2018年10月15日月曜日

浄土九州展ブログ 西方に極楽あり その22 ギャラリートーク

今回の浄土九州展では毎週2回ギャラリートークをしています。週2でやると正直キツイし、何もそこまでやらんでもと思うのですが、見た目の無愛想さからは想像できないサービス精神と自分を追い込むMな性格をいかんなく発揮している仏像学芸員、といったところでしょうか。

ギャラリートーク中の仏像学芸員
ギャラリートークのいいところはお客さんに直接話すので、反応がダイレクトに伝わってくるところですね。こちらが面白いと思う学術的なことを語ってもポカーンとされるのですが、そこから少しピントをはずして話すと異様にウケたりする場合があります。

学芸員「何と、この阿弥陀様には歯があるんですよ!いいですねえ~。」というと、年配のお客さんたちは明るくゲラゲラ笑ってくださいます。歳をとらねば分からないことがいかに多いことか・・

そもそも学芸員はモノ(資料や作品)と、ヒト(社会)をつなぐのが仕事なので、人生で初めて博物館に来たというお客さんに対しても楽しんでもらえるよう、自分と社会のギャップを意識しておかねばなりません。特に、今回は人の死という問題に関わる浄土教美術がテーマ。お客さんの中には、がんで余命宣告を受けた方や大切な家族や友人を喪った方がいらっしゃるかも知れません。そんなお客さんにも来てよかったなあ、と思ってもらえるよう、あと6回展示室に立ちます。

僕は本来人前に出てしゃべるのが得意ではないし(緊張するんです!)、もちろん人間だからテンションが高いときも低いときもあって、トークの出来にはばらつきがあります。先日もお客さんから、「あのブログを書いているご本人ですか?」と尋ねられてしまいました。どうやらトークの内容が思ったより真面目でこのブログが醸し出すイメージとギャップがあったようです。

まあ、そういう逆のギャップも含めて楽しんでいただければ幸いです。。((^_^;)

Posted by 末吉(浄土九州展担当学芸員)

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