2017年10月17日火曜日

【レポート】「源氏物語の香り~におい袋づくりワークショップ~」を開催しました

924日(日)、福岡市博物館講座室1で
「源氏物語の香り~におい袋づくりワークショップ~」
を開催しました。応募者数は、定員の2倍以上!!

今回の講師は、広島女学院大学の田中圭子先生。
複数の香料を調合した芳香剤の一種「薫物(たきもの)」の処方及び調合法について書かれた文献について研究していらっしゃいます。2014年度からは、薫物の処方を実際に調合して古代の香りを復元する取り組みの他、室町時代以降に新たに考案されたと見られる種類(新作薫物)についての調査研究も行っています。

まずは、
香料にはどんな種類があるの?
源氏物語の中(平安貴族)ではどのように香を使っているの?
ということのお話を聞きました。

それから、実際に香を調合!
今回は9月開催ということで、源氏物語の中に登場する夏の香り荷葉(かよう)を調合してみました。
使用した香料は、甘松(かんしょう)、沈香(じんこう)、丁子(ちょうじ)、甲香(かいこう)、鬱金(うこん)、安息香(あんそくこう)、白檀(びゃくだん)の7種類。
「薫集類抄」というレシピに載っている分量どおりに調合していきます。

くさい!
それも正直な反応でOKです。
好きなにおい、嫌いなにおいそれぞれありますね。

しかし!
今回はただ分量を量って調合するだけではありません。

これらの香料のうち、甘松、沈香、丁子については、鳩居堂さまよりご提供いただいた香料と、廉価な香料の2種類を準備してありました。
どちらか、自分が好きなほうを選んで調合してもらいました。

源氏物語の主人公、光源氏は薫物の香りの優劣だけでなく、その材料となる香料の香りや品質の善し悪しもわかる人物(違いのわかるおとこ)として描かれています。
さてさて、みなさんはわかるかな?

最後は、和紙でにおい袋づくり。
これがなかなか難しい・・・
先生の説明をよ~く聞いて、同じグループの人同士で教え合ったりして・・・
完成!!
調合した香料を入れて持ち帰りました。

持ち歩いたり、タンスに入れておいてもいいようです。
また、ハチミツなどと混ぜて練り合わせることで「練り香」という薫物に変身!
豆炭などであたためて香りを楽しむこともできます。

参加者のみなさまからは、
「昔の人のおしゃれに触れられてよかったです」
「千年前の香りに思いを寄せることができました」
「かわいいにおい袋ができてよかったです」
などの感想をいただきました。
みなさま楽しんでいただけたようでよかったです。


展示資料を見るだけでなく、その時代の人々がどのようなにおいをかいでいたのか。
「におい」は消えて無くなってしまうものですが、このように復元して体験することで、歴史を身近なものに感じてもらうことができるのではないでしょうか。

残念ながら抽選にもれて参加できなかったみなさま、すみません・・・!
博物館1階「みたいけんらボ」では、それぞれの香料のにおいを体験できるコーナーを設置しています。
ぜひ、遊びに来てください。


Posted by.ふくぞの

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