ある夏の日暮れのことじゃった。住職が飼っていた三毛猫のところに急に鼠が一匹出てきて、猫とばったり鉢合わせしたそうじゃ。
萬行寺蔵「猫鼠之図」(見つめ合ったまま動かない二匹) |
萬行寺蔵「猫鼠之図」(片手で猫を拝む鼠) |
昔から子を身ごもった鼠は猫といえども喰わずというが、それにしても珍しいことなので、住職はその出来事を絵師に頼んで残すことにしたそうじゃ。
以上は、萬行寺に伝わる宝永6年(1709)の「猫鼠之図(ねこねずみのず)」に描かれたお話です。今ならとりあえずスマホで動画撮影というところですが、300年前の何気ない日常の出来事が見られるのは博物館だけって、皆さん知っていましたか?
あ、それから浄土九州展の出品一覧(展示替え予定付)をアップしましたので、ご来場の際は確認してお越し下さいね。
http://museum.city.fukuoka.jp/exhibition/pure_land.html
Posted by 末吉(浄土九州展担当学芸員)
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