昭和6(1931)年12月14日、金印「漢委奴国王(カンのワのナのコクオウ)」は国宝に指定されました〈※註1〉。福岡市に寄贈されたのは昭和53(1978)年のこと。福岡市博物館では平成2(1990)年の開館以来、常設展示の目玉のひとつとなっています。
註1 国宝保存法にもとづくいわゆる「旧国宝」で、現在の重要文化財にあたるもの。昭和29(1954)年に文化財保護法にもとづき、改めて国宝に指定されている。
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| 国宝 金印の全景 |
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| 国宝 金印の印面「漢委奴國王」 |
金印は蛇をかたどった鈕(ちゅう ツマミの部分)がつき、高さ2.236㎝、印面幅(平均)2.346㎝、金の純度は95%で、印面に刻まれた5文字のうち、「委」は「倭」の通字とみられ、西暦57年に後漢(中国)の光武帝が「倭奴国」の遣使に与えた印にあたると考えられています。当時の日本は弥生時代。所説ありますが、「倭奴国」は福岡市南東部の御笠川や那珂川の流域一帯を統治した奴国(なこく)を指すという考え方が一般的です。
| 粘土に印を押した「封泥」 |
さて、金印は「印」といっても現在の印鑑のように朱肉や墨をつけて捺すものではありません。竹簡や木簡に書かれた文書を梱包した結び目に粘土の塊をつけ、そこに押します。粘土は乾燥すると固くなり、これを壊さなければ文書の中身をみることができません。印が押された粘土の塊を「封泥」と呼び、文書の機密が保持されていることを証明するものでした。さらに、印文には役所名や役職名、人物の氏名などの発信元が明確に記されます。また古代中国の印は鈕のモチーフ(蛇・駱駝・亀など)や穴に通してつける綬(じゅ)と呼ばれる帯紐の色と長さが細かく規定されており、見た人に所持者の地位や所属を明確に表す役割もありました。金印の下賜は「倭奴国」が中国皇帝を頂点とする秩序に組み込まれ、領域の支配権を認められたことを示します。当時の九州北部に存在した国々は、中国の後ろ盾を得ることで多くの文物を吸収し、社会的・文化的にも大きな飛躍を得たのです。
さて、金印の発見は江戸時代に遡ります。出土地は志賀島(しかのしま 福岡市東区)。天明4(1784)年に農民である甚兵衛が水田の溝を修理するときに大石の下から見つけたとされ、そのときの様子は『口上書』として当時の那珂郡庁に提出されました。以後、金印は福岡藩主をつとめた黒田家に伝わります。ただし、明治期以降、何度か志賀島の出土推定地で発掘調査が行われましたが、金印に結びつくような成果は何も見つかりませんでした。なぜ奴国の中心域から離れた志賀島で発見されたのかは、金印の大きな謎のひとつとなっています。このように、金印には不明な点も残されていますが、裏を返せば歴史ロマンをかきたてる謎多き国宝としても魅力的な「名宝」と言えるでしょう。
(学芸課 朝岡)
国宝 金印は、「ふくおかの名宝」展の会期中(10/10~11/29)も、常設展示室で公開しています。「ふくおかの名宝」展の観覧券で、会期中に限り、常設展示室と企画展示室(名鎗「日本号」を展示中)もご覧いただけます。
「ふくおかの名宝」展では、金印についての研究書『金印弁』(天明4・1784年 亀井南冥著)を展示していますので、お見逃しなく!!
博物館だより『Facata』120号の表紙と特集ページには、金印の国宝指定書の写真を掲載しています。
博物館 のホームページでは、『金印ポータブル図鑑』を公開しています。こちらも、ぜひ、ご覧ください。


「漢委奴国王」 (かんのわのなのこくおう)委奴國王・金壐 (かんいどこくおう・きんじ)壐:王者印也。所以主土。从土爾聲。【委奴國王・金璽:かんいどこくおう】⇔【六書、說文解字】⇔【冠位】【王侯】【叙位】【有価】【異土】【移管】【國王】【陰陽五行、諸侯印璽】
返信削除段玉裁說文解字注 隸字從灻從□作。
返信削除《天子諸侯玉佩劍綬璽印》
返信削除梁制,乘輿印璽,並如齊制。皇太子,金璽龜鈕,朱綬,三百首,佩瑜玉,帶鹿盧劍,火珠首,素革帶,玉鉤燮,獸頭鞶囊。諸王,金璽龜鈕,纁朱綬,百六十首,佩山玄玉,垂組,大帶,獸頭鞶,腰劍;若加餘官,則服其加官之服。開國公,金章龜鈕,玄朱綬,百四十首,佩山玄玉,獸頭鞶,腰劍。
尚書令、僕射,金章龜鈕,紫綬,八十首,獸頭鞶;尚書無印綬及鞶。侍中常侍夾御,御下輿,則扶左右;侍中驂乘,則不帶劍。中書監令、祕書監,銀章龜鈕,青綬,八十首,獸頭鞶,腰劍。鎮、衛、驃騎、車騎、中軍、中衛、中撫軍、中權、四征、四鎮、四安、四翊、四平將軍,金章獸鈕。
後周皇帝八璽,有神璽,有傳國璽,皆寶而不用。神璽明受之於天,傳國璽明受之於運。皇帝負扆,則置神璽於筵前之右,置傳國璽於筵前之左。其六璽,並因舊制,皆白玉為之,方一寸五分,高一寸,螭獸鈕。三公諸侯金印,皆方寸二分,高八分,龜鈕。七命以上銀,四命以上銅,皆龜鈕。三命以上,銅印銅鼻。其方皆寸,其高六分,文曰「某公官之印」。
《五稱符上經》曰:五星通靈之印,印五星靈符。
返信削除皆五星盈縮之所生也。五星之所犯,各以金木水火土為占。
天之行也,施氣自然也,施氣則物自生,非故施氣以生物也。不動,氣不施;氣不施,物不生,與人行異。日月五星之行,皆施氣焉。
五星之合於五行,水合於辰星,火合於熒惑,金合於太白,木合於歲星,土合於填星。三辰五星而相經緯也。
《後漢書》: 逼迫韓馥,竊奪其州,矯刻金玉,以為印璽,每有所下,輒皁囊施檢,文稱詔書。