2017年11月17日金曜日

学芸員レポート4!神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ2世の驚異の世界展

ルドルフ2世が敬愛した画家にピーテル・ブリューゲル(父)(1525/30-69)がいます。16世紀フランドル絵画の巨匠で、「バベルの塔」などの聖書の物語を主題とした絵や、人々の暮らしを描いた風俗画で知られています。彼の一族からは数多くの画家が輩出されていますが、本展ではピーテルの次男で、花の静物画で名高いヤン・ブリューゲル(父)(1568-1625)の作品《陶製の花瓶に生けられた小さな花束》(1607 年頃、油彩・板、ウィーン美術史美術館 ©KHM-Museumsverband)を展示しています。


花瓶から溢れんばかりの豪華絢爛なブーケは46種類の四季折々の花々で構成されています。当時は珍しく高価だったチューリップにアイリス、スイセン、リリーなど今が盛りと咲く花たちの美しさ、そして、そこに宿るチョウやハチといった小さな昆虫たち…まさに、多種多様な自然界の豊かさを切り取った作品と言えるでしょう。

来春にはブリューゲル一族を大々的に取り上げた展覧会が東京で開催されるそうです。話題となる一足先に、ぜひ本展でブリューゲル作品の世界に触れてみてください!

学芸課 髙山

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