2018年5月28日月曜日

浄土九州展ブログ 西方に極楽あり その2

往生際が悪い話


展覧会が近づくと様々な広報媒体を制作します。
中でもポスター・チラシのデザインは展覧会の入場者数を左右するので、毎回非常に悩むところです。
今回も関係者が集まって侃々諤々(かんかんがくがく)の議論のすえ、中央に大きく阿弥陀如来像の上半身を用い、「西方に、極楽あり。」というコピーを入れたシンプルなものに仕上がってきました。


日本列島の西にある九州を極楽浄土に見立てるという、かなりぶっ飛んだコンセプトを形にしたもの。

しかし、ポスターなどは自分が良くても見る側に受け入れられなければ何の意味もありません。
お客様の年齢層や男女の比率はどうかという冷静な視点、メインの客層とは違う人たちも呼び込みたい、などなどいろんな思いが交錯し、持ち時間の許す限り最後の最後まで悩み続けます。

今回は最初、仏像をモノクロ、背景はピンクという思い切ったデザインにしていました。
背景のピンクは夕日のイメージ、頭のまわりのグラデは光背(後光)をイメージしています。

しかし、入校直前になって急に不安になり、もう一度カラーを検討することに。
こうしてデザイナーさんや印刷屋さんは、「往生際が悪い」学芸員に最後まで振り回されるのです。
(次回は展覧会タイトルについて)

Posted by 浄土九州担当学芸員 末吉

2 件のコメント:

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  2. 印刷屋泣かせですねぇ・・・
    「印刷会社」って言ってくれたら嬉しいなぁ。(江戸の印刷業より)

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