四月になりましたが、寒暖の差の激しい毎日で、体調管理が難しい日々が続いています。博物館総館長の中野です。未体験なことばかりの初年度がようやく終わりましたが、二年目ももうしばらくは試行錯誤が続きそうです。今年度もよろしくお願いします。
このコーナー「ひとりごと」にしては長いし、変に理屈っぽいという意見をいただいておりますので、今回は短めにしておきます。昨年度試行的に「楽史(らくし)の集い」というのを二回ほど開催しました。テーマは「手紙の書き方」で、講演のようにこちらがひとりで喋るのではなく、気楽に双方向的なやりとりができる「場」を演出しようと考えたのですが、お出でいただいた方々との掛け合いには大変難しいものがありました。もちろん、テーマの選び方もまずかったのかなあという反省もあるのですが、まさに「言うは易く行うは難し」を実感いたしました。
とはいえ、博物館を身近に感じていただきたいという強い思いはありますので、今年度も継続というか本格開催を考えています。ただし、「双方向的なやりとり」は一旦棚上げして、「楽史の集い」に「総館長の歴史講座」という冠を載せることとしました。つまるところ、当方が話したいことを勝手に話すというスタイルに、割り切っていこうかと思っています。
5月24日(土)が、今年度の第一回の「総館長の歴史講座・楽史の集い」となりますが、テーマは「花押(かおう)」を取り上げる予定です。「花押」というのは、まぁいってみればサインですね。古文書講座などでは、さーっと通り過ぎるネタだとおもいますが、これにはこれで深淵?な歴史が潜んでいます。
昔の人のサインというイメージがありますが、現在でも総理大臣をはじめとして閣僚は決裁に使用していますし、新しく花押をデザインするという現代的なビジネスも結構人気があるようです。
博物館という施設は、研究にしろ展示にしろ「モノ」に拠ってたつところですが、歴史研究が対象とする概念のなかには、抽象度が高くてなかなか展示などに向かないものの多くあります。まだまだ深掘りする余地がありますが、試行でやってみた「手紙」という素材もそうですし、今回の花押も然りです。福岡の古写真を読み解いていきたいとも考えてますし、選択的夫婦別姓の議論も進んでいますが、そもそも「名前」というのは何なのかといことも取り上げたいと考えています。おっと・・・また長くなってきそうなので、今回はこのあたりにしておきます。ではまた。
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