2022年10月7日金曜日

【別冊シーサイドももち】〈008〉ビルの谷間のアート空間へようこそ

 埋め立て地にできたニュータウン「シーサイドももち」の、前史から現代までをマニアックに深掘りした『シーサイドももち―海水浴と博覧会が開いた福岡市の未来―』(発行:福岡市/販売:梓書院)。


この本は、博多・天神とは違う歴史をたどってきた「シーサイドももち」を見ることで福岡が見えてくるという、これまでにない一冊です。


本についてはコチラ


この連載では「別冊 シーサイドももち」と題して、本には載らなかった蔵出し記事やこぼれ話などを紹介しています。ぜひ本とあわせてお楽しみいただければ、うれしいです。


過去の記事はコチラ。


1(「よかトピアに男闘呼組がやってきた!」)

2(「ダンスフロアでボンダンス」)

3(「よかトピアの「パオパオ・ロック」とは。」)

4(「開局! よかトピアFM(その1)KBC岸川均さんが育てた音のパビリオン」)

5(「思い出のマッスル夏の陣 in 百道」)

6(「最も危険な〝遊具〟」)

7(「開局! よかトピアFM(その2)1週間の全番組とパーソナリティー」)

※ 2023.4.28 一部タイトルを変更しました。




〈008〉ビルの谷間のアート空間へようこそ


シーサイドももち地区は、たくさんのパブリックアートがあるエリアです。


大きなビルやマンション群の合間をぬって歩くと、さまざまなアート作品と出会うことができます。

中でも福岡タワー行きのバスに乗ると見かける大きなピンクのバルーンアートのようなピンクの犬や、福岡PayPayドーム前の地行中央公園広場にあるカラフルな鳥は有名です。

突如としてまちの中に現れるこれらのアート作品は、日常をちょっとだけ楽しくしてくれます。


photo by 加藤淳史

ババーン!!
風で動くという話ですがまだ見たことはない、
ニキ・ド・サンファル「大きな愛の鳥」。


そんなシーサイドももちの中でも、とくにアートが集まっているスペースがあることは、意外と知られていません。

今回はたくさんあるシーサイドももちのパブリックアートから、シーサイドももちセンターステージにある「エアロギャラリー “デューン”」をご紹介します。

コチラからもご覧いただけます。→ Googleマップ


ここにはUR都市機構の「シーサイドももちセンターステージ」の2階部分に当たります。

バス通りの西日本シティ銀行とMタワーの間から、階段をのぼって福岡市博物館側へ通り抜けることができます。


今回は、最寄りのバス停「博物館北口」(西向き)から博物館に向かって歩いてみようと思います。

こんな感じで歩いてみます。
赤くなっているエリアが「エアロギャラリー”デューン”」。


「博物館北口」バス停から振り返ると、いきなりピンクの犬がお出迎えです。

photo by 加藤淳史

こーんにーちはーー!


こちらの作品はその名も「poodle」。作者は申明銀(しん・みょんうん/Shin Myeong-eun)、ソウル出身のアーティストです。

彼女の作品はペインティングや彫刻で、モチーフはどれも犬、それもプードルというのが特徴です。


バス停のすぐ後ろにいます。



プードルを横目に、背後の階段をのぼるとエアロギャラリー”デューン”の中心に出ます。

この階段をのぼります。
階段の途中にはベンチもあり、ランチスポットになっています。

階段をのぼるとそこが「エアロギャラリー”デューン”」です。

住民の皆さんだけでなく、お昼時は周辺のビジネスパーソンの憩いの場にもなっています。

天気がいいと、ここでランチを食べるのも、またオススメです。

photo by 加藤淳史

東側から見るとこんな感じで、左側が「陽だまりの広場」。
意外と静かで天気のいい日の散歩休憩にはオススメです。


陽だまりの広場はこの辺。



先ほどの広場の写真の右側に写る箱も、もちろんアート作品です。

フランス出身の現代美術作家、ジャン=フランソワ・ブランによる「ナイトシーン」です。

ここは「光の塔」エリアに当たります。

これです。広場の中心にいくつもの箱……。


さらにこの作品にはもう一つ、大きな特徴があります。

なんと夜になると光を発する仕組みになっています。

photo by 加藤淳史

だから「ナイトシーン」なんですね~。


さらにさらに、それだけではありません。

この作品、なんと光が動くんです!


夜になると10分位おきに約10分間ランダムな点滅運動を繰り返しており、まるで打ち寄せる波のようにも見えます。

これは意外と知られていないかも……。

筆者も長く百道浜で働いていますが、昨年初めて知りました。

福岡タワーの夜景を見たあと、ぜひ覗いてみてほしい風景です。


photo by 加藤淳史

実はバス通りからも見えます。
下のプードルとあいまって、ちょっとシュール。


プードル奧の階段をのぼるとすぐです。



さてさて、階段をのぼって左手は「東の広場」になっていて、そこにも作品があります。

photo by 加藤淳史

鮮やかなオレンジが目をひきます。

こちらは「ウルトラファインド」と名付けられた、椿昇(つばき・のぼる)による作品です。

写真だとちょっと分かりづらいですが、結構な大きさで存在感があります。

良く見ると表面がタイルのようになっていて光を反射するので、夕方になると夕陽を反射してキラキラ光るんですよ~。


東側の奧は意外と行かない人が多いかも……。



そして反対側、階段から右手にあるのが「西の広場」。

photo by 加藤淳史

どこから見ても不思議な形。表面はざらざらです。


ここにある作品は「ノスタルジア オブ サーキュレーション」、作者は崔在銀(チェ・ジェウン/Jae-Eun Choi)。ソウル出身のアーティストです。

これまた引き込まれそうな色と不思議な形状をしています。そしてまた大きい……。


全体ではこんな配置。
各所にいくつもベンチがあるので、ゆっくり過ごせます。



広場の左奥(南側)には階段があり、そこを下ると緑道に繋がります。

階段からそのまま真っ直ぐ進むと、福岡市博物館の東口に到着です。

先ほどの「ノスタルジア オブ サーキュレーション」の左手に階段。
奧には福岡市博物館の屋根が見えます。

階段はこんな感じ。
福岡市博物館東口に続く道路につながっています。



いかがだったでしょうか。


暑さもだいぶ和らいで、秋めいてきた今日このごろ。

皆さんも街中のパブリックアートを巡る秋のお散歩に出かけてみてはいかがでしょう?


案内板もあります。



※クレジットのない写真は市史編さん室撮影。


【交通案内】

[西鉄バス]「博物館北口」バス停(西向き)

 ※「博物館北口」バス停までは、博多駅から約25分、天神から約20分(最速の場合)

[福岡市地下鉄]西新駅[K04]から徒歩約15分

 ※西新駅[K04]までは、博多駅[K11]から約13分、天神駅[K08]から約7分



 

#シーサイドももち #シーサイドももち #パブリックアート #エアロギャラリー #巨大モニュメント

 

Written by かみねillustration by ピー・アンド・エル]


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