2016年9月30日金曜日

Octopus Bait Making Workshop: “THE ANGLING CULTURE IN JAPAN : History,Diversity,and Philosophy of Fishing” Exhibition

Some special events are planned for our special exhibition “THE ANGLING CULTURE IN JAPAN : History,Diversity,and Philosophy of Fishing”. They are easy to participate in, so even those who have no experience in fishing can enjoy! Why don’t you use this opportunity to wake the fisherman in you?

Sunday, October 2th
Octopus Bait Making Workshop
Octopus bait is too cute to be a fishing tool! Why don’t you make a key holder out of the cute, glittery fishing tool?

Yamaria Corporation

Day: Sunday, October 2th
Time: 11am to 2pm finish when making kits run out.
Place: Fukuoka City Museum 1st floor

To learn more about Octopus bait, please check out the following website.
http://www.yamaria.co.jp/yamashita/tbhistory/01

Please check out following website.
http://tsuri-douraku.jp/

Posted by Takamura

魚も釣れちゃう実用系!キラキラ可愛いタコベイトでキーホルダーを作ろう☆(「釣道楽の世界」関連イベント)

タコベイトってご存知ですか?キラキラしていて可愛いくて、魚を惑わすニクい奴♪(タコ型疑似餌です)
写真提供:株式会社ヤマリア

 只今絶賛開催中の「釣道楽の世界―多彩なる水の趣味文化」では、関連イベントとしてこのタコベイトでキーホルダーを作るイベントを行います☆作ったキーホルダーは持ち帰れますよ♪
日時 10月2日(日) 11:00~14:00
場所 福岡市博物館グランドホール
申込 不要(先着100名様)
参加 無料

タコベイトについてはこちらをチェック!
http://www.yamaria.co.jp/yamashita/tbhistory/01

「釣道楽の世界―多彩なる水の趣味文化」については特設HPをチェック!
http://tsuri-douraku.jp/

Posted by たかむら

2016年9月29日木曜日

50億年ごしのタイムカプセル?奈良国立博物館の経塚資料、展示中!~「経塚フロンティア2016」  11月13日(日)まで~

昨年度の「経塚フロンティア2015」に引き続き、今年度は「経塚フロンティア2016」を開催中です。
今回は、奈良国立博物館から重要文化財を含む多くの経塚関連資料をお借りして展示しています!


「経塚(きょうづか)」って聞き慣れない言葉ですよね。
お経を書き写して地面に埋めた遺跡のことを言います。平安時代に流行したものです。

書き写したお経や、それを入れる容器は、とても手が込んでいます。
美しいものもたくさんあり、作った人たちの思いの深さが感じられます。

経塚が作られた理由の一つに、仏の教えが行われなくなる末法(まっぽう)という世の中になってしまうという考え方があります。(ちなみに、現在は末法の世です。)

それは大変だ!ということで、第2の釈迦が現れる56億7千万年後に向けて、お経を地面に埋めたのです。

56億7千万年後・・・!
気が遠くなるような数字ですよね。想像も付きません。
しかし、かつての人々はその未来を信じ、思いを込めて経塚をつくったのでしょう。

そのほかにも経塚がつくられた理由はありますが・・・詳しくは企画展示室でご覧ください!
※「経塚フロンティア2016」の展示室内は、撮影禁止となっています。ご了承ください。

(Posted by ふくぞの)
写真:奈良国立博物館提供

2016年9月26日月曜日

釣道楽の世界展 みどころシリーズ⑤ へし切長谷部や日光一文字を所蔵する当館がこういうことをアピールするのもなんですが、「名竿は刀より得がたい」と書かれている江戸時代の日記を展示しています。

釣道楽の世界展の見どころなどをご紹介するシリーズ。
第5回は「名竿は刀より得難し」と書かれた江戸時代の日記がある、です。

前回の記事では、武士が娯楽としての釣りを楽しむにあたってどのように理論武装(正当化)していたのかというお話をさせていただきました。

今回は、そうした「武士の釣り」というジャンルにおいて、江戸時代に最先端を突っ走っていた庄内藩の事例をご紹介致します。

冒頭の「名竿は刀より得難し」というメッセージについてですが、これを書いた人物は、秋保親友(あきほちかとも、18001871)という庄内藩主酒井家に仕えた軍学者です。武士なのにこんなこと言って大丈夫なのでしょうか。

しかし、そこはご心配なく。庄内藩において釣りは武道と同じような扱いをされており、むしろ奨励されていました。早朝の暗い中、道具を担いで長距離を歩き、磯で獲物がかかるのを忍耐強く待つ行為は、心身の鍛練にも良く、武用の助けになると考えられていました。そのため、庄内藩士は、自分たちで竿を作るほどに釣りにのめり込み、良い竹を探して藪にわけいりました。この「名竿は刀より得難し」という言葉も、酒田から鶴岡への道中で20本余りの竹を得た際に発せられた言葉で、庄内藩士の釣りに対する思いを象徴的に示しています。

ちなみにこの前後は下記のような記述になっています。
扨々(さてさて)いつもいふ事なから、名竿は刀より得難し、子孫是を麁末(そまつ)ニ取扱ふへからす、誠執心ニして得難きものといふへし」(鶴岡市郷土資料館蔵「野合日記」より)
いつも言っていたのですね。

庄内藩士は国元にいる時だけでなく、参勤交代で江戸に行った際も、時間があれば郊外に竹を求めて出かけていっています。19世紀の江戸勤番武士の日記には深大寺(東京都調布市)、滝野川(東京都北区)、池袋(東京都豊島区)まで竹を切りに出かけていった記事が出てきます(岩淵令治「庄内藩江戸勤番武士の行動と表象」(『国立歴史民俗博物館研究報告』第155集、20103月))

実は今回、この秋保親友が自作した釣り竿や庄内地方で使われた道具類も多数展示しています。「第Ⅱ章 釣りに宿る気風」の「2 釣りの土地柄」に展示していますので、どうぞお見逃しなく。
本日9月26日(月)は休館日ですので、また、明日以降、皆さまのご来館をお待ちしております。


学芸課 宮野



2016年9月24日土曜日

Can you find all of them? Find fishermen in traditional Japanese Ukiyo-e pictures!

Our exhibition, THE ANGLING CULTURE IN JAPAN : History, Diversity, and Philosophy of Fishing is offering a new and interesting way to enjoy traditional Ukiyo-e pictures. The method was also mentioned in this blog written by curator Miyano.

Do you know the picture book, “Where’s Waldo?” It’s a very fun book; your mission is to find a very small image of Waldo on every page. Waldo is usually standing amongst a crowd of people and that makes it really hard. You can expect to have the same kind of fun while viewing some traditional Ukiyo-e pictures! There are no Waldos to be found in Ukiyoe-pictures of course. Instead, there are many fishermen. Finding them in the pictures is really difficult! Unlike “Where’s Waldo?”, those Ukiyo-e drawings are antiques. Some of the fishermen are almost fading in color! Still, it isn’t mission impossible. If you look very closely at every picture, you can recognize the lively figures of fishermen, sometimes at the river bank, or on the boats, etc… (Please come and see ukiyo-e to find them!)

This new method of viewing ukiyo-e will give you something more than just finding “Waldo-fishermen”. It offers time travel to the Japanese olden days! By staring at the ukiyo-e pictures in an attempt to find fishermen, you’ll notice some other interesting things. I’ll show you some examples.
On the famous Rakuchu-rakugaizu screen, you’ll find this Edo style fisherman image. He made an appearance in our poster as a mascot of the exhibition! 


Please take a closer look at the picture. That will give you a feeling of a time trip! You’ll see what I mean.
Yeah! Just found a samurai, practicing archery! His neighbor must be a sword smith!
 
Look! There is a barber on your right! Is that a thief standing in front of the monk?
(I’m only guessing!)
There are some more interesting images in pictures. Viewing each of them while imaging the stories is fun!

Rakuchu rakugaizu depict the scenery of Kyoto, and there are many of them. The one Fukuoka City Museum has is one of the 5 Rakuchu rakugaizu that are designated as cultural properties. Now is your chance to see this valuable artifact! The open period will close October 16th. Please don’t miss this rare opportunity!


Curator Kawaguchi, who is in charge of the fishing exhibition, its column, and its crayfish event is waiting for you! (Look how busy she is, grappling so many tasks on her own! In addition, she's grappling this gigantic lure as well! ) The lure she is holding is exhibited on the 2nd floor! You'll be able to take pictures with it.

Please visit the following website to check out curator Kawaguchi’s blog.
http://tsuri-douraku.jp/column.php

Posted by Takamura

2016年9月23日金曜日

全部見つけられる・・?魚(うぉ)ーリーをさがせ! in 浮世絵

公式ブログにこんなダジャレタイトルをつけて怒られないか心配ですが、釣道楽の世界ではきわめて斬新な浮世絵の楽しみ方を提案しています。
以前こちらのブログでも宮野学芸員が紹介しています。

浮世絵の中に隠れている、ウォー〇ーならぬ、魚(うぉ)ーリー(釣り人)をさがせ!
これが全然見つかりません!なにせ、年季の入った古美術。魚(うぉ)ーリーたちの中には儚くなりかけている面々もちらほら・・それでもほら!よくよく見るとあの船べりに、あの水際に。楽しげな釣り人達の姿がみえませんか?(会場でお確かめください!)


実際に見ていただくと分かるのですが、描かれた釣り人を全員見つけるのにはかなりの集中力と視力が必要です。でもこれは絶対チャレンジしてみる価値あり!というのも、この鑑賞方法。ゲーム感覚が楽しい!・・というのももちろんなのですが、釣り人を追って隅々まで鑑賞することで、他にも様々な発見があるのが魅力的なのです。たとえば、洛中洛外図屏風。当展覧会ポスターにも登場するこの釣り人でおなじみですね。


それをよーく見ていると、その時代にタイムスリップしたような楽しい気持ちになれるのです。ちょっと試してみましょうか。
 

刀工と、弓を練習中の武士・・ですかね?
 
 右は散髪屋さんかな?左は・・え、強盗!?(なのかはわかりませんよ!)
写真:狩野孝信「洛中洛外図屏風」《重要文化財》福岡市博物館蔵(部分)(展示期間:9月17日〜10月16日)

他にも色々なシーンがあり、想像をめぐらしながら見ると楽しいです。

京都の風景を描いた洛中洛外図屏風は数多く存在しています。そんな中でも福岡市博物館の所蔵であり釣道楽の世界でもご鑑賞いただけるこの洛中洛外図屏風。なんと重要文化財指定を受けている全国5点うちの一つなのです。当館自慢の所蔵品を是非多くの人にご覧いただきたいのですが、こちら10月16日(日)までの限定公開・・・どうぞお早めにご観覧ください!

釣り初心者にして、釣展担当、釣道楽コラム担当、イベント担当、ザリガニ担当・・・色々抱えて大奮闘中の河口学芸員も、皆様のお越しをお待ちしています!(ついでに巨大ルアーも抱えちゃってます!)この巨大ルアー、二階展示室前に設置してあります。自由に手に取って写真撮影できますよ♪


河口学芸員コラムはこちらからチェック!
http://tsuri-douraku.jp/column.php


Posted by たかむら

2016年9月22日木曜日

The Angling Culture of Japan: History, Diversity, and Philosophy of Fishing:We can take a look at an interesting part of Japanese culture through this exhibition!

I think “The Angling Culture in Japan: History, Diversity, and Philosophy of Fishing” is a great title for describing the contents of the exhibition in a short and concise sentence.



I like the title, but when I hear “The Angling culture”, I can’t help but ask myself, is the culture relatable? Or, is it ok for me to talk about it when I don’t know much about it? It looks like I’m not the only one. When I asked my friend to come and see the Great Amazon exhibition, she said “Yes!” in excitement. On the other hand, when she heard that the next exhibition will be about the fishing culture, she looked disappointed and told me, “Well, I don’t fish, so…” I understood her reaction, thinking, it’s not a great idea to force someone who doesn’t fish to come to the exhibition. That is, until I saw the exhibition!

From beginning to end, I was totally enthralled by the beautiful culture of fishing. Fascinated by the beautiful pictures of sceneries,
 
I caught my breath when I saw the lively pictures of fish,
 
surprised by the delicate structures of fishing tools and the histories that they have…

When I exited the exhibition, I thought the true title of the exhibition should be, “Enjoy this beautiful Japanese culture to your hearts content: Fishing, a new approach to viewing Japanese culture. ”

This exhibition is for…

People who like fishing
People who like the arts
People who like history
People who like literature
People who like goods and accessories

If you are one of the above mentioned, I strongly recommend seeing the exhibition.

I think this article is getting too long, so I want to wrap it up here. I am an amateur at fishing, who got lost in the fishing world. I’ll show you how great it is in this series of articles!

Don't be hesitate to enter the world of Angling Culture! Bring your inner fisherman out!
You will be happy then, I'm sure of it :)

 
Posted by
Takamura
 

釣り経験がない方にこそおすすめ!驚きの釣道楽の世界へようこそ。乗り出そう、日本文化の大海原へ!

釣道楽の世界。みなさんはこのタイトルを聞いたときどう思いますか?展覧会の内容を端的に表す素晴らしいタイトルです。しかし、なぜでしょうか?私のように釣りをしない人間が聞くと、ちょっと身構えてしまいます。


果たしてその世界は理解可能なのか?私が足を踏み入れていい世界なのか?

こう感じるのは、きっと私だけではないでしょう。その証拠に、大アマゾン展に誘った時は、「行きたい!」と目を輝かせていた友人たちが、次は釣道楽の世界!と聞いた瞬間「釣りはしないからな・・」と眉をひそめるのです。私も、釣りに興味がない人は楽しめないかもしれない、無理に誘ってはいけないなと思っていました・・・。公開された展覧会をみるまでは・・・!この展覧会のテーマは、エレガント&スタイリッシュ!といってもイメージが湧きにくいかもしれませんね?しかし、この展覧会を見え終えたとき、あなたはその意味をかみしめることになります。(少なくとも私はそうでした。)

入場から出口まで、釣り文化の美しさに終始うっとり・・
洛中洛外図屏風の美しさに心奪われ、

魚譜・魚拓の躍動感に息を飲み、

釣道具の繊細さやその歴史に驚き、
会場を後にする際には伝統的な竹竿を携えて釣りに繰り出したい!という思いさえ湧いてきました。

見終わってみて、私の心の中に浮かんだ副題は次の通りです。「日本文化の美しさを心行くまで味わう展覧会。斬新なその切り口はなんと釣り!」 お分かりいただけると幸いです。

釣道楽の世界を是非見ていただきたい方はこんな方!
釣り好き(言わずもがな)
美術好き
哲学好き
歴史好き
文学好き
小物好き
とにかく、美しいものをこよなく愛す方々! 
上のどれか一つでも当てはまる方は是非見ていただきたいと思います。

長くなりそうなので、一回目はこの辺で。抽象的な表現ばかりになって申し訳ないです。初心者がうっかり迷い込んだ釣道楽の世界。これからその魅力をどんどん紹介していきますね♪

人はきっと皆、生まれながらにして"釣り人"。怖がらずにその世界の扉を開けてみましょう。あなたもこんなとびきりの笑顔に出会えるはず。


Posted by たかむら

2016年9月21日水曜日

釣道楽の世界展 みどころシリーズ④ 「江雪」と釣り


釣道楽の世界展の見どころなどをご紹介するシリーズ。
第4回は「「江雪」と釣り」です。

昨今、「江雪」といえば、「左文字」を連想する方も多いとは思いますが、今回、釣道楽展でご紹介しているのは、唐の詩人で政治家の柳宗元(773819)が詠んだ漢詩「江雪」です。本文は以下の通り。

 江雪
千山鳥飛絶
万径人蹤滅
孤舟蓑笠翁
独釣寒江雪

おおまかな意味としては、「たくさん飛んでいた鳥がいなくなり、行き交う人々の姿も消え、小舟に乗った蓑笠をかぶった老人が、雪の降る川でたった一人釣りをしている」というところでしょうか。冬のさみしい情景が目に浮かびます。

この「江雪」は絵の題材として、古来、大変好まれたようで、老人が冬の川に浮かべた小舟から釣り糸を垂れる姿が数多く描かれました。「寒江独釣図」といったタイトルの絵を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

釣道楽の世界展では、この「江雪」が武士に与えた思想的影響について、「象徴としての釣り」というコーナーを設けて解説しています。「第Ⅱ章 釣りに宿る気風」の冒頭になります。

展示しているのは以下の3点。
・八景図/狩野探幽筆/延宝元(1673)年/1幅/福岡市博物館蔵
・漁翁図/斎藤等順筆/江戸時代初期(17世紀)/1幅/岩国徴古館蔵
・太公望図/河鍋暁斎筆/江戸時代後期~明治時代初期(19世紀)/1幅/板橋区立美術館蔵


 
写真:左=漁翁図(岩国徴古館蔵) 右=太公望図(板橋区立美術館蔵)

さてさて、武士たちは釣りを楽しむにあたってどんな理屈を考え出したのでしょうか?ぜひ会場でお確かめください。

ちなみに、こちらは今回展示していませんが、薩摩の戦国大名・島津家の家臣である上井覚兼(15451589)の随筆「伊勢守心得書」(東京大学史料編纂所蔵、『大日本古記録 上井覚兼日記』下巻に収録)には、この「江雪」にまつわる興味深いエピソードが書かれています。

「漁猟之事、是又年少之比者慰かてらに、蓑笠の翁ならね共、寒江之雪ニ釣を垂、五湖ならぬ遠嶋に独心を楽しミ候事とてハ、魚を得て筌を忘したるまてにて候」(『上井覚兼日記』下巻206頁)

「蓑笠の翁ならね共、寒江之雪ニ釣を垂、五湖ならぬ遠嶋に独心を楽しミ候」とはまさに「江雪」をふまえた記述です。釣り=「江雪」という連想が一般的な知識として、当時の武士層に浸透していたことがうかがえます。末尾にある「筌(うえ)」とは魚を捕まえる筒状の道具のことでしょうか。単に魚を捕まえるための道具である「筌」(の使い方?)を忘れ、釣りにこそ楽しみを見出していることがここから分かります。

一体どんな釣りをしたのでしょうかね。


学芸課 宮野



2016年9月17日土曜日

「釣道楽の世界―多彩なる水の趣味文化」展、本日無事開幕しました!

昨日私が「準備中です!」と、少し不安感をあおるようなブログを書いてしまったので、今の時間に準備中って・・間に合うのかな・・?と一緒に心配していただいた方もいらっしゃったようです(申し訳ありません!)朝には趣溢れる釣道楽の世界が完成していました!準備はOKです!これから11月6日(日)までの会期中に、是非奥深い釣道楽の世界をご堪能ください!

午前中は初日を記念するような快晴!早朝からお越しくださったご列席の皆様、誠にありがとうございました。

いよいよ開幕します。テープカットの瞬間です!
 
開会式に引き続き行われた内覧会では、担当学芸員による展示解説が行われました。
 
歴代の釣り人が大切に扱ってきた釣り具はどれもとても美しく、どこか迫力さえ感じさせます。「名竿は名刀よりも得難し」という名言があります。言葉で聞くだけではなかなかイメージしにくいかもしれません。しかし、しなやかに伸びる一本竿を実際に見ると、なるほどな・・という気になります。釣りをしない私でも本当に美しいと思える展示品の数々。是非多くの方にご覧いただきたいと思います。一堂に会するのはこれが最初で最後?どうぞお見逃しなく!


本展覧会の仕掛け人であり、生粋の釣り人、松村学芸員もお待ちしております! (注:展示はされておりません)

Posted by たかむら

釣道楽の世界展 みどころシリーズ③ 釣りの浮世絵あるある

釣道楽の世界展の見どころなどをご紹介するシリーズ。
第3回は「釣りの浮世絵あるある」です。

今回、釣り史研究家の金森直治氏をはじめとする日本各地のご所蔵者様から釣りの浮世絵を多数ご出品いただいております。

それらをながめているとあることに気がつきます。

それは、近くにいる人に釣り鉤を引っかけてしまっている構図の多さです。

例えば「江戸名所道戯尽  お茶の水の釣人」では髷(まげ)、「東京滑稽名所 品川沖 釣り舟の狼狽」では口にひっかけてしまって見る人の笑いを誘います。


※写真は「お茶の水の釣人」(福岡市博物館蔵)


とはいえ、実際の話、「釣りキチ三平」に登場する鮎川魚紳さんは子どもの頃にお父さんに釣り鉤を引っかけられて右目を失明してしまっていますし、周りをちゃんと見て釣りをしましょうね、といった意味も込められていたのかも知れません。

そのようなわけで、釣道楽の世界展あと5時間ほどで開幕です。


少し眠いですが「準備OK!」©魚紳さん)









「浮世絵のなかの釣り人」コーナー 出品一覧
番号/ 名称/ 作者/ 所蔵
1/ 浅瀬の小鮎釣/ 石川豊信/ 個人
2/ 風流略源氏 あふひ/ 磯田湖龍斎/ 個人
3/ 江戸名所道戯尽 御茶の水の釣人/ 歌川広景/ 福岡市博物館
4/ 絵本隅田川両岸一覧 中/ 葛飾北斎/ 江戸東京博物館・西尾市岩瀬文庫
5/ 東都隅田川の図/ 歌川貞秀/ 江東区中川船番所資料館
6/ 夕涼永代橋遊漁の図/ 三代 歌川豊国/ 江東区中川船番所資料館
7/ 東都深川沖釣之図/ 歌川国安/ 江東区中川船番所資料館
8/ 東都名所 てっぽふづ/ 歌川国芳/ 江東区中川船番所資料館
9/ 江戸美家刲 築地本願寺/ 歌川広重/ 江東区中川船番所資料館
10/ 東京各大区之内 品川沖蒸気船鉄道遠望/ 二代 歌川国輝/ 個人・品川歴史館
11/ 東京滑稽名所 品川沖 釣舟の狼狽/ 三代 歌川広重/ 個人・品川歴史館
12/ 東京滑稽名所 両国百本杭 鯉釣/ 三代 歌川広重/ 江東区中川船番所資料館
13/ 東京名所四十八景 大川はた百本杭/ 昇斎一景/ 江東区中川船番所資料館
14/ 武蔵百景之内 大川端百本くい/ 小林清親/ 江東区中川船番所資料館
15/ 東海道五十三対 神奈川の駅 浦島づか/ 三代 歌川豊国/ 福岡市博物館
16/ 浪花百景 あみ島風景/ 歌川国員/ 個人・大阪歴史博物館
17/ 浪花百景 木津川口千本松/ 歌川芳雪/ 個人・大阪歴史博物館
18/ 浪花百景之内 なんばむら 御蔵/ 歌川広信/ 個人
19/ なにわ百景之内 四つばし/ 歌川広信/ 個人
20/ 滑稽浪花名所 木津川沙魚釣/ 歌川芳梅/ 大阪歴史博物館
21/ 西国名所之内 二十 岩国錦帯橋/ 五雲亭貞秀/ 個人
22/ 府県名所図会 鹿児島県 薩摩祇園橋/ 三代 歌川広重/ 個人
23/ 納札「釣尽くし」/ 作者不詳/ 個人

学芸課 宮野

2016年9月16日金曜日

いよいよ明日17日から公開の釣道楽の世界、準備が進んでいます!

ついに明日から公開される「釣道楽の世界―多彩なる水の趣味文化」展、まだまだ準備作業は続いています。。。


繊細な美術品、釣り具等の数々を丁寧に展示していく作業には想像を絶する時間がかかるようです。
素人の私は、これではたして間に合うのか・・?という不安を感じるところなのですが、学芸員のみなさん誰に聞いても確信を持って答えてくれます。「大丈夫です!」と。。。頼もしいと思いつつ、それでもやっぱり不安なわたしです。。。
釣り好きだけではなく、美術品や、小物好きな女性の方にも楽しんでいただける内容だと自信を持っておすすめできます。

明日9月17日(土)から11月4日(日)まで開催
釣道楽の世界―多彩なる水の趣味文化
是非ご覧ください!

Posted by たかむら

http://tsuri-douraku.jp/

2016年9月15日木曜日

釣道楽の世界展 みどころシリーズ② 日本最古の釣り指南書「何羨録(かせんろく)」

釣道楽の世界展の見どころなどをご紹介するシリーズ。
第2回は「日本最古の釣り指南書「何羨録(かせんろく)」」です。


※写真は「河羨録」(岐阜県図書館本 部分)

この本、何がすごいのかというと、とにかく“総合的”なのです。

冒頭では中国の古典を引用して釣り人の心得(美学)を説き、江戸周辺の釣り場を紹介、それから道具をイラスト入りで解説、さらには天気の予測の仕方を伝授などなど、釣りに関するあらゆる情報を網羅しています。

特に面白いのが釣り鉤の部分。絵の脇に「○○流」とあり、武道や芸道のように釣りにも流派があるように書かれています。

さて、この指南書、いったいいつ頃のものだと思いますか?

いろいろ説はあるのですが、享保元(1716)年か同8(1723)年には成立していたといわれています。今から300年も前です。

そして、気になる著者は、津軽采女(つがるうねめ 16671743)という人物です。この人、政兕(まさたけ)という立派なお名前がございまして、本来の身分は4000石の旗本。陸奥弘前藩主津軽家の分家の三代目にあたる人物です。そして、なんと妻の実父は忠臣蔵で有名な吉良上野介こと、吉良義央。

この本は采女が40代後半〜50代前半に執筆したものですが、彼が若い頃から長年にわたって培った釣りのノウハウが凝縮されていることと推測されます。

大坂夏の陣が終わって100年余り、島原・天草の一揆から数えても80年以上が経ち、実戦を経験した武士が居なくなっていた時代、釣りを武道のように理論化し洗練させていこうとする人物が登場してきたのは面白いことです。

本展ではこの「何羨録」の良質な写本を2種類(岐阜県図書館蔵、国立研究開発法人 水産研究・教育機構 中央水産研究所蔵)展示します。

仁者は静を、智者は水を楽しむ

冒頭の言葉に本書の精神が凝縮されています。

学芸課 宮野

※「何羨録」には写本によって「何」と「河」の違いがあります。


2016年9月12日月曜日

釣道楽の世界展 みどころシリーズ① 洛中洛外図には釣り人がいっぱい

釣道楽の世界展の見どころなどをご紹介するシリーズ。
第1回は「洛中洛外図には釣り人がいっぱい」です。 

いきなり釣りと関係ない話題で恐縮ですけれど、『ウォーリーをさがせ』とか『旅の絵本』とか、人がたくさん描かれている絵本って楽しいですよね。主人公をさがし出すのはもちろんのこと、その周囲で展開されている様々な物語を見つけ出すのが、またオツです。

その本家本元とも言えるのが、「洛中洛外図」。当館も狩野孝信の作品で重要文化財に指定されているものを所蔵しています。昨年だったでしょうか、Google Cultural Instituteで拡大しながらぼんやりと見ていたら、いたんですよ、釣り人が

※当館蔵 洛中洛外図屏風 はこちらからどうぞ→ Google Cultural Institute



[写真 洛中洛外図屏風(部分)福岡市博物館蔵]
 商家の若旦那がウグイかアユを!!


これは面白いぞ、と思いまして、他の屏風や絵巻もさがしてみたら、出てくる、出てくる、楽しそうに釣りをしている人たちがあちらこちらに描かれていることが分かってきました。

娯楽としての釣り文化が大きく花開いたのは17世紀中頃以降の江戸といわれていますので、それ以前の様子が見えてきたのは、大きな感動でした。

とはいえ、本展は「絵画の中の釣り」展ではなく「釣道楽の世界」展です。したがいまして、今回は絞りに絞って江戸時代の初めに描かれた4点の屏風を展示します。絵の中に釣り人が何人いるか実際ご覧になってさがしてみて下さいね。最初のコーナー「Ⅰ 遊釣文化の黎明」に展示しています。どうぞお楽しみに。

このコーナーに展示している近世初期に描かれた風俗図屏風
1 川口遊里図屏風 十曲一隻 大阪歴史博物館所蔵《大阪市指定有形文化財》(全期間)
2 洛中洛外図屏風 六曲一双 神戸市立博物館所蔵(全期間)
3 洛中洛外図屏風 六曲一双のうち右隻 福岡市博物館所蔵《重要文化財》9/17-10/16
4 四条河原歌舞伎図屏風 六曲一隻 福岡市博物館所蔵(10/18-11/6


学芸課 宮野



2016年9月10日土曜日

釣道楽の世界より展示品紹介 - 西郷(せご)どん自作のイカ餌木

いよいよ「釣道楽の世界」の開幕まで、後1週間となり慌ただしくなってきました。特に学芸員は、大忙しです。そして、こちらは、展示が間に合うのか?!とハラハラドキドキ(笑)。

ちょっとブレイクして、展示品をInstagram(@fukuoka_city_museum)で紹介してみました!先日発表された2018年大河ドラマ「西郷どん」にからめて、西郷隆盛自作のイカ餌木です。



画像の左側にあるのが、イカ餌木の絵葉書(学芸員の私物)。「釣道楽の世界」では本物が展示されますが、まずは今すぐInstagramをチェックしてみてください!
https://www.instagram.com/p/BKKMLssh321/

#釣道楽 をつけた、みなさんのInstagram投稿もお待ちしてます〜。

posted by いわさ

2016年9月9日金曜日

圧切長谷部のペアルック、ただいま展示中!

重要文化財・金霰鮫青漆打刀拵、刀 名物「安宅切」を展示中!


圧切長谷部の拵は、これをまねて江戸時代に作られたものです。
重要文化財への指定は拵の方ですが、刀身も名物にあげられ「安宅切」の号を持ちます。
黒田官兵衛の愛刀の一振りで、四国攻めの際、淡路の安宅河内守を討ち取ったことが名称の由来となっています。金象嵌銘「あたき切 脇毛落」は、後に試し斬りを行った際に切られたもので、切れ味の鋭さを物語っています。刀工は末備前の名工、長船祐定です。
上の写真が安宅切の拵、下が圧切長谷部の拵です。同じ仕様ですが、反りの違いが特徴的です。
展示は10月10日(月・祝)まで。お見逃しなく!


国宝・刀 名物「圧切長谷部」の展示は、来年1月5日(木)~2月5日(日)です。





展示担当:堀本

2016年9月8日木曜日

An Exhibition specialized in angling culture will start Saturday September 17th !

The Great Amazon Exhibition finished on September 4th. Thank you very much to those of you who came to see the exhibition! It finished successfully, welcoming more than 110,000 visitors through its door. The next special exhibition is “THE ANGLING CULTURE IN JAPAN : History,Diversity,and Philosophy of Fishing”

It is said that Japanese people started to enjoy angling as a hobby rather than a part of livelihood in the Edo era. This exhibition is focused on angling for joy, not for livelihood. The exhibition includes beautiful angling goods that are fun to just to look at, colorful pictures of fishes and some sections dedicated to heroes in angling world.

左上)開高健の名が刻まれた記念モデルリール(開高健記念館蔵)、(右上)洛中洛外図屏風(部分)(福岡市博物館蔵)
(左下)開高健が使用していたルアータックル(開高健記念館蔵)、(右下)鱸釣り道具(朝倉彫塑館蔵)

We are very confident that the exhibition will be amusing not only for people who love angling, but also for people who have no knowledge about fishing. Please don’t miss it!

Please check out the following website.
http://tsuri-douraku.jp/

Press Officer
Takamura

福岡市博物館オリジナル企画!娯楽としての釣り文化をテーマとした「釣道楽の世界」いよいよ9月17日(土)開幕!

大好評を博した大アマゾン展、11万人を超える来場者数を記録し、9月4日(日)をもって終了しました。たくさんのご来場誠にありがとうございました。
次は、いよいよ9月17日(土)から当館オリジナル企画の特別展「釣道楽の世界―多彩なる水の趣味文化」がはじまります!


「娯楽としての釣り文化」は江戸時代に花開いたと言われています。本展覧会は娯楽の釣り文化に焦点をあてた今までにない展覧会です。見た目にも楽しい釣り具の数々や、色彩豊かな美しい魚譜、芥川賞作家・開高健氏の釣道楽ぶりや、おなじみのマンガ『釣りキチ三平』の迫力あふれる釣りシーンの原画など、幅広くご紹介します。


左上)開高健の名が刻まれた記念モデルリール(開高健記念館蔵)、(右上)洛中洛外図屏風(部分)(福岡市博物館蔵)
(左下)開高健が使用していたルアータックル(開高健記念館蔵)、(右下)鱸釣り道具(朝倉彫塑館蔵)

釣り好きの人には勿論、そうでない方にも楽しんでいただける内容となっておりますのでどうぞお楽しみに。

すてきな特設ホームページも開設してますのでチェックしてください☆
http://tsuri-douraku.jp/

広報担当
高村

2016年9月3日土曜日

明日、4日(日)は通常開館を予定しています。



明日、4日(日)は台風12号が接近していますが、今のところ通常通り開館を予定しています。ただし、台風の状況によっては臨時休館の場合もありますので、今後の気象情報に留意ください。臨時休館の場合は、ブログ等でお知らせいたします。

また開館の場合も、ご来館の際は天候に十分注意の上、気をつけてお越しください。

posted by いわさ