2017年9月4日月曜日

学芸課長のつぶやき3「全員が営業マン」

平成29年度があけました。展覧会まで半年ありません。
まずやることはポスター・チラシの印刷です。

ポスター・チラシは、特別展の来館者アンケートでも、来館動機の高い媒体です。
そのために、良いデザインは必須です。

今は、パソコンを駆使し、自分でもデザインは可能ですが、やはりプロのデザイナーにはかないません。
デザイナーさんが画像ソフトで作った案を、メールでやり取りしながら、あっという間にできあがり、データ入稿でこれまたあっという間に校正・印刷。
できあがったポスターはこのとおり。



私が一学芸員だった20数年前。
当時パソコンはPC98が数台あるのみ。
保存媒体は5インチディスク、と言っても今の若い人は知らないだろうな~。
ペラペラのディスクで、容量も小さく、すぐにパケて・・・。

博物館が平成元年に「アジア太平洋博覧会テーマ館」として仮オープンした時、「富士通FMタウンズは、CD-ROMなるものが搭載されとるげな」と、博覧会場内の富士通のパビリオンまで行きましたが、値段が高かったのを覚えております。

その頃は博物館には画像ソフトも満足になく、メールなるものも当然なく、デザイナーとのやり取りは電話かFAX・・・デザイナーさんも当時は大変だったろうな~。

昔話はこれくらいにして、

ポスター・チラシができると広報です。
市政だより・新聞・テレビ・ネット・ミニコミ誌・他の博物館はもちろん、公民館やNPO・ボランティア団体のほか、近隣の企業さんやバス会社・観光団体など、ありとあらゆるところに広報活動です。
さらには、別の要件で出向いたところまで、短時間のアピール。
博物館全員が営業マンと化します。

一方、学芸の担当者は、展示物をどう配置するのか頭をひねりながら、特別展示室に仮設の造作物を作るための設計を業者さんと行い、並行してパネル・キャプションの原稿や展示図録の作成を行わなければなりません。
原稿は進まない、締め切りは近づく、どこの世界でもある光景が繰り広げられます・・・

 展覧会が近付くと資料・作品の集荷日程調整。運搬業者と相談して概ねの集荷日程を決め、借用をお願いする博物館・美術館へ、「○月○日の○時に借用のお伺いに行きたいのですが」と連絡し、不可であれば、さらに日程調整・・・

また別の担当者は、関連するイベントの準備です。
今年は、多種多彩なイベントを行いますが、この準備がまた大変。これは次号で。

posted by.米倉

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