2022年1月5日水曜日

今年の正月はとらじゃった

 新年あけましておめでとうございます。

令和42022)年の干支は

 

常設展示室内では、新春特設展示として、福岡市博物館が所蔵する「とら」にちなんだ資料を展示しています26日(日)までの予定)

 

そのうちの1点。

かわいらしい虎の絵が描かれた色紙には、こう記されています。

「若いくさ 今年の正月は とらじゃった」


これは、五七五の句形をとった「博多にわか(一口にわか)」のオチなのですが、意味がわかりますか?

※「博多にわか」とは?半面を着け、博多弁で会話し、会話の後に地口のオチをつけて、話を決着させるもの。日常生活や世相を反映させたものや温かいユーモアに包まれた内容のものがあります。(博多仁和加振興会事務局HPより)

 

「こんなの、解説するほうが野暮だよ」という学芸課長のお言葉ですが、

博多にわかに親しんで育ったわけではない県外出身の私にとっては難解・・・

 

私と同じように「意味がわからない」というあなたに、こっそり教えますね。

 

標準語になおすと・・・

そりゃわかいよ 今年の正月は (歳を)とらなかったからね

となります。

 

「とら」に干支の「寅」と、歳を「とら」ないをかけています。

 

また、昔は誕生日ごとに歳をとるわけではなく、お正月が来たらみんな一歳ずつ歳をとっていた(いわゆる数え年ですね)、という背景もあるんですね。

 

なるほど~!!

あ、よかった。すっきりしましたか?

この他にも普段は見られない「とら」に関する資料を展示していますので、是非、福岡市博物館へお越しくださいませ。(FUK

※今回紹介した資料は、「色紙「にわか 若いくさ 今年の正月は とらじゃった」」田中龍一資料(追加分)2008P3307です。

2021年12月14日火曜日

福岡の歴史を象徴する金印と元寇防塁

 シリーズ最終話(といっても3回だけですが)は、きわめてお堅い話です。

金印が最初に国指定文化財に指定されたのが、昭和6年、国宝保存法によってです。

昭和6年と言えば、日本国内は政党政治まっさかりの時ですが、中国東北地方において、満州事変が勃発した年です。翌昭和7年には五・一五事件が起こります。軍靴の響きが次第に大きくなっていく頃です。

この昭和6年に、博多湾岸にある元寇防塁が国の史跡指定を受けました。元寇防塁の史跡指定には「国威発揚」という時代的な背景もありそうですが、福岡の歴史を象徴する「金印」と「元寇防塁」が同じ年に指定されていることは、大変意義深いものがあります。

さて、金印が昭和6年に国宝に指定された時の説明書(文部省)を見てみましょう。

「この金印は天明四年二月二十三日筑前志賀島から発見されたと伝えらるるものである。これを作法の上からみると印文白字の態正しく彫法鋭く蛇鈕の形にも古体を窺うべく、蛇体に施されたる斑文にも力ある技法を示して居る。なほ印に関しては漢代の制に蛮夷は蛇、其の字は白文とあることとも一致している。惟ふにこれは印文並に製作等によって漢代の作と認められるもので、我国古代に於ける大陸交渉の徴証となるべき重要なる遺品である。」(カタカナはひらがなに、旧字体は新字体にあらためた。)

この説明書きを読むと、金印の形態・印文等を正確にとらえ、この金印は「蛮夷」印であると言い切っています。「蛮夷」とは、当時の中国「漢」からみて、野蛮な国、というほどの意味ですが、最初に述べたような時代的な背景にも関わらず、文部省は金印の持つ意味を正確に記述していると言えそうです。

昭和6年に国宝に指定された「金印」、国史跡に指定された「元寇防塁」、ともに歴史の証人として、福岡の歴史のシンボルとして今後も輝き続けることでしょう。

江戸時代以来、金印を保護してきた紫檀製の箱や、上記の文章を記載した「文部省の指定理由説明書」などを、常設展示室で初公開中(12月26日まで)です。

年内の開館も12月26日(日)までです。年明けは1月5日(水)からの開館です。

令和4年も、福岡市博物館をよろしくお願いします。

                                                                    (学芸課 米倉)

  


2021年12月9日木曜日

緊張の瞬間~金印の取り扱い~

 

福岡市博物館では現在、NHK福岡放送局が金印を8Kカメラで撮影し、制作した『国宝へようこそプチ「漢委奴國王」金印』を8Kモニターで上映中です。また、これに合わせ、常設展示室にてミニ企画展示『「金印」旧国宝指定90年』を開催中。この期間中、本ブログでは金印にまつわるちょっとしたお話を紹介していきます。

 

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福岡市博物館で金印のことを担当していると、お客様から「本物の金印に触ってみたい。」というお話を聞くことがよくあります。そんなとき、私たちは心の中で「いやいや、金印を触るのって、ものすごい精神的ストレスですから!!」と言いたくなる。今日はそんなお話です。

 

国宝 金印「漢委奴國王」は、平成2年の福岡市博物館の開館以来、常設展示室の目玉のひとつとして展示されてきました。数年に一度、他館に貸し出すとき以外は基本的に本物を展示しており、動かすことは稀ですが、調査や撮影などの際に動かさなければならないことがあります。その手順は以下のようになります。

 ①厳重な警備のスイッチを切る(詳細は秘密です)

 ②展示ケースを開ける(やはり、詳細は内緒です)

 ③金印を手で持ち上げ、専用の箱に収納する

(この箱は常設展示内ミニ企画展示『「金印」旧国宝指定90年』で初公開中です!)

④運ぶ

 

まず緊張するのは持ち上げるとき。息を止め、ゆっくりと持ち上げます。もし落としたり、どこかにぶつけでもしたら、どうなることか……想像したくもありません。高さは2.2㎝で、印面幅は2.3㎝。単独の指定としては最も小さい国宝である金印は、非常に持ちづらく、おまけに見た目よりも重い(金なので)。2000年前の製作時には、ツマミの部分に紫色の帯紐がつけられ、それ無しで持ち上げることなんて想定されていません。しかも、近年はマイクロスコープによる詳細な観察・記録がなされており、少しでも新しい傷がつこうものなら、すぐにわかってしまいます。

さらに、ほぼ純金ということで、意外と傷つきやすい金印。すでにいくつかある目立つ傷のうち、いくつかは弥生時代や江戸時代のおっちょこちょいな人が落としてつけた傷かもしれません。

 

さて、箱にいれた後も緊張は続きます。運ぶ作業は必ず複数人で行い、箱を持つ人とサポートする人に分かれます。持つ人は箱を両手でしっかりと持ち、絶対に転んではいけません。階段は使いません。絶対エレベーターです。絶対です。作業中もひとときも目が離せません。

 

そんな感じで、意外と楽しいものではない金印を扱う作業。

最新の8Kカメラは、そんな金印を扱う学芸員の手の緊張まで捉えることができたのか!?

NHK制作『国宝へようこそプチ「漢委奴國王」金印』は、1226日(日)まで福岡市博物館2階にて、8Kモニターで上映中です。 

 


                    

                                                                                                                       (学芸課 朝岡)

2021年12月7日火曜日

しらけ鳥 飛んできた♪

 127日は小松政夫さんの一周忌。生まれ育った博多の街をずっと愛してこられた小松さんの穏やかな笑顔が思い返されます。

当館総館長による追悼ブログはこちら

 

平成252013)年に当館常設展の映像に出演していただいたご縁で、先日ご遺族や関係者の方々から、小松さんゆかりの品々が博物館に届けられました。その中にはこんなパペットが…。

おぉ! しらけ鳥。 

テレビ朝日系の人気バラエティー番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」(1976-78)のなかでも、小松政夫さん、伊東四朗さん、キャンディーズによるコント「悪ガキ一家の鬼かあちゃん」は衝撃的でした。(裏番組であった水戸黄門のオーソドックスなルーティンの向こうを張ったというわけではないのでしょうが)毎週繰り出されるエキセントリック・ルーティンとも言うべき掛け合いは、世の中に中毒的な笑いをもたらしたのでした。

このコントから生まれたのが「しらけ鳥音頭」です。小松さん扮する息子・政太郎がお母たま(伊東さん)にお仕置きされ、虚勢を張るものの場が白けたとみるやコタツの上に乗って歌い始めるこの歌は、当時大ヒットを記録しました。政太郎が右手にさし持ったしらけ鳥のパペットを「みじめ、みじめ」と肩に寄せるしぐさは、今も記憶に鮮やかです。 

小松さんは晩年に至るまで「しらけ鳥音頭」を大切にし、さまざまな場面で披露されていたと聞いています。その右手にはいつも、このしらけ鳥がありました。眉毛ピクピクの淀川長治メガネとともに、小松政夫というコメディアンを象徴し、テレビの時代を象徴する小道具といってよいでしょう。

福岡はこれまでに数多くの芸能人を輩出してきた土地柄です。活躍の場がテレビであり、舞台であった小松さんの芸も、じつは深いところで故郷の気風につながっていたと思います。人々が芸どころを自認し、新奇なものをおもしろがる文化が、福岡の地でどのように受け継がれてきたのか、小松政夫さんの人生は、私たちにいろいろなヒントを与えてくれるような気がします。(松)


※Facata124号には「常設展示室の小松政夫さん 博物館より感謝を込めて」を掲載しています。

2021年12月3日金曜日

いつでも会いに行ける国宝

みなさま。

本日はあらためて声をにしてお伝えしたことがあります。

 

「福岡市博物館で展示している金印は国宝の実物ですよ~!!

 

そうなんです。実物なんです。

なのですが・・・

「あっ、これの本物、太宰府で見た~」なんて会話が聞こえてくる常設展示室。

当館に常設展示している国宝 金印「漢委奴国王」は、複製(レプリカ)と間違われることがよくあるんです。

 

もちろん、実物を他館に貸し出す際に、代打を務めてくれる金印レプリカちゃんも、当館にはおります。

こっちが実物で・・・↓











こっちが当館所蔵のレプリカ↓












こっちが実物で・・・↓










こっちが当館所蔵のレプリカ↓









そっくりですね。(実物から型を取っているので当たり前ですが。)

 

ちなみに、ミュージアムショップで販売しているものはこちら↓




















↑こちらの商品は、当館ミュージアムショップほか、福岡市文化芸術振興財団のオンラインショップ(https://ffac.shop-pro.jp/)でもお買い求めいただけます。)

みなさま、福岡市博物館(福岡市早良区百道浜)の常設展示室では、

国宝 金印「漢委奴国王」(実物)をいつでも見ることができます(他館貸出中をのぞく)。

いつでも会いに行ける国宝。それが金印。

 

年内は1226日(日)まで開館しております。

そして年始は15日(水)から開館しております。

 

また、1226日(日)までは、常設展示室前にてNHK福岡放送局が制作した超高精細8K映像にて金印をご覧いただけます!

 

当館では年末詣も初詣もできませんが、

お隣にある福岡タワーには、龍が天に昇っている鳴き声のように聞こえる「鳴き龍」現象が体験できる不思議スポット(https://www.fukuokatower.co.jp/blog/archives/43)や、恋人の聖地(https://www.fukuokatower.co.jp/blog/archives/16)もあるそうで、何やら縁起が良い様子。

ぜひあわせてお越しくださいませ。(FUK


2021年11月16日火曜日

聴耳図鑑 いよいよ100巻目!


※一部加筆しました(2021年12月25日)
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2021年9月25日発行の福岡市博物館広報誌Facata124号では、聴耳図鑑が99巻目となりました。
次号では、記念すべき第100巻目
さて、いったいどんな話が聴けるのでしょうか。

※「聴耳図鑑」とは・・・聴こえないものを聴き、見えないものを見る。それが「聴耳図鑑」。変貌する北部九州の民俗を探る連載。1995年12月発行のFacata21号に第1巻が掲載された。

100巻目を目の前に、これまでの99巻を振り返ってみましょう。
(各タイトルをクリックすると、アーカイブのページで記事を読むことができます)
※PDFファイルの2ページ目以降に記事がある場合もございますので、スクロールしてご覧ください。


001 鬼すべ
002 厄払い
008 幸木
009 還暦賀
015 牛の餅
020 閏年
089 初七夕

ズバリそのもの!といったタイトルから、「これって何のこと?」と中身を読んで確かめてみたくなるタイトルまでさまざま。
全部読めば、北部九州の民俗マスターになれる・・・かも?!


記念すべき第100巻目が掲載されるFacata125号は、12月25日発行予定です。
ぜひお楽しみに!!(FUK)

2021年10月6日水曜日

福岡市博物館が『縁結び大学』に紹介されました!

webメディア『縁結び大学』では、「出会った後の縁結び」をテーマに、
付き合う前のカップルから結婚が決まったカップルまで、
さまざまな男女が参考になる情報が発信されています。

この度、福岡市博物館は『縁結び大学』のサイトに掲載していただきました。
ぜひ、ご覧ください。


迫力いっぱい!楽しい博物館デート企画に掲載されました