2026年6月18日木曜日

War and Our Way of Living vol. 35 (Feature Exhibition, June 18 - Aug 16 2026)

 

War and Our Way of Living vol. 35

-      Life of people in Fukuoka during World War II -


Period: Thursday, June 18th Sunday, August 16th, 2026

Venue: Feature Exhibition Room 4

Opening Hours: 9:30am - 5:30pm (last admission: 5:00pm)

Closed: Mondays

Charge: 

・Adults: 200yen

        ・High school and University students: 150yen
          (No charge for Junior High School Students and younger)

On June 19th, 1945, a large formation of B-29 long-range bomber planes from the United States flew over Fukuoka and dropped a large number of incendiary bombs, between midnight and the early hours of the morning. This is known as the ‘Great Fukuoka Air Raid’, which left the central part of the city as a burnt-out ruin. Since 1991, the Fukuoka City Museum has held a series of annual exhibitions entitled ’War and Our Way of Living’ to commemorate the incident.

This year we shall introduce air defense tools on the home front, including “air defense illustration” posters, of which the production was directed by the army’s air defense section. Aiming at disseminating easy-to-understand air defense information, these posters consisted of 4 categories – 1. “General air defense”: illustrates the danger of air raids, the combat radius of the enemy aircraft as well as how to prepare for air raids.  2. “Light control”: illustrates the importance of blackout and what should be done by building.  3. “Fire prevention”: illustrates the threats of incendiary bombs, how to dress during the operation, and how to extinguish fire.  4. “Poison protection”: illustrates the types of poison gas and how to help the victims of poison gas.  Out of a total of 55 air defense illustration posters, the Fukuoka City Museum has 28 pieces in its collection.

.We hope that this exhibition - seen through the eyes of people in Fukuoka during and after the war - will provide an opportunity for visitors to reflect on the importance of peace.







2026年4月26日日曜日

【もうすぐ発売!】タネとムシから金印まで ~新修福岡市史ブックレット・シリーズ新刊紹介~


こんにちは。市史編さん室です。


突然ですが、このたび『新修福岡市史ブックレット・シリーズ』の新刊が出ることになりました! 

しかもナント同時に2冊!


じゃーん!



これまでのブックレット・シリーズ

市史編さん室では、『新修 福岡市史』という福岡市域の歴史を時代やテーマごとにまとめた自治体史をつくっています。

具体的には、多くの古文書を翻刻したり発掘調査の成果をまとめたり人々に話を聞いたりして、資料編(考古・古代・中世・近世・近現代)・民俗編・特別編という本をつくってきました。


これらの蓄積をふまえて、2021年から新たな自治体史のスタイルとしてスタートしたのが「新修福岡市史ブックレット・シリーズ」です。

多くの方が手に取ってみたくなるような「ふくおかの本」を世に出すことを目指して、これまでに3冊の本を刊行してきました。



第1弾『わたしたちの福岡市―歴史とくらし―


第2弾『シーサイドももち―海水浴と博覧会が開いた福岡市の未来―

※ 福岡市博物館ブログでも、書籍『シーサイドももち』には載らなかった蔵出し記事やこぼれ話などを【別冊シーサイドももち】として紹介していますので、ぜひ本とあわせてお楽しみいただければ、うれしいです(【別冊シーサイドももち】はコチラをクリックするとご覧いただけます)。


第3弾『ふくおか歴史探検隊



このように、これまでに発表した3冊は一言でいうとこんな感じの内容でした。

① 歴史をベースにしつつも学習指導要領に沿った「総合学習編
② 福岡市内の一つの地域に焦点を当てた「地域編
③ こどもでも読んで一緒に学べる「小学生編

既存の時代区分や研究分野にとらわれない切り口によるテーマや視点が持ち味のこの3冊は、「新修福岡市史ブックレット・シリーズ」の可能性を探るためのチャレンジでもありました。

おかげさまでご好評をいただいております!



これらを踏まえて、今回からはより時代や分野を軸にしたブックレット・シリーズの刊行が始まります。

その第1弾としてお届けするのが冒頭の2冊。旧石器・縄文時代をテーマにした「縄文時代のタネとムシ」と、弥生・古墳時代をテーマにした「金印と倭国の成立」です。


今回は、この新刊2冊の内容をほんの少しだけご紹介したいと思います。




縄文時代のタネとムシ(著者:小畑弘己)

まずは旧石器・縄文時代の一冊から。

オレンジが目に鮮やか!


本書の著者は、熊本大学名誉教授の小畑弘己(おばた・ひろき)先生です。

小畑先生は長く国内外の旧石器時代を研究され、日本や韓国の旧石器時代や新石器時代の石材研究をされていましたが、近年では「土器圧痕」という研究手法をメインに、主に縄文時代の植物利用(タネ)、あるいは家屋害虫(ムシ)などから、当時の人々の「暮らし」を明らかにする研究をされています。


本書では、この「タネとムシ」に注目。これまで行われた発掘調査などで得られた研究成果をベースにしながらも、それとはまたちょっと違う土器圧痕という研究手法による視点を加えることで、福岡の旧石器~縄文時代を「定住」「栽培」「害虫」そして「エコ」をテーマに捉え直してみようという、自治体史としてはかなり実験的で刺激的な内容です。


第1章は旧石器時代について。
人々の「暮らし」を軸に進んでいきます。

2章の縄文時代もまずは人々の「暮らし」から。
旧石器時代と比較しながら読む事ができます。


より詳しく知るための解説コラムやColumnも満載!


第3章では旧石器時代と縄文時代の大きな違いである
「遊動」→「定住」の変化を見ていきます。

4章ではついに「ムシ」と「土器圧痕」が登場!
(ムシが苦手な方はご注意ください…)

5章では土器圧痕から「縄文農耕論」に注目します。


そして何と言っても注目はタネやムシの詳細スケッチはぜひ手に取ってしっかりご覧いただきたいポイントです。

これは表紙にも使われていますが、すべて小畑先生の手によるもので、タネやムシへの愛があふれています!

小畑先生によるスケッチを多用した章扉。
どれも繊細で美しいですね。




金印と倭国の成立(著者:宮本一夫)

つづいては弥生・古墳時代です。

この時代の対外交流の象徴でもある
金印と鏡をメインにした表紙。

著者は九州大学名誉教授で、現在は四川大学文科講席教授である宮本一夫(みやもと・かずお)先生です。


先ほど紹介した「縄文時代のタネとムシ」でも話題としている農耕が本格的に開始されるのが、ご存じの通り弥生時代です。

本書は、稲作を中心に階層化された社会が形成されていく弥生時代から、日本における古代国家の基礎が築かれた古墳時代において、福岡や北部九州がどのような役割を担っていたのか、とくに大陸や朝鮮半島などとの対外交流に注目してまとめられた一冊です。


また、この時代の対外交流の歴史を語る上で欠かすことのできない、タイトルにもなっている国宝「金印」もモチロン登場します。

本書ではとくに、この金印がもたらされた背景や、人やモノの往来によって変化していく社会構造の中で、福岡もまたどのように変化していったのかということについて、考古学的見地や資料を基に、福岡市域の歴史と対外交流について探る一冊になっています

※「モノ」としての金印については「ブックレット・シリーズ③ ふくおか歴史探検隊」で詳しく解説していますので、ぜひそちらもあわせてチェックしてみてください。


縄文時代から弥生時代につながる解説もあるので
④から続けて読むのもオススメ!

弥生時代の始まりについて(第1章)。

弥生時代の対外交流について(第2章)。

そして金印!(第3章)
長距離交易における金印について解説しています。

西新町遺跡も登場しますよ。(第4章)



そして本書には[付録]として、これまでに「ブックレット・シリーズ」で登場した福岡市内の遺跡地図(旧石器時代~古墳時代)が掲載されています!

時代ごとの遺跡地図がまとめて1冊に載っているので、持ち歩きにも便利ですね。

こちらはぜひ他のブックレット・シリーズともあわせてご覧ください。

どの時代の遺跡が市内のどこにあるか一目瞭然!

* * * * * * * *


ご紹介した2冊は、4月30日に発売予定です。

今回はかなりかけ足のご紹介となってしまいましたので、詳細な内容や読みどころなどについては、また少しずつご紹介していきたいと思います。


ブックレット・シリーズについては、今回は古い時代から順番に2冊の刊行となりましたが、今後は時代や分野についてはランダムで、古い時代から現代にいたるまで、さまざまな時代の福岡にまつわる本を刊行していく予定です。

どうぞご期待ください!



『新修福岡市史ブックレット・シリーズ④ 縄文時代のタネとムシ』目次

はじめに

第1章 狩猟と遊動の旧石器時代
1-1 旧石器時代のくらしと家
項目情報 旧石器時代とは/旧石器時代の環境/世界の旧石器時代のイエ/旧石器時代の囲炉裏はどこ?/石器ブロックは男性が残したのか?

1-2 旧石器人の道具と技術
項目情報 道具を進化させた旧石器人/福岡市最古の旧石器/朝鮮半島から来た石器/今山で採集された角錐状石器/最初の組み合わせ槍/遊動生活に最適な石器・細石刃/究極の組み合わせ道具・植刃器/週游生活と石材原産地の「埋め込み戦略」/北部九州の旧石器時代遺跡と生活圏/移動生活の必須アイテム・水筒/狩猟場に残された狩猟具/解説コラム① 姶良Tn火山灰の降灰/解説コラム② 繊維と結びの歴史

Column 1 「害虫」が語る衣服の歴史と人類の拡散
Column 2 楽器を奏でた旧石器人
Column 3 考古学の真実とは~発掘者の心得~

第2章 縄文人の自己紹介
2-1 縄文人のくらし
項目情報 縄文人の一生/骨に残る縄文人の病理と生活習慣/墓地の発生/縄文人の利き手/イヌと仲良し縄文人/土偶と祈り/解説コラム① ひっつきむしと縄文人

2-2 縄文人の生活道具
項目情報 平底土器と尖底土器/土器発明の意義/多様な生活材、籠・網・衣類/土器が教える縄文の布と衣/縄文時代の網/福岡市内の編組製品/縄文時代と旧石器時代の道具立ての違いとその意味/罠猟の発達/解説コラム② 見よう見まねの大切さ/解説コラム③ 年代を知る~放射性炭素年代IntCal20~

第3章 遊動から定住へ
3-1 定住はいつ始まったのか?
項目情報 定住という生活スタイル/遊動生活から定住生活への動機の変化(定住革命)/縄文時代の家比べ/屋外の調理施設

3-2 縄文人のトイレとゴミ問題
項目情報 縄文時代のトイレはどこ?/貝塚から出た食べものとゴミ/ゴミ処理問題の発生と森林への負荷/解説コラム① 縄文時代の環境変化①~縄文海進~

Column 1 食料貯蔵とともに始まったムシとの闘い
3-3 縄文人の交易
項目情報 ヒトが動く→モノが動く/交易による資源調達システムの確立/石斧の生産と交易/縄文人のアクセサリー/クロム白雲母と九州ブランドの拡散

3-4 縄文人の対外交流
項目情報 韓国最古の穀物発見/対馬越高遺跡の発掘調査/アカホヤを遡らない隆器文土器/石器石材とクジラ漁/解説コラム② 縄文時代の環境変化②~鬼界カルデラの噴火~

第4章 ムシとの共同生活
4-1 縄文コクゾウムシの発見
項目情報 コクゾウムシの意味するもの/コクゾウムシの起源と害虫化/ムギ害虫とイネ害虫(コクゾウムシの拡散)/イネを食べなかった縄文コクゾウムシ/海峡を越えたコクゾウムシ(食料運搬)/中国初の新石器時代コクゾウムシの発見/解説コラム① 土器圧痕と土器圧痕法

4-2 土器の中のコクゾウムシ
項目情報 土器に練り込まれたコクゾウムシ/冷蔵庫と食器棚の中身―コクゾウムシの居場所―/土器はおうちの中で作られた/土器作りと混和材/土器作りともう一つの混和材/土器圧痕として発見されるタネやムシの特性/解説コラム② 「雑草」を食べた縄文人/解説コラム③ 大原D遺跡は「80%コクゾウムシ」?

Column 1 法垣遺跡のノミとコクゾウムシ
4-3 縄文人のムシとの付き合い方
項目情報 「ガイチュウ」って何?/縄文時代の防虫剤?/縄文時代の害虫たち/縄文人の家に侵入したゴキブリ/ネズミだらけだった縄文ハウス

Column 2 ムシ食はあったのか?

第5章 縄文農耕論の今
5-1 縄文時代の栽培植物
項目情報 四箇遺跡の栽培植物の謎/縄文時代の栽培植物/イネ・ヒエ・オオムギは別時代のもの/解説コラム① ダイズとアズキの見分け方

Column 1 栽培とは?
5-2 「縄文農耕論」とは何か?
項目情報 考古学の「栽培化」と新たな理論/「縄文農耕論」とは?/縄文時代の真の栽培植物とは?/アク抜きか中長期貯蔵か/福岡市内にも縄文晩期の雑穀農耕はあったのか?/樹木を育てた縄文人/植物性資源利用の増大/南九州縄文にヒエ栽培はあったのか/定住化と濃厚開始による人口増加のメカニズム/解説コラム② AIは遺跡出土のタネを同定できるか

Column 2 土器にタネをまいた縄文人

第6章 弥生時代の開始と新たな縄文人像
6-1 縄文時代の稲作
項目情報 時代区分の基準とは/土器圧痕を用いた新たな手法/稲作の始まり=弥生時代の始まりではない?

6-2 新たな縄文時代・縄文人像
項目情報 土器圧痕のタネとムシからみえてきたもの/新たな縄文時代・縄文人

Column 1 X線が見つけた大発見~日本最古の貝殻入り土器~

おわりに


『新修福岡市史ブックレット・シリーズ⑤ 金印と倭国の成立』目次

プロローグ

第1章 農耕社会の始まり
1-1 縄文から弥生へ
項目情報 縄文晩期農耕の始まり/弥生時代の始まり/支石墓の到来/弥生時代開始期の実年代/環濠集落の出現/木棺墓の登場/磨製石棺と初期農耕伝播二重構造モデル

1-2 弥生時代の始まり
項目情報 板付式土器の成立/弥生文化と日本語/弥生時代の始まりと社会の変化

1-3 早良平野と福岡平野の弥生文化の始まり
項目情報 水田稲作の始まり/福岡平野・早良平野の弥生時代早・前期における遺跡の変遷

1-4 弥生時代の拡散
項目情報 板付式土器・遠賀川式土器文化の広がり/磨製石剣と紡錘車の西日本への拡散/紡錘車の拡散/弥生文化の東漸

1-5 日本農耕文化の成立


第2章 青銅器の到来
2-1 弥生時代前期の対外交流
項目情報 燕の東進/鶴崎遺跡出土の燕山青銅短剣と小郡出土東周式銅戈

2-2 弥生時代前期末~中期初頭の変容
項目情報 甕棺墓の出現/縄文系文化の揺り戻し

2-3 燕の東進と朝鮮半島の粘土帯土器文化
項目情報 燕の東進と細形銅剣文化の成立/北部九州の青銅器の出現

2-4 青銅器の到来と生産
項目情報 吉武遺跡群と青銅器/北部九州の青銅器生産の始まり/福岡平野の青銅器生産/細形青銅武器から中細形青銅武器へ/武器形祭器への転換

2-5 燕の東進と鋳造鉄器
項目情報 朝鮮半島の鋳造鉄器/鋳造鉄斧の伝来

2-6 弥生時代中期前半の北部九州
項目情報 弥生時代中期前半の集落と墓地/磨製石器の流通

第3章 鍛冶と長距離交易
3-1 衛氏朝鮮と楽浪郡
項目情報 衛氏朝鮮と鉄器/三韓地域と鉄器

3-2 鍛冶の始まり
項目情報 北部九州の鍛冶炉/集落構造の変容

3-3 長距離交易の始まり
項目情報 楽浪系土器と三韓系土器の広がり/遼東・山東系土器と北部九州/長距離交易と北部九州

3-4 漢鏡と地域首長
項目情報 厚葬墓と前漢鏡/後漢鏡と小型仿製鏡/漢鏡と威信財システム

3-5 三韓地域と北部九州
項目情報 触角式銅剣Va式と辰韓/辰韓と北部九州

3-6 長距離交易と北部九州の弥生時代
項目情報 「漢委奴国王」金印と長距離交易/権と板状硯そして長距離交易/武器形祭器と対外交流

第4章 中継交易拠点としての福岡平野
4-1 帯方郡の成立と三韓
項目情報 帯方郡の成立/三韓地域の首長墓化/倭国大乱

4-2 弥生時代後期後半から弥生時代終末期の北部九州
項目情報 壱岐の原の辻遺跡とカラカミ遺跡/カラカミ遺跡と鉄関連炉/奈多砂丘B遺跡と中継交易拠点の移動/倭国の大乱と畿内の台頭

4-3 邪馬台国卑弥呼の時代
項目情報 帯方郡と伊都国/魏晋鏡と女王卑弥呼

4-4 古墳時代の始まりと福岡平野
項目情報 前方後円墳の広がりと畿内系土器/博多湾交易と博多遺跡群/西新町遺跡と渡来人/弁韓と長距離交易

第5章 沖ノ島祭祀と福岡平野
5-1 楽浪郡の滅亡と福岡平野
項目情報 楽浪郡の滅亡と倭鏡/金官加耶とヤマトの対外交流/百済とヤマトの対外交流

5-2 沖ノ島祭祀と対外関係
項目情報 沖ノ島の岩上祭祀/沖ノ島の岩陰祭祀

5-3 渡来系集落と外来系土器
項目情報 5世紀の加耶系土器と馬韓系土器/馬韓系渡来人の集落

5-4 初期須恵器と外来土器
項目情報 朝倉古窯跡群/居屋敷窯跡と京ヶ辻遺跡

第6章 那津官家と筑紫大宰
6-1 「人制」と北部九州の豪族
項目情報 「人制」と須恵器生産/倭の五王と5世紀社会/ヤマト王権と渡来人/栄山江流域の前方後円墳と北部九州の豪族

6-2 磐井の乱と那津官家
項目情報 筑紫君磐井と岩戸山古墳/継体王朝と地域首長/糟屋屯倉とヤマト王権/那津官家と福岡平野

6-3 国造制と部民制
項目情報 国造制と古墳/筑紫火君と糸島半島/庚寅銘大刀と元嘉暦/部民制と手工業/6世紀の福岡平野と対外交流

6-4 筑紫大宰
項目情報 加耶の滅亡/肥君猪手戸籍と元岡・桑原遺跡群/筑紫大宰と那珂遺跡群

エピローグ
項目情報 筑紫大宰と百済の滅亡/白村江の戦いの敗北と大宰府成立


[付録]ブックレット・シリーズに登場する福岡市内の遺跡
旧石器・縄文時代 /弥生時代 /古墳時代



(文責:加峰)

2026年3月23日月曜日

「魔法の歴史スコープ」観賞ガイド 第9回 コラボがいっぱい③ 甦る、江戸時代の花々

 福岡市博物館では、2026221日(土)から412日(日)まで、特別展「魔法の歴史スコープ~見つめてみよう福岡の今~」を開催しています。「人と環境の関わりの歴史」に焦点をあわせて、「今」そして「未来」を考える展覧会です。

このブログでは、展覧会を楽しむためのアレコレを紹介したいと思います。


3月26日()まで、福岡市動植物園で「Fukuoka Flower Show」が開催されています。

それにあわせて、福岡市博物館では企画展「花爛漫の江戸時代」419()まで開催中です。

「魔法の歴史スコープ」鑑賞ガイド 第7では、西日本短期大学緑地環境学科(まちづくり研究部)のみなさんによる、花があふれる空間演出作品をご紹介しました。

今回は、専門学校 福岡ビジネス・アカデミー フラワービジネス学科のみなさんによる「アーティフィシャルフラワーで甦る、江戸時代の花々」を紹介します。

江戸時代の植物図鑑『本草正画譜』、福岡藩の幕末の殿様が描いた『本草図』、そして振袖にあしらわれた藤の花が、アーティフィシャルフラワー(造花)で再現されています。

また、江戸時代の屏風をモチーフに、来場者がみんなで、花を満開にしていく参加型の展示もあります。

 

まずは、このコーナーに展示している振袖からご覧ください。

藤棚文様振袖

藤色ではないフジの花が咲いています。

フラワービジネス学科のみなさんによると

「キバナフジ(黄花藤)という明治時代の初めころに日本に入ってきた植物では?」

ということでした。

博物館では、この振袖は江戸時代の後半(18世紀)頃につくられたものと考えていたので、

「明治時代初め(19世紀後半)に日本に入ってきた植物が描かれているとは、一体どういうこと?」と、謎がうまれました。

博物館のスタッフは、「ちょっと色がちがうフジの花」としか思っていなかったので、

「ほう、そうなんですね」と学生さんたちに教えられた一コマです。

この黄花藤は、アーティフィシャルフラワーになって振袖から抜け出し、展示室で花爛漫に咲き誇っています。


続いて梅牡丹鴛鴦図屏風

こちらは、企画展示室の「花爛漫の江戸時代」で展示中。

この屏風は、博物館が開館するまえ、1985年に収集したものです。

「梅牡丹鴛鴦図屏風」という名称で収蔵品目録に掲載してきました。

歴史担当の学芸員Tは、

「梅の根元に咲いている花、トゲがあるんだよなぁ…ボタンじゃなくて、バラじゃないかなぁ…でも、自分は詳しくないから自信ないなぁ…」とモヤモヤしていました。

今回、フラワービジネスを学ぶ学生さんたちに見てもらったところ、

「葉の形とトゲの具合から、これはバラだと思って再現しました。

絵画表現だからか、花だけ見るとボタンにもみえますよねぇ」とのご意見。

「ホントにそうですね!!

学生さんたちのおかげで、学芸員Tのモヤモヤは解消されました。

 

この屏風から、制作してもらったのが、こちら↓

来場者のみなさんに、花を貼り付けてもらい、花爛漫な様子をつくりだしていこうという仕掛けです。この写真は、展覧会オープン直前の様子。

そして、次の写真が3月上旬の開花状況です。

画面からあふれ出すほどに花が咲き誇っています。

 

さて、このコーナーに飾られているアーティフィシャルフラワーは、

『本草正画譜』や『本草図』などに描かれている花々を再現していただいたものです。




『本草正画譜』と『本草図』は、特別展「魔法の歴史スコープ」、企画展「花爛漫の江戸時代」、常設展の江戸時代のコーナーで、ご覧いただけます。

特別展「魔法の歴史スコープ」の観覧券で、常設展・企画展も見ることができるので、是非あわせてご覧ください。

 

とはいっても、全ページを展示することできません……

ここで朗報です!!

国立国会図書館が開発・運用しているJAPAN SEARCH

“博”花繚乱~福岡市博物館に咲き乱れる花々~ というページを開設しています。

ここでは、『本草正画譜』と『本草図』の今回展示していないページもご覧いただけます。

ほかにも福岡市博物館の所蔵品のなかから、花が描かれたものを一覧できるようにしていますので、オンライン花見もお楽しみください。

 

それから、このコーナーのアーティフィシャルフラワーは、手に取ることができます。

記念写真を撮れるように、撮影スポットも設けてもらいました。


 

ご来場の記念に、是非、花に囲まれたステキな写真をお撮りください。

(手に取られた花は、元の場所にもどしてくださいね)

(by おーた)



2026年3月20日金曜日

「魔法の歴史スコープ」観賞ガイド 第8回 「海と人」の関わりの歴史

 福岡市博物館では、2026221日(土)から412日(日)まで、特別展「魔法の歴史スコープ~見つめてみよう福岡の今~」を開催しています。「人と環境の関わりの歴史」に焦点をあわせて、「今」そして「未来」を考える展覧会です。

このブログでは、展覧会を楽しむためのアレコレを紹介したいと思います。


特別展「魔法の歴史スコープ」の会場は、

現代美術家・柴川敏之さんによる「41世紀の未来からみた福岡の“今”」からはじまります。

最後は市内の学校で学ぶ学生さんたちとのコラボコーナーです。


その間には「森と人」「川と人」「海と人」「町と人」というコーナーがあります。

今回は、「海と人」のコーナーを少しご紹介します。

 

まず、コーナーの入口のパネルには、のぞき穴があいています。


特別にそこから見える景色をお見せしましょう。

海を越えていく遣唐使船

悠然と泳ぐクジラ

マグロ漁にいそしむ人びと

さて、コーナーの中身はというと

玄界灘や博多湾の豊かさを享受してきた人びとの営み、

海を越えての人や物、文化の交流、

島のくらし、

港湾の整備や海岸線の埋め立ての歴史

……「海」と「私たち」の関わり合いがたっぷりと詰まったコーナーになっています。

 

縄文時代の漁労の道具や、奈良時代の塩づくりの道具、

江戸時代の捕鯨の様子が描かれた屏風、

博多湾沿岸で昭和時代に使われていた海苔づくりの道具

先人たちは、今の私たちよりはるかにたくさんの博多湾・玄界灘の恵みを直接うけとっていたようです。

 

そして、もちろん海を越えた交流では、

遣隋使や遣唐使の話はもちろん、国内外と海を越えて行き来していた歴史をしめす展示品が並びます。


小呂島や玄界島の歴史や伝統文化、漁業などにまつわる話を紹介するパートもあります。

常設展示室には小呂島の万年願歌舞伎の衣装なども展示していますので、

是非あわせてご覧ください。

小呂島の万年願歌舞伎の衣装は、Google Arts & Cultureでも公開しています。

※「魔法の歴史スコープ」の観覧券で常設展・企画展もみることができます。


また、国立国会図書館が開発・運用しているJAPAN SEARCHに、2025年、福岡市博物館所蔵の玄界島関連資料を一覧できるページをつくっています。

こちらも是非ご覧ください。

(by おーた)