以前なんとなくわずらわしく思っていた仏事のあれこれも、展覧会を見てそういうことだったのか!と腑に落ちる部分が多くあります。
見所は様々ですが、もっとも印象に残っているのがみんな御馴染みお地蔵さまのことです。
地蔵菩薩坐像 福岡市 聖福寺蔵 |
道で良く見かけることからも、仏教美術界の中では親近感抜群のお地蔵様。子どもの守護尊としてあがめられています。親より先に死去した子どもは三途の川を渡れずに賽の河原で石を積むと言われ,地蔵菩薩は鬼から子供たちを守り、徳を与えて成仏へ導くとされています。
このことから、地獄絵の中にはお地蔵様の姿が描かれていることが多いです。
地獄図 佐賀県唐津市 浄泰寺蔵 |
その多くは、上図のように袖口を目元に当て、大変慈悲深い表情をされています。幼くして命を落とした子どもたちを憐れんでいらっしゃるのでしょう。
普段はこんな優しい表情のお地蔵様ですが、実はこわーい閻魔大王様と同一人物だという説があるのです!
浄土九州展では、勝福寺の閻魔王坐像と観世音寺の地蔵菩薩坐像を並べて展示しています。どちらも1メートルを超える大きな像で、実際に観ると圧巻です!
これが同一人物!?
弱きを助け、強きをくじくなんて、まるで遠山の●さんのようですね!ギャラリートークでこのことを聞いてから、お地蔵様を道で見かけるたび思わずじーっと見入ってしまうようになりました。
勝福寺の閻魔王坐像と観世音寺の地蔵菩薩坐像。この二体を同時に鑑賞できる機会も、これを逃したらなかなかないと思いますよ?会期終了目前!浄土九州展是非お見逃しなくご観覧ください♪
Posted by:たかむら(福岡市博物館広報)
おめでとうサトゥー
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