2021年12月7日火曜日

しらけ鳥 飛んできた♪

 127日は小松政夫さんの一周忌。生まれ育った博多の街をずっと愛してこられた小松さんの穏やかな笑顔が思い返されます。

当館総館長による追悼ブログはこちら

 

平成252013)年に当館常設展の映像に出演していただいたご縁で、先日ご遺族や関係者の方々から、小松さんゆかりの品々が博物館に届けられました。その中にはこんなパペットが…。

おぉ! しらけ鳥。 

テレビ朝日系の人気バラエティー番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」(1976-78)のなかでも、小松政夫さん、伊東四朗さん、キャンディーズによるコント「悪ガキ一家の鬼かあちゃん」は衝撃的でした。(裏番組であった水戸黄門のオーソドックスなルーティンの向こうを張ったというわけではないのでしょうが)毎週繰り出されるエキセントリック・ルーティンとも言うべき掛け合いは、世の中に中毒的な笑いをもたらしたのでした。

このコントから生まれたのが「しらけ鳥音頭」です。小松さん扮する息子・政太郎がお母たま(伊東さん)にお仕置きされ、虚勢を張るものの場が白けたとみるやコタツの上に乗って歌い始めるこの歌は、当時大ヒットを記録しました。政太郎が右手にさし持ったしらけ鳥のパペットを「みじめ、みじめ」と肩に寄せるしぐさは、今も記憶に鮮やかです。 

小松さんは晩年に至るまで「しらけ鳥音頭」を大切にし、さまざまな場面で披露されていたと聞いています。その右手にはいつも、このしらけ鳥がありました。眉毛ピクピクの淀川長治メガネとともに、小松政夫というコメディアンを象徴し、テレビの時代を象徴する小道具といってよいでしょう。

福岡はこれまでに数多くの芸能人を輩出してきた土地柄です。活躍の場がテレビであり、舞台であった小松さんの芸も、じつは深いところで故郷の気風につながっていたと思います。人々が芸どころを自認し、新奇なものをおもしろがる文化が、福岡の地でどのように受け継がれてきたのか、小松政夫さんの人生は、私たちにいろいろなヒントを与えてくれるような気がします。(松)


※Facata124号には「常設展示室の小松政夫さん 博物館より感謝を込めて」を掲載しています。

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