2018年8月31日金曜日

9月18日(火)城南市民センターにて特別展「浄土九州」講演会が開催されます

9月18日(火)城南区役所主催「城南市民カレッジ講演会 Vol2」が開催されます。今回は、当館の特別展「浄土九州」がテーマ。学芸員ブログ「西方に極楽あり」絶賛連載中、末吉仏像担当学芸員が展覧会の魅力をたっぷりとお届けします!




講演テーマ:浄土九州 西方に極楽あり ~九州の浄土教美術~
講師:末吉武史(福岡市博物館主任学芸員)
日時:平成30年9月18日(火) 13:30~15:30
会場:城南市民センター 第一会議室3階 定員90名


参加ご希望の方は、9月11日までに「氏名、電話番号」をご記入の上、下記申し込み先へお申し込みください。
※手話通訳が必要な方は申し込み時に連絡ください。


(お問い合わせ/申し込み先)
城南区生涯学習推進課
〒814-0192 城南区鳥飼6-1-1
TEL 833-4043 FAX 822-2142
メール gakushu.JWO@city.fukuoka.lg.jp

Posted by:高村

2018年8月28日火曜日

浄土九州展ブログ 西方に極楽あり その15:髪と紙のアナロジー

展覧会のオープンまであと半月ほどになりました。そろそろ図録は手を離れますが、これからは作品集荷や展示作業がぎっちり詰まっています。いったい誰が200点にも及ぶキャプション(展示品の解説)を書くのでしょう?こんな時こそ重宝するのが持ち前の「鈍感力」や「現実逃避力」ですね。

・・さて、正気を取り戻して仏教美術のお話を少々。誰でも忙しくて髪を切りにいく時間がなくて、頭がボサボサになることってありますよね。実は、仏さまも同じだったというお話です。

行橋市・安楽寺 五劫思惟阿弥陀如来坐像(鎌倉時代)

今回展示する行橋市・安楽寺の五劫思惟(ごこうしい)阿弥陀如来坐像は高さ20センチほどのかわいい阿弥陀さまですが、頭の螺髪(らほつ)がやけに盛り上がっています。大分市・片島下区の像になると、ほぼアフロ状態ですね。いったいなぜこんな髪型になってしまったのでしょうか?

大分市・片島下区 五劫思惟阿弥陀如来坐像(室町時代)

『無量寿経(むりょうじゅきょう)』によると阿弥陀如来は悟りを開く前は法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)と呼ばれていたそうです。法蔵は世の中の人々を救うにはどうしたらいいか、それはそれは長い時間考え続けていました。そしてついに悟りを開く頃にはなんと5劫(こう)という時間が過ぎていたのです・・。
劫というのは仏教の時間の単位です。どれほどの長さかというと、巨大な岩山の表面を男が100年に1回やわらかい布で払ったとして、岩山がすり減って完全になくなってもまだ1劫は終わっていない、という気の遠くなる時間だと仏典には説明されています。億劫(おっくう)という言葉もここからきています。

阿弥陀さまはその5倍の時間修行をした結果、髪の毛がアフロになったというわけですね。つまり、髪の量は修行の時間の長さを視覚的にあらわしていることになります。

ここまで書いてふと気がつきました。実は我が学芸課の中にも何名か法蔵菩薩がいるんじゃないかと。

法蔵菩薩の机
うず高く積み上がった髪ならぬ紙の山!人がどこにいるのかわからないほどです(時々山崩れが起きます)。これを見るとうちの学芸員が、いかに社会の役に立つべく長い時間努力をしていることが一目瞭然ですね。

でもたまには掃除したほうがいいと思うよ。

Posted by 末吉(浄土九州展担当学芸員)

2018年8月20日月曜日

浄土九州展ブログ 西方に極楽あり その14:煩悩美術史

正直言うと、僕は図録やキャプションの校正がものすごく不得意です。最近は年のせいか細かい文字が見えにくくなって、信じられないミスも多くなりました。。。(知らんがな)

今回も奪衣婆(だつえば)を、「脱衣婆」とうっかり表記していて冷や汗をかきました。しかし、以前にも宝満山を「豊満山」としたことがあるので、年というよりは煩悩のなせる業かもしれませんね。奪衣婆は『十王経』に登場する、三途(さんず)の川のほとりで亡者の衣をはぎ取る老婆のこと。横には懸衣翁(けんえおう)という老爺がいて亡者の衣を衣領樹(えりょうじゅ)にかけていきます。すると、亡者が生前おかした罪の量によって枝のしなり方が異なり、三途の川の渡り方が決まるのだとか。

今回の展覧会では九州最古の「奪衣婆坐像」(鎌倉時代/個人蔵)が登場します。胸をはだけてしわしわの乳房を露わにした姿を見ると、僕は小さい頃おばあちゃんとお風呂に入ったことを思い出します。それはともかく、作品としては細部までものすごくリアルに造ってあり、じっと見ているとこの老女は若い頃はさぞかし綺麗なお姉さんだったのではないかとさえ思えてきます。

「奪衣婆坐像」(鎌倉時代/個人蔵)

これと似たテーマ性をもつ作品に「九相詩絵巻(くそうしえまき)」(江戸時代・西光寺蔵)があります。

「九相詩絵巻(くそうしえまき)」(江戸時代・西光寺蔵)

冒頭には十二単衣で着飾った美しい女性が登場しますが、次の場面では彼女は死に、さらに死体が膨張して腐敗し、ウジが湧き、やがて骨になる過程が九段階に分けて描かれています。

こうした容赦のない時の移ろいや、目を背けたくなるような死の現実をあらわした作品は、仏教の無常観にもとづくもので、特に「九相詩絵巻」は男性の僧侶が修行の妨げになる愛欲を克服するための「九相観」(イマジネーションによる修行)をもとに描かれたと、一般的には説明されています。しかし、人間の煩悩とはそんなことで克服されるほど甘いものでしょうか。むしろ若く美しい女性が裸身をさらして醜く朽ち果てる、その落差の中に見えざる真実を見てみたい(表現したい)という男性の計り知れない欲望が渦巻いているような気もします。

これ以上の深入りは周囲の女性からドン引きされるのでやめておきましょう。

それにしても、ヘンタイと悟りが微妙に交錯したこうした作品を見ると、美術というものは人間の深き罪業(ざいごう)を映す浄玻璃(じょうはり)の鏡のようだなあ、と感心させられます。

Posted by 末吉(浄土九州展担当学芸員)

2018年8月16日木曜日

妖怪が博物館へ大集結!!・・妖怪ナイト実施レポート!

8月10日百鬼夜行日、逢魔ヶ刻・・。福岡市博物館では特別イベント、「妖怪ナイト」を開催しました!

「いらっしゃいませ・・」当日はスタッフも幽霊仕様です。

とっても盛り上がったこの面白怖~いイベント。当日の様子を少しだけご紹介します♪

妖怪ハンター
絵巻物の中から妖怪たちが逃げ出した・・!福岡市博物館へ集う妖怪ハンターたちに課せられた任務は、妖怪を見つけて秘密の呪文を完成させること・・。地図をてがかりに探すのですが、これがなかなか難しいんです!


妖怪を捕えるべく、博物館へ集結してくれた妖怪ハンターの面々!ワニ男・オリジナルの猫娘など、バラエティに富んでいます。




想定外‼きつね女が二人(匹?)に!
集めた呪文をきつね女に唱えて、ミニ百怪図鑑をゲットしよう☆(学芸員お手製!)


日韓おばけ漫談談義も開催!

明るいプレゼンター二人。おばけというより新手の漫才コンビにしか見えません

背中に貼られたお札には、素多津風宇(スタッフ)の文字・・・


コミカルな2人でお届けしましたが、内容は韓国と日本のおばけの違いを紹介する至って真面目なギャラリートークでした。

百鬼繚乱ぬり絵
カラフルな、自分だけの妖怪をおみやげにしよう!ぬり絵のコーナーもありました♪

原画をもとにした本格派!こちらも学芸員お手製です。

ハマノユリナライブ
妖怪ナイトのラストは、民謡とポップスを織り交ぜるユニークなスタイルで話題の、ハマノユリナさんのライブ!心のこもった優しい歌声は、夜ゆっくり聞くのにぴったり・・綺麗な声で涙が出そうになったという声もあったほど。
ハマノユリナさんHP
hamanoyurina.com/



可愛いお化けと素敵な歌声に包まれた妖怪ナイト。お越しくださった皆様、ありがとうございました!幽霊・妖怪画の世界展は26日(日)まで開催中です。金・土・日は夜8時まで開館しています!是非お越しください。

Posted by たかむら

2018年8月14日火曜日

浄土九州展ブログ 西方に極楽あり その13:してしま王

この時期になると「展覧会の準備もいよいよ佳境(かきょう)ですな」と、よく同業者に言われます。この場合の佳境はお盆とか夏休みとか関係ない〝世間とは隔絶した別世界〟という意味かもしれません。

それはさておき(正気に戻って)、今回は展示図面の話をしましょう。

集めた作品をいかに適切に配置し、展示するかは展覧会の成否を左右する大きな問題です。そう、いい作品を工夫もなく展示してあるのを見ると怒りと悲しみがこみあげてきて、心の中で「作品を生かすも殺すも学芸員の腕次第ィィィィィィ!!」 (ジョジョ風)と叫んでしまいますね。

そうならないために、造作業者さんと何度も打ち合わせを重ねて展示図面を作り上げていくのですが、実は展覧会の準備でいちばん夢があって楽しいのがこの仕事だと思います。例えるなら、まっさらの土地に自分の家を建てるような感じです(もちろん予算の制約があってのことですが)。

福岡市博物館は1フロアで1500㎡という全国屈指の広い展示室を持っています。だから仮設の壁やケースを作ったりして、かなり自由度の高い演出が可能です(もちろん予算の・・以下略)。

今回も展示室の天井ぎりぎりの大きさの当麻曼荼羅(たいままんだら/京都・禅林寺蔵)をいかに展示するかが最大の課題でしたが、「この際、福岡市博物館を当麻寺の曼荼羅堂にしてしまおう!」という仏像学芸員の無茶な要求に設計側がみごとに応えてくれました(ぜひ会場でご覧下さい)。

ところで、僕がこれまで関わった展示設計の中でダントツに思い出深いのは2003年に開催した「大倉集古館の名品」展ですね。何せこの頃は若かったし、いろんな展示手法を試したくてウズウズしていました。

国宝「普賢菩薩騎象像(ふげんぼさつきしょうぞう)」という平安後期の名品があります。

「仏はつねにいませども、うつつならぬぞあわれなる・・」という今様(いまよう)のイメージにしてしまおう!と、こんな風に展示しました。何と、菩薩像の周囲には造花の蓮華が散らされています。

国宝「普賢菩薩騎象像(ふげんぼさつきしょうぞう)」

ああ、当時の大人たちはよくこんな過剰演出を認めてくれたものだと思いますが、当時の僕は文化財の展示として許されるギリギリのところを攻めていたのだと思います。

ちなみに、九州国立博物館では10月2日から「オークラコレクション展」としてまた再び大倉集古館の名品が公開されます。

普賢菩薩像と横山大観の「夜桜」は素晴らしいのでぜひ見に行ってくださいね❤️

2018年8月6日月曜日

浄土九州展ブログ 西方に極楽あり その12:プロフェッショナル

プロフェッショナル

今回は展覧会で公開される仏像がどのようにして博物館まで運ばれるかについてお話ししましょう。

8月1日の9時頃、某所から仏像学芸員末吉を載せた日本通運の美術品専用車(業界用語で美専車)が出発しました。向かう先は柳川市の玉樹院(ぎょくじゅいん)というお寺です。玉樹院は2年前の熊本地震で本堂が被害を受け、今月から再建工事に入るため他より早めにご本尊の阿弥陀如来立像と両脇侍像をお預かりすることになったのです。

玉樹院 阿弥陀如来立像

九州自動車道を走って予定通り10時半に到着。ご住職さんに挨拶すると、「魂抜きをしておきましたから」ということでした。これで安心してご梱包作業や展示ができますね。実際に作業するのは日通九州美術の4名の作業員さんたち。彼らは美術品取り扱いのプロフェッショナルで、今回はベテラン2名、中堅1名、若手1名の組み合わせのようです。

梱包作業中の日通さん 汗だくです

まず、左右の脇侍(きょうじ)菩薩像を本体、光背、台座の順に外して仏壇から降ろします。そして学芸員が保存状態を点検し、それが終わったら薄葉紙(うすようし)で頭部や手を養生し、担架に乗せて梱包します。午後からは阿弥陀如来像を同じ要領で梱包していきます。

ちなみに玉樹院の阿弥陀如来像は口を開けて歯をあらわしています。「歯吹きの弥陀」と呼ばれる珍しい作例で、しかも鎌倉時代の制作と推定される極めて文化財的価値の高い仏像です。

ちゃんと歯があります

見ていると、日通さんはベテランが若手に「ここをこうするんだよ」というように丁寧に指導しているようです。文化財の梱包の中で仏像は最も難易度の高い仕事と言えるでしょう。こうして現場の技術は受け継がれていくわけですが、昔と比べると教え方がずいぶん優しくなった(羨ましいなあ)とも思います。

今から25年前、僕が学芸員になりたてだった頃「国宝法隆寺展」の集荷作業に投入されたことを思い出しました。法隆寺に行って目の前に出されたのは国宝「玉虫厨子(たまむしのずし)」!!名だたる奈良国立博物館の学芸員や関西日通の作業員さんたちの中で必死に点検をしたのですが、当時の日通さんはみんなこわもてで恐ろしく、いきなり銃弾飛び交う戦場に投げ込まれたような感じがしました。

それはともかく、当日は36度の猛暑日で汗だくになりながら作業を終えたのが16時頃、博物館に無事搬入を終えたのが18時頃でした。皆さんおつかれさま。

展覧会の中で何が一番大事かというと、お客さんがたくさん入るとか学術的に評価されるとかではなく、やはり全ての作品・資料を元通りに所蔵者に返すことですよね。本格的に集荷(お預かり)が始まるのはお盆明けからですが、展覧会を陰で支えてくれている美術品輸送のプロフェッショナルたちにこの場を借りて心から敬意を表します。

Posted by :末吉(浄土九州展担当学芸員)

2018年8月3日金曜日

후쿠오카시 박물관을 즐기는 법 ② 박물관 앞의 동상을 감상해보자!


박물관 앞의 4대의 동상. 3.75미터의 크기로, 매우 눈에 띕니다. 그렇지만 하나하나 느긋하게 감상했다! 라는 분은 그다지 많지 않으실 한데요.


동상들은 단순한 기념물이 아닌, 실로 엄청난 예술 작품이랍니다~

프랑스의 조각가, 앙투안 부르델이라는 사람이 조각을 하였는데요, <생각하는 사람>으로 유명한 로댕의 조수를 맡았던 사람입니다. 후쿠오카시가 시정 100주년을 기념하여 파리의 부르델미술관에서 구입한 것이예요.

박물관을 정면에서 바라보았을 오른쪽 2대가 여성, 왼쪽 2대가 남성입니다.

웅변 : 주저리주저리 이야기하는그런 느낌은 없고, 논리정연하게 주장을 펼치는 그런 모습일라나요? 두루마리를 손에 쥐고 있습니다(왼쪽부터 첫번째).


: 기골이 장대한 미남상입니다! 글래디에이터에 나올 것만 같은 분위기네요(왼쪽에서 두번째)



승리 : 검을 가지고 늠름한 표정의 <승리>! 잔다르크처럼 멋지네요(왼쪽에서 세번째)


자유 : 4 가장 온화한 표정? 자유라는 이름에 걸맞게, 패션도 내추럴합니다!(오른쪽 )



매우 비싼 조각상. 이와 같은 예술 작품을 자유로이 만져보고, 같이 사진을 찍을 있는 기회는 좀처럼 없답니다!

박물관의 다양한 모습을 사진으로 담아보시고, 자세히 관찰해보세요!

후쿠오카시 박물관을 즐기는 법 ① 박물관을 향해 걸어가보자!


후쿠오카에 모처럼 오셨으니 이곳저곳 관광을 해야할 텐데 어디가 좋을지고민하시는 분들도 많을 텐데요, 날씨가 좋을 때에는 박물관 쪽으로 걸어보시는 것은 어떠세요?
니시테츠 버스를 이용하시면 박물관 앞에 바로 내리실 있지만, 지하철을 이용해보는 것도 추천해드립니다. 니시진(西新)역으로 가는 방향의 지하철을 타시면 됩니다(구코선 K04).
역에서 내려서 도보로 15 정도 걸리는데요, 1 출구로 나오시면 다음과 같은 풍경이 보입니다.


니시진 상점가에서 도시락이나 음료를 사보시는 것은 어떠세요? 옛날 느낌이 나는 일본의 상점가입니다.


박물관으로 가는 거리의 이름을 사자에상 도로(サザエさん)” 부르는데요, 사자에상은 일본에서 유명한 만화 하나입니다. 원작자인 하세가와 마치코(長谷川町子) 씨가 해안에 위치한 거리를 걸으며 만화의 줄거리를 생각해냈다고 해요!

세이난가쿠인대학에도 박물관이 있다는 사실은 알고 계셨나요? 입장은 무료이며, 건물 자체도 문화 유산으로 되어 있답니다( 박물관도 훌륭하지만, 저희 박물관도 잊지마세요 ㅎㅎ)


듣기로는 구내 식당도 맛있고 가격도 저렴하다고 해요.

교차로의 왼편에 녹색 지붕의 라파스라는 슈퍼가 보이실텐데요.


사자에상 기념물도 보입니다.


길을 건너서 왼쪽으로 따라가다 보면 오른편에 박물관이 나옵니다!
정원에서 도시락을 즐겨보세요! 이제 박물관에 도착하셨으니, 박물관을 즐기는 방법을 다음 번에 소개해드리도록 하겠습니다.


박물관에 오시면 동상들을 관찰해주시길 바랍니다.