2016年3月26日土曜日

3D出力による「日本号」、手にとってみませんか?

すでにFacebookでお知らせしておりますが。
明日(3月27日)、福岡城さくらまつり開催中の三の丸スクエアにて、
3Dプリンターで出力した「日本号」を手にとれるイベントを開催します。

時間は、10:00〜12:00 2時間限定!(の予定です)。

一応、イベント名は
さわってみよう「さわる《金印ロード》の宝もの」

明日は、日本号以外にも、こんなのもお披露目します。















これ、何かといいますと、古代の迎賓館・鴻臚館(こうろかん)の建物再現CGのデータを、3Dプリンターで出力できるかたちに変換してつくった「掌★鴻臚館(てのひら★こうろかん)」です。

そもそも、「さわる《金印ロード》の宝もの」は、博物館が、地域コミュニティやユニバーサルデザインに取り組む市民とともに、やってきた「博多湾岸《金印ロード》プロジェクト」のアウトプットの1つです。

このプロジェクトは、金印発見のしま・志賀島と、金印のあるまち・シーサイドももち地区を結ぶ博多湾岸にひしめく歴史遺産の魅力を発掘・発見・発信するものです。
その一環として、さわることのできるコンテンツづくりに取りくんできたのです。

その成果を、桜咲く三の丸スクエアで、みなさんにご紹介するのが明日のイベントです。

午後からは、同じ三の丸スクエアのミーティングルームで公開研究会をします。
題して
歴史資源×デジタル技術×ユニバーサルデザイン 
〜まちとミュージアムの未来を拓く〜

ミュージアムの現場で、ユニバーサルデザインに取り組み、デジタル技術を取り入れて楽しいコンテンツづくりにはげむ仲間、クリエイター、そして福岡市のスタッフが集まって、研究会をします。

「魔法!?」と思えるデジタル技術は、ミュージアムをもっと楽しくする。
そして、
ユニバーサルデザインに取り組むことも、ミュージアムをきっともっと楽しくする。
そんなことを、わいわい話し合おうと思います。

どなたでも聴講可能です。
お花見のついでに、ぜひ、顔を出してください。

時間は14:00〜閉館(17:00)まで

★ゲスト
大河内智之氏(和歌山県立博物館
大橋智之氏(  〃           )
長沢 潔氏(クリエイター)
藤川敦志氏(キュリオ3D代表)
★福岡市スタッフ
赤坂 亨(福岡市 文化財部大規模史跡整備課)
本田浩二郎(福岡市博物館)
杉山未菜子(福岡市博物館)
★司会
有馬 学(福岡市博物館長)












postes by 学芸課:すぎやま

2016年3月25日金曜日

“カニですけど何か?”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“カニですけど何か?
花器(カニ)/作品番号135
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK

【ちょこっと解説】

本展の最後を飾る作品はポール・ニコラが制作したもの。造園関係の家に生まれるも、建築関係の道へ進んだニコラ。そこで、彼はアール・ヌーヴォー建築の装飾に惹かれ、ガラスの世界に飛び込むことになります。ニコラは、ガレの工房で、生まれながらに身についた植物の知識をいかして、植物をモティーフとした作品を数多く制作しています(後年、独立し、自分の工場で作品づくりを続けました)。本展で展示されている作品は、残念ながら植物の花器ではなく「カニ」。「カニですけど何か問題でも?」とカニが静かに訴えているようにみえます。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月24日木曜日

“保健室の思い出”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“保健室の思い出
花器/作品番号129
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK

【ちょこっと解説】

茶色のガラス花器、担当者の「これって保健室にあった消毒瓶みたい」という第一印象から採用されたコピー。本展の作品のなかでも1つしかない形状のものです。デザインに注目すると、最初の頃に紹介していたもの(作品番号7、9、10)は、日本や中国美術から直輸入したかのようでしたが、アール・ヌーヴォーの成熟期には「東洋美術」よりも、むしろガラス工芸の世界に革命をおこした「ガレの様式」にならった作品がつくられるようになります。左右非対称、身近な動植物という特徴は備えたままですが、デザインの使われ方に大きな変化がみられます。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月23日水曜日

“がんばれカタツムリ!”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“がんばれカタツムリ!
花器(ブドウとカタツムリ)/作品番号112
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK

【ちょこっと解説】

縁までのぼっていくかのようなカタツムリ、思わず「がんばれ~」と応援したくなります。カタツムリもですが、より注目してもらいたいのは、素地の部分。素地を丁寧にみていくと、様々な色ガラスが混じり合っていたり、重ねられていたり、科学の力を使って酸でガラスを溶かしたり、表面を槌の目状にボコボコにしてみたり・・・といくつものガラスの装飾技法を駆使してつくられていることが分かります。あらためて【ちょこっと解説】で紹介したアール・ヌーヴォー初期のガラス(作品番号3、10、13など)とくらべると随分と色ガラスの使われ方や技法が変化してきましたね。会場でも、ガラスの色や技法の変化にも注目して観覧してみてくださいね。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月22日火曜日

“幻想的”-パナソニック株式会社さんとのコラボレーション~アール・ヌーヴォーのガラスからコラボ作品紹介④

“幻想的
花器(森の情景)/作品番号111
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK
【ちょこっと解説】

本展では、パナソニック株式会社さんの照明協力のもと、光の加減によって作品の表情を変化させる特別ケースを一部に設置しています。そのうちの1つが、前回に続く、ドーム兄弟のアンテルカレール技法でつくられた作品。作品は、森の風景が描かれ、素地は緑やオレンジの色ガラスで表現されています。30秒ほどかけてゆっくりと照明が変化するのですが、それにともない、朝焼けから夕焼けへと、まるでガラスの森に時間が流れているように見え方が変わります。ぜひ会場でガラス作品の奥深さを感じてみてくださいね。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください。
http://artnouveau.fukuoka.jp/works/list.pdf

本日3月22日(火)は、昨日の振替で休館となっています。お間違えのないようにお願いします。

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月21日月曜日

“雨月物語”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“雨月物語
花器(プリュヴィオーズ)/作品番号96
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK
【ちょこっと解説】

プリュヴィオーズは雨月のこと、現行歴では1・2月にあたる月です。その名の通り、落葉した木々に冷たい雨が打ち付けている風景がみえますね。細かく表現された風景は、どことなく山水画を感じさせます。この作品は、アンテルカレールと呼ばれる、2層のガラスの間に別の装飾を挟み込む技法でつくられたもの。細部に至るまでの丁寧な装飾とアンテルカレールは、アール・ヌーヴォーを代表するガラス工芸家・ドーム兄弟の十八番技術です。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月20日日曜日

“口を開けています”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“口を開けています
花器(ランと昆虫)/作品番号117
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK

【ちょこっと解説】
口を開けているような独特の形をしている花器。こちらも「形に注目」の作品のひとつなのですが、みなさん分かりますか?答えは「ラン」。唇弁と呼ばれるくちびる状の花びらの形なのです。子孫を残すために、ランは花粉を運んでくれる存在を待っているのですが、その昆虫が作品の裏面に描かれています。気になる方は会場で確認してみてくださいね。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月19日土曜日

日本とフランスの美の競演~アール・ヌーヴォーのガラスからコラボ作品紹介③

バンザイ(蓋付花器)/作品番号86 &  縮緬地桐鳳凰模様振袖

福岡市博物館でしかみられない、アール・ヌーヴォーのガラス作品と館蔵資料とのコラボレーション。第3弾は、市内で材木商を営んでいたお家に伝わった、婚礼時に仕立てられた3領の振袖。これにコラボする作品は、前回の【ちょこっと解説】で紹介した「何かの形に注目」編の第2弾。ご覧の通り「茶壺」です。まるで小さな手をバンザイしているかのような愛らしい作品ですね。

さて、担当者が展示した後に気づいたもう1つのコラボ・・・この作品はフランスでつくられたもの。そして、この着物の配色「青(紫)」「白」「赤」。なんということでしょう「トリコロール」ではありませんか!偶然がかなさった日本とフランスの美の競演です。

posted by 学芸 河口

2016年3月18日金曜日

“火星人ではありません”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“火星人ではありません
ランプ/作品番号73
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK

【ちょこっと解説】

ガレといえば、ランプという方もいらっしゃるのでは?展示室では、ランプの光がついたり・消えたりを繰り返すタイマーを設置しており、幻想的なランプのあかりを感じることができます。さて、この作品のコピーは、当館のある職員が「なんだか火星人みたい」といったことがきっかけで付いたもの。お客様からは「キノコみたい」という声もちらほら。みなさんは何にみえますか?展示室には、ほかにも「何か」をかたどった作品があります。ガラスのデザインだけではなく、形にも注目してみてくださいね。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月17日木曜日

“春の訪れ”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“春の訪れ
花器(カッコウ、マツヨイグサ)/作品番号55
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK
【ちょこっと解説】

満開のマツヨイグサにリンゴの花、そしてカッコウ。モティーフが無雑作に配置されているようにみえますが、ここには「(越冬地から渡ってくる)カッコウが鳴かなければまだ4月とは言えない」というフランスの諺が隠されています。フランスにおけるカッコウは、日本でいう春の訪れを告げる鶯といったところでしょうか。なんだか、カッコウの鳴き声がきこえてきそうですね。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください
http://artnouveau.fukuoka.jp/works/list.pdf

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月16日水曜日

“踊る海藻”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“踊る海藻
花器(水中の情景)/作品番号54
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK
【ちょこっと解説】

まるで人の手のような、うねりのある黒い物体。この作品のメインモティーフは、なんと海藻(海草)。とても生命力が感じられる作品ですね。ガレは、海藻(海草)をあしらった作品をつくる際には「タコが踊るように」と指示したともいわれています。「生命」の表現に力を入れていたガレのこだわりが伝わってきます。それにしても・・・なぜ海藻(海草)を主役に抜擢したの?と思わずガレに問いかけたくなるのは私だけでしょうか。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください
http://artnouveau.fukuoka.jp/works/list.pdf

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月15日火曜日

“月夜のコウモリ”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“月夜のコウモリ
大杯型花器(コウモリ)/作品番号37
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK
【ちょこっと解説】

乳白色の硝子に、満月の夜に羽を広げたコウモリが浅浮彫りで描かれています。ヨーロッパでコウモリが不吉な意味合いをもつのと対照的に、中国や日本では、幸運の前触れとしての意味合いをもっています。東洋美術に詳しいガレも、そのことを知っていたといわれ、あえて正反対の意味をもつモティーフを用いたところが面白いですね。本展では、コウモリモティーフの作品は他にも2点あります。色づかいや形を見比べてみてくださいね。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください
http://artnouveau.fukuoka.jp/works/list.pdf

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月12日土曜日

3月18日(金)「ぶらぶら美術・博物館」に福岡市博物館が登場します!

2月13日(土)に開催した「アール・ヌーヴォーのガラス」のアート・トークでお越しいただいた山田五郎さん。先日、お笑いコンビのおぎやはぎさん、女優・モデルの高橋マリ子さんも一緒に再度お越しいただきました。

今回の目的は。。。テレビ番組「ぶらぶら美術・博物館」(2時間スペシャル)の撮影です!撮影日は天気にも恵まれ、博物館の前庭から常設展までじ~っくりご覧いただけました。

国宝「金印」を見つめる出演者のみなさん
何気に案内した森本学芸員も写りこんでます(笑)

3月18日(金)20時から、BS日テレで放送されますので、ぜひぜひご覧ください~☆

番組フライヤー(博物館や美術館などに置いてます)

番組サイトはこちらから~♪
http://www.bs4.jp/burabi/index.html

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月11日金曜日

“海の幸づくし”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“海の幸づくし
花器(水中の情景)/作品番号60
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK
【ちょこっと解説】

ガラスにみえない陶製の壺のような作品。取手はマトウダイ、ほかにも貝やヒトデ、目を凝らして素地をみると、なんと海藻まで・・・まさに“海の幸づくし”。ガレの生まれたナンシーには海がありません。ガレがどこで海をみたのかは分かりませんが、もしかしたら海に対する憧れがあったのかもしれませんね。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください
http://artnouveau.fukuoka.jp/works/list.pdf

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月10日木曜日

“金とエナメルの共演”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

金とエナメルの共演
筒型花器/作品番号32
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK

【ちょこっと解説】

美しいアクアマリン色のガラスで作られた作品。モティーフは、ヤネバンダイソウの花。エナメルと金粉で鮮やかに表現されています。ヤネバンダイソウは花火のような太陽のような面白いカタチをしていますね、本当にこんなカタチなの?と内心疑いながら調べたら本当に花の中央部分も描かれている通りなのですね!さすが植物学並みの知識を持っていたガレ。脱帽です。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください
http://artnouveau.fukuoka.jp/works/list.pdf

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月9日水曜日

「アール・ヌーヴォーのガラス」来場者1万人突破記念プレゼントのお知らせ

本日3月9日(水)に「アール・ヌーヴォーのガラス」展の来場者1万人記念セレモニーが行われ、武藤副館長より1万人目の来場者に記念品として、展覧会図録と有限会社マルティグラス製の置物が贈られました。


本展では、来場者1万人突破記念として明日3月10日(木)より、展覧会図録をご購入いただいた先着30名の方に、有限会社マルティグラスのオシャレで可愛いガラス小物をプレゼントいたします。
※来場者プレゼントは、なくなり次第終了とさせていただきます。

プレゼントのガラス小物(有限会社マルティグラス提供)

また、来場者1万人記念セレモニーの様子は、本日17時13分~17時25分、TVQ九州放送の「ルックアップ」にて放送されます。お楽しみに!!

posted by 学芸 河口

“饕餮文!”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

饕餮文
金メッキ台付鉢/作品番号30
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK

【ちょこっと解説】

作品をじ~っと見つめてください。目、耳、鼻、頬!?だんだん人の顔のようなものがみえてきませんか?こちらは饕餮文(とうてつもん)といって古代中国の青銅器に用いられた獣面文様を参考にしてつくられた作品。東洋美術に精通していたという、ガレだからこそガラス工芸に応用できた作品といえます。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください
http://artnouveau.fukuoka.jp/works/list.pdf

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月8日火曜日

本日よりコラボ展示 伊藤若冲「付喪神図」~アール・ヌーヴォーのガラスからコラボ作品紹介②



福岡市博物館でしかみられない、アール・ヌーヴォーのガラス作品と館蔵資料とのコラボレーション。スピンオフ・バージョン第2弾は、伊藤若冲の「付喪神図」。当館でも人気の資料を本日より最終日の3月27日までコラボレーション展示します。

同作品は“奇想の画家”と知られる京都の絵師・伊藤若冲(1716-1800)が描いた作品で、楽器や茶道具などの付喪神(古びた器物に宿った精霊)がユーモラスに表現されています。東洋と西洋の美術の競演、ぜひこの機会にお楽しみください。

posted by 学芸 河口

2016年3月7日月曜日

“悲しみの花器”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“悲しみの花器
花器(スイレン)/作品番号29
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK

【ちょこっと解説】

一見黒くみえるのですが、よく見ると濃い紫色。シンプルなデザインでつぼみと満開のスイレン(多分スイレン科のコウホネ)が描かれています。でも、なんだか寂しそうにみえますね。“悲しみの花器”シリーズと呼ばれるこの作品の制作にあたっては、背景に制作者・ガレのお母さんが亡くなったことと関係しているといわれています。スイレンは東洋のハスの代わりになるもの。「ガラスの詩人」と称されるガレなりの弔いのカタチなのかもしれません。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください
http://artnouveau.fukuoka.jp/works/list.pdf

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月6日日曜日

“赤井ゆりです。”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“赤井ゆりです。
花器(マルタゴンリリー)/作品番号36
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK

【ちょこっと解説】

乳白色の素地に暗赤色のガラスを被せ、酸の腐食で花と葉を浮き彫りにしたもの。表されている花は、マルタゴンリリーという百合。こちらの作品の一言解説、じつは最後までなかなか良いコピーが浮かばず、開催まであと1日のところでやっと決まったもの。窮地に立たされた我々がたどり着いた答えは・・・「この作品のモティーフは赤い百合です」→「赤井ゆり」です。担当者のイメージは45歳くらいの熟女サンです。大まじめに考えた我々の苦悩をくすっと笑っていただければ幸いです。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください
http://artnouveau.fukuoka.jp/works/list.pdf

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月5日土曜日

柳桜唐美人図屏風~アール・ヌーヴォーのガラスからコラボ作品紹介①


福岡市博物館でしかみられない、アール・ヌーヴォーのガラス作品と館蔵資料とのコラボレーション。作品を展示するまで本当に上手くいくか分からないドキドキの試みでしたが、ガラス作品の所蔵元であるデュッセルドルフ美術館のクロジック館長から「I am speechless. This is so beautiful!」とのお言葉をいただき嬉しい限りです。

多くの来場者から「会場の屏風は誰の作品なの?」というご質問もあり、スピンオフ・バージョンとしてご紹介します。

担当者曰く「柳桜唐美人図屏風といって、金地に柳と桜を描き、その下で唐美人と唐子が遊んでいる、夢のように美しい屏風です。でも作者はいまひとつよく分からないんですよね~。ただ全体の構図や人物の描き方もしっかりしているし、たぶん江戸初期の狩野派の絵師の作品でしょう。」と、いかにも自信なげですが、アールヌーヴォーのガラスとの相性はばっちりのようです。

こちらの作品は、6曲1双のうち右隻が3月6日(日)まで、左隻が3月8日(火)からの公開となっています。

posted by 学芸 河口

2016年3月4日金曜日

“黒い花びら”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介


“黒い花びら
花器(黒いキク)/作品番号15
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK

【ちょこっと解説】

三日月が浮かぶ夜の海景に黒いキクを配した作品。なんだか寂しそうな雰囲気ですね。花器には、咲き誇り、そして枯れていく・・・そんなキクの生き様がとてもドラマティックに描かれています。三日月は作品の右側にあります。会場で確認してみてくださいね。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください
http://artnouveau.fukuoka.jp/works/list.pdf

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月3日木曜日

“極楽浄土2”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“極楽浄土2
花器(池の情景)/作品番号17
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK
【ちょこっと解説】

池に生育するサギタリアやスイレンがあらわされた花器。スイレンは、西洋美術の世界において、東洋のハスのモティーフに代わるもの。ハスはお盆や仏像の台座などで目にする “極楽浄土”を象徴する花。この池は「七宝の池」なのかもしれませんね。ちなみに、極楽浄土1もあります。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください 
http://artnouveau.fukuoka.jp/works/list.pdf

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月2日水曜日

“とろけちゃったのよ♥”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“とろけちゃったのよ♥
花器(リス・テン)/作品番号9
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK
【ちょこっと解説】

ぐにゃりと溶けるガラスの特性が存分にいかされた花器は、中国・清時代の翡翠細工を参考にしたもの。表面の赤い部分には、テン(表)とリス(裏)が描かれています。テンってどんな動物?と聞かれるので、こちらをご案内。福岡市動物園にホンドテンとツシマテンがいるので、園内やHPでチェックしてみてください!(学芸:河口&末吉)

福岡市動物園HP:http://zoo.city.fukuoka.lg.jp/

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください

★展覧会会期中は、本展の半券ご提示で福岡市動植物園の入園料が割引になりますよ~★

posted by 広報担当 いわさ

2016年3月1日火曜日

「新・奴国展」図録の販売を再開します

一時、販売を休止していました「新・奴国展」図録の販売を、本日3月1日(火)から博物館1階のミュージアムショップにて再開します。

お問い合わせをくださった皆さま、大変ながらくお待たせいたしました。

遠方の方は郵送対応もしていますので、直接ミュージアムショップまでお問い合わせください。
℡:092-823-2800



posted by 広報担当 いわさ

“あふれ出す水”~アール・ヌーヴォのガラスから作品紹介

“あふれ出す水
垂れ下がった玉飾付花器/作品番号21
©Museum Kunstpalast, Düsseldorf,
Foto: Studio Fuis-ARTOTHEK

【ちょこっと解説】

バッタに食いつこうと狙いを定める鯉の眼差し…果たしてその結果やいかに。注目したいところは、花器からあふれだす水滴。まるで、川の水面から飛び跳ねた鯉の水飛沫のよう。自然界における緊張の一瞬が感じられます。(学芸:河口&末吉)

作家名などの詳細は下記出品目録をご覧ください
http://artnouveau.fukuoka.jp/works/list.pdf

posted by 広報担当 いわさ