へ』の担当学芸員が,どうしてもと希望して実現にこぎつけました!篠笛の力強くも幽玄な世界に,年の瀬の慌ただしさを忘れてみませんか?

参加無料!ぜひ特別展『挑む浮世絵 国芳から芳年へ』とともにお楽しみください♪



2019年12月9日月曜日

The Special mini-concert of Kidera Masaki will be held at the grand hall of the Fukuoka City Museum on December 15th from 2pm.



Mr. Kidera is a Shinobue bamboo flute player. The main curator of the exhibition “Ukiyoe that challenges Kuniyoshi Yoshitoshi... and more!” is a huge fan of his music, and she requested us to organize this concert during the exhibition period. The elegant sound of shinobue will surely give you the experience of time travel to the period when the Kuniyoshi and his apprentices were active.


 Visiting the museum on this occasion will give you time to indulge yourself in the Japanese culture! Please enjoy the concert and also the exhibition“Ukiyoe that challenges Kuniyoshi yoshitoshi and more”, which introduces the refined ukiyoe wood prints created by ”Yoshi Family”

【The Special mini-concert of Kidera Masaki 】
Sunday 15th of December.2019
2pm
Free admission

【Special Exhibition: Ukiyoe that Challenges Kuniyoshi, Yoshitoshi... and More!】
Saturday 16th November. 2019 ~ Sunday 22nd December. 2019
9:30A.M. ~5:30P.M. (guests are admitted until 5.P.M. only)
Closed on Mondays
Fukuoka City Museum
3-1-1, Momochihama, Sawara-ku, Fukuoka
Admission
Adults: \1,400, High school/University Students: \900, Junior High School and Elementary School: 500
Discount for non-Japanese nationals (ID such as passport or residency card required)

2019年12月2日月曜日

【続々開催決定!】充実のよしよし展ギャラリートークを見逃すな!

”よしよし展”こと、『挑む浮世絵 国芳から芳年へ』。観覧するだけではわからない裏話が色々と存在します。より展覧会をお楽しみいただくために音声ガイドをお借りいただくのも一つの手ですが、担当学芸員から直接話の聞けるギャラリートークへの参加が絶対おすすめです☆

参加者の皆様からの「より理解が深まった!」との声にお答えして、よしよし展では今後も計6回のギャラリートークで展覧会の魅力を余す所無くお届けします♪

いずれも14:00から開催で、参加無料ですが展覧会の観覧券が必要です。

4日(水)ギャラリートーク「国芳から芳年へ

特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」を展覧会担当の佐々木あきつ学芸員が詳細に解説します♪

5日(木)ギャラリートーク「仏像学芸員とめぐる浮世絵の世界」

すえ”よし”学芸員(仏像担当・「今週のよし大賞」選考委員長)が、独自の視点でもって展覧会の魅力を解説します♪



7日(土)第4章ミニトーク「話題作には裏がある」

【ゴシップ好きの方必見!】よしよし展第4章は話題作満載!様々な裏話を、展覧会担当の佐々木あきつ学芸員がこっそり、でも詳しく、お教えします・・・



10日(火)ギャラリートーク「仏像学芸員による謎のトーク」

すえ”よし”学芸員(仏像担当・今週のよし大賞選考委員長)によるギャラリートークで、内容は謎だそうです・・なので、詳細は不明です・・



12日(木)変化球ミニトーク「展覧会には裏がある」

展覧会終了目前に、まさかの変化球!展覧会の裏側を、展覧会担当の佐々木あきつ学芸員が少しだけお見せします☆

18日(水)ギャラリートーク「国芳から芳年へ」



本展覧会ギャラリートークの集大成!泣いても笑ってもこれが最後?(多分・・)展覧会担当の佐々木あきつ学芸員が展覧会の解説を行います。


2019年11月26日火曜日

「江戸」と「博多」のつくられたイメージ ―福岡市史講演会を開催しました

 さる10月5日(土)、講堂において、第15回福岡市史講演会を開催しました。
 市史講演会には年に一回、だいたい秋ごろの開催で、毎年多くの聴講者の方がお越しくださいますが、今回はとくに早々の満席となりました。

写真:講演会中の講堂。館長による最初の挨拶
まずは恒例、館長からのごあいさつ

 「近世都市の記憶―江戸と博多、そのイメージを問う―」と題した今回の講演会では、おふたりの先生を講師にお招きし、それぞれのご専門から、江戸と博多について語っていただきました。

 まず岩淵令治先生によるご講演「幸せな江戸像を問う」。
 現在のイメージの「江戸」と、近世期の江戸の実態との乖離を、当時の資料をふんだんに、たくさんの事例からお話しいただきました。

岩淵令治先生
写真:登壇する岩淵令治先生
江戸はリサイクル都市? 豊かで清潔? それってホント?

 次に中野等先生によるご講演「近世における「博多」ブランドの消長」。
 近世期、「博多」ブランドとして台頭する工芸品や食品について、どのようにその由緒が語られてきたのか、資料を追って詳しくお話しいただきました。

中野等先生
写真:登壇する中野等先生
唐織物、博多練酒、博多素麺、博多こま…

「江戸って世界でも先進的な都市だったんだよね」「博多は昔から貿易都市だったから、こういう品が生まれたんだよね」という具合に、つい前提としてしまいがちな、固定化されたイメージについて、もう一度問い直す講演会。どなたにとっても新しい発見があったのではないでしょうか。

 ご講演くださった講師の先生方、講演会にお越しくださったみなさま、ありがとうございました。

 なおこの講演会の様子は、来年の春ごろに発行される研究誌『市史研究 ふくおか』第15号に掲載される予定です。『市史研究 ふくおか』は非売品ですが、福岡市内をはじめとする自治体の図書館などでご覧いただけます。

 発行までしばらくお時間をいただきますが、行きたいけど行けなかった! という方は、どうぞお楽しみに。


 ちなみに…、
 シリーズ『新修 福岡市史』の「資料編 近世3 町と寺社」では、福岡・博多の町人や城下の寺社に関する資料を掲載しています。


『新修 福岡市史』「資料編 近世3 町と寺社」

博多商人である神屋宗湛・伊藤小左衛門に関する資料、挿し絵と文で福博のニュースを面白おかしく描いた「旧稀集」や、松囃子・山笠といった祭りに関する資料、神社や寺院の由緒書など、近世期の城下町の暮らしがうかがえる資料集になっています。

 (「資料編 近世3」概要・目次
  https://www.city.fukuoka.lg.jp/shishi/kankou15.html )

 今回の講演会で、江戸期の福岡に関心が深まったという方にもぜひおすすめしたい一冊。古文書の翻刻ですが、挿し絵も多くわかりやすい内容になっています。

 当博物館ミュージアムショップをはじめ、ジュンク堂書店福岡店さん、丸善博多店さんなどで販売されていますので、よかったらお手に取ってみて下さい。

●「新修 福岡市史」HP https://www.city.fukuoka.lg.jp/shishi/

(Posted by たに)

2019年11月1日金曜日

文林堂活版見学会 & 活版印刷ワークショップを開催します

文林堂活版見学会と活版印刷ワークショップの開催


福岡市城南区鳥飼で、今も現役で活版印刷を続けておられる文林堂さん。

文林堂さんの様子

 2018年12月に開催した福岡市史講演会「活字文化の現在・過去・未来」では、ロビーで文林堂さんの写真パネルを展示させていただき、ご好評を博しました。
 今回は新修福岡市史 特別編『活字メディアの時代』連動企画の第2弾として、文林堂さんで見学会&ワークショップを開催いたします。あたたかい風合いを持つ活版印刷の魅力に、この機会に触れていただければ幸いです。
(※見学会・ワークショップとも、開催場所は城南区鳥飼の文林堂さんです。博物館でのイベントではございませんので、ご注意ください)



文林堂店主・山田善之さんのお話をうかがいながら

【概要】


 かつて福岡でも文芸同人誌やサークル誌、あるいは学校の校友会誌・文芸誌などが多く作られました。彼らの活動を支えていたのは、「まちの印刷屋さん」の存在です。
  当時文学を志した人々にとって活字を使って印刷する―活字になる―ということは、単に自分の著作物を印刷するということ以上に、とても思い入れがあることでした。
  福岡市城南区鳥飼にある「有限会社 文林堂」は、長年にわたり福岡の同人誌を「活字にした」印刷所です。かつて福岡の郷土文学を支え生み出してきた文林堂の記録と記憶は貴重な資料として大切に保管されています。福岡で郷土文学が花開く過程をずっと見て来られた店主の山田さんのおはなしとともに福岡の印刷史を辿り、現在も続く文林堂の「ありのまま」を体感してください。

【文林堂活版見学会】


■会期:令和元(2019)年11月18日(月)~11月23日(土・祝) 午前11時から午後4時まで 
■場所 :文林堂(福岡市城南区鳥飼5-2-18)/Google Map
■参加方法 :入場無料・見学自由

【活版印刷ワークショップ 山田さんのおはなしと活版体験会】

 まちの印刷屋さん「文林堂」店主・山田善之さんに当時のおはなしを伺いながら、実際に手フート印刷機(手動式の平圧印刷機)で名刺カードをつくります。

■日時:令和元(2019)年11月18日(月)~11月23日(土・祝)まで毎日開催
 午後1時開始、午後4時終了予定
■場所 :文林堂(福岡市城南区鳥飼5-2-18)/Google Map

■参加方法
・事前申し込み制(FAXまたはメール)。詳しい申し込み方法は下記をご参照ください。
・対象 小学生以上
・定員 各日10名程度
・参加費 1人500円

■申し込み方法
・FAXまたはメールで、2019年11月13日(水)までにお申し込みください。

・FAXでの申し込み
  FAX宛先 092-845-5019  申し込み用紙(PDFファイル・約300KB)
  申し込み用紙に記入して送信ください。PDFのプリントアウト環境のない方は、必要事項(参加者全員のご氏名・代表者のお電話番号・参加希望日(第2希望まで)。なお12歳以下の参加者の方は、年齢をお知らせください)を記載して送信ください。

・メールでの申し込み
  メール宛先 shishi.EPB@city.fukuoka.lg.jp
 ※件名を「活版印刷ワークショップ申し込み」などとし、本文に必要事項(参加者全員のご氏名・代表者のお電話番号・参加希望日(第2希望まで)。なお12歳以下の参加者の方は、年齢をお知らせください)を記載して送信ください。
  ※メールでお申し込みの場合、受け付け後に市史編さん室からメールが届きます。「@city.fukuoka.lg.jp」を受信可能なドメインに設定してください。

メール用テンプレート(※この通りでなくても構いません)
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件名:活版印刷ワークショップ申し込み

参加者氏名(代表者):
その他の参加者氏名: (※12歳以下の場合は、年齢をお知らせください)
 代表者電話番号:
 参加希望日(第1希望): 11月18日(月)・19日(火)・20日(水)・21日(木)・22日(金)・23日(土祝)
 参加希望日(第2希望): 11月18日(月)・19日(火)・20日(水)・21日(木)・22日(金)・23日(土祝)
------------------------------------

「文林堂活版見学会」イベントチラシ(PDFファイル、約2MB)

■『新修 福岡市史』ホームページ
■『新修 福岡市史』「福岡市史講演会」(開催予定のイベント)

(posted by たに)