2020年12月21日月曜日

福岡市博休館中通信 展示室の大掃除

休館中の福岡市博物館から、休館中ならではの話題を不定期でお届けします。
今回は、展示室の大掃除についてです。 
前回の休館中通信は、「コクホー金印ちゃん」が家出!!という話題でしたが、金印ちゃんが留守中に、博物館では、博物館では、常設展示室内の金印ちゃんの部屋をピカピカに磨き上げる大掃除をしているのです。

 来年3月末までの予定で休館の間、福岡市博物館の代表的な収蔵品である 国宝 金印「漢委奴国王」は、福岡市美術館で特別展示です(令和3328日まで)。

主が不在の博物館常設展示室の金印のコーナーでは、大掃除が行われました。金印の展示ケースは勿論、金印ケースの奥にある関連する資料を展示しているケースも、資料を全て取り出して、入念に掃除をします。

普段の金印関連展示コーナーの様子。金印をあらゆる角度から観察できる大型モニター、古代中国のさまざまな印章、金印に関する研究の歴史に関する資料などがある。
普段の金印関連展示コーナー

金印関連展示コーナーの大掃除の様子。すべての展示資料をケースから取り出し、普段は手が届かないケースの裏や内側も、学芸員がしっかりと大掃除。
金印関連展示コーナーの大掃除の様子

 考古と古代、江戸時代の担当学芸員が総出で作業。展示資料を丁寧に取り出し、ケースの内側や展示用の台なども全て磨き上げます。開館中の日常的な清掃では、手が届かない壁の高い場所までホコリをとるなど、なかなか手間のかかる大掃除です。こうした大掃除は、休館していないとできない作業です。

 常設展示室で展示している資料の中には、複製品(レプリカ)もありますが、「ホンモノ」も数多くあります。そのため、「常設」とは言いながら、資料保存の観点(博物館では、紫外線カットなど資料に優しい照明を使っていますが、それでも、長期間の展示は、資料には少なからぬダメージを与えてしまいます)から展示替えをしている資料もあります。目立つところでは、江戸時代のコーナーの福岡藩主の甲冑などは、定期的に展示替えをしています。他にも、紙に描かれた絵画や本などの「弱い」資料も展示替えが必要です。今回は4か月にも及ぶ長期休館のため、展示ケースから取り出し、収蔵庫にしまう資料もあります。金印コーナーで大掃除が行われている一方で、江戸時代のコーナーでは、担当の学芸員が、展示ケースのなかの資料を片付けていました。

江戸時代のコーナーの展示ケースから、多色摺りの版画など、紙の資料を1点ずつ片付ける学芸員
江戸時代のコーナーの資料を片付ける学芸員







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