今回は、展覧会前年度(平成28年度)の話。
いきなりですが、全国に博物館は何館あるでしょう?
ちょっと古い統計ですが、平成23年度で5747館(文部科学省調べ)。
このうち都道府県や政令市の審査を受けた「登録博物館」(当館もこれ)が913館。
福岡市博物館が開館した平成2年が、全体で2973館(登録博物館562館)ですので、この4半世紀でほぼ倍増しているのです。
博物館で特別展を行う場合、他館から作品・資料を借用しますが、博物館が増えているということは、作品・資料を借りるのも大変で、特に国宝や重要文化財となると、1年以上前から交渉しなくてはなりません!
そこで、平成28年度は、借用したい資料の調査や借用の交渉が重要な仕事となります。
もちろん、直接お会いして借用交渉を行うのが原則ですが、このご時世、出張旅費は多くはありません。
そこで、電話で相手の館の感触をうかがいながら、効率よく出張するための日程を決めて、いざ出陣!
電話での交渉中・・・あ!デスクトップが鴻臚館!
にこにこ顔で帰館したときは、借用内諾(^_^)
無言で帰ってくると、残念(T_T)
でも落ち込む暇もなく、次の借用交渉へ。
一方、どこの市町村でも夏が終わる頃から来年度の予算編成作業が始まります。
鴻臚館展でも展覧会開催のための29年度予算の作成を行いますが、これがまた厄介。
入場者数を何人と見込むのか。それによって大きく収入=支出が変わってきます。
当然、赤字は出せません!
しかし、できるだけ良い雰囲気の会場を作るとなると会場造作の費用がかかります。
展覧会には図録がつきものだし、関連するイベントや講演会にかかる費用も必要です。
過去の展覧会等を参考に、財政も何度も予算書と企画書を作り変えて、ようやくできあがると、もう世間は木枯らしが吹いている・・・
展覧会タイトルは「よみがえる!鴻臚館~行き交う人々と唐物~」(ん?今と少し違う)、会期は平成29年9月7日(木)~平成29年10月22日(日)と仮決定。
年度末が近付くと、いよいよ展覧会の本格準備が開始。
借用の内諾を得たリストを整理し、展覧会の構成を固め、関連イベントの企画を詰めて、展覧会のための実行委員会を開催です。
展覧会タイトルも「よみがえれ!鴻臚館-行き交う人々と唐物-」(やっと決まった!)と最終決定。
借用先のリスト。今回は約500点以上の資料が展示されます!
ここまで2年間、担当者一人で孤独な戦いを続けてきましたが、29年度は、博物館一丸となった戦いが繰り広げられます。それはまた次回に。
posted by.米倉
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