2020年4月26日日曜日

福岡市博休館中通信PART2 博物館の読書あんない(第2回)

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、現在、福岡市博物館は休館中です。
外出を控え、人との接触を減らしている皆さまへ、おうちで楽しんでいただける、そして、シーサイドももちの博物館を知っていただき、再びお越しになるときに役立つ情報を「福岡市博休館中通信PART2」として、お届けします。

※「福岡市博休館中通信」は、先月3月4日から20日までの間、市史編さん室・宮野により5回投稿されており、それらをPART1としました。PART2は、特に表記がない場合は、この4月から博物館運営課長兼市史編さん室長に着任しましたShanShanがお送りします。よろしくおねがいします。

本日もまた、お引っ越し前の博物館ブログ「大野万太郎の博多時間日記」からの転載による、「博物館の読書あんない」です。
(青字が転載箇所であり、情報は投稿当時のものです)

***本とわたし② 通俗上等!子どもが夢中になる本 (館長 有馬学) 
平成26年(2014)4月24日日投稿 ***

              
【紹介した本】
モヒカン族の最後 (講談社世界名作全集)
ジェイムズ・フェニモア・クーパー/著
1952年


主役はモヒカン刈りの語源となったアメリカ先住民の部族と、白人のヒーローです。
18世紀中頃のイギリスとフランスによる北米植民地争奪戦(イギリスから見ればフレンチ・インディアン戦争)を背景にした冒険活劇。
両国がそれぞれに先住民の部族を味方につけて争った。
たぶん作品としては文学の香りもへったくれもない、通俗大衆小説だと思います。
先住民の部族のあつかいもかなりいい加減なところがあるみたいだし、タイトルの日本語訳も、正確には「最後のモヒカン」とすべきですが、
現在に至るまでだれも直そうとしていません。
いちおう「世界名作全集」っぽいシリーズで何度も子ども向け版が出ていますが、学校の先生が勧めたって話は聞いたことがない。
でも、子どもの時に夢中になる本って、こういうのだと思うけどな。

館長 有馬 学


***


つづけて翌日の記事も。

***本とわたし③ とは言うものの父親として…(館長 有馬 学)

平成26年(2014)4月25日投稿***


【紹介した本】
かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダック/著 冨山房
1975年
             
これは僕が子どもの時に読んだ本ではなく、自分の子どもに読ませた本です。
まだ小さかったから、読んでやったが正しいかな。
あまりに定番すぎて恥ずかしい。なので内容紹介は省略です。
言いたいことはですね、自分が子どもだったら、夢中になるのは通俗冒険活劇の「モヒカン族の最後」なのに、自分の子どもにあたえるのはなぜ「良書」になってしまうのかってことです。
しかもこの本、いかにもいかにもの「良書」づらはしてないでしょ、というところが余計恥ずかしいのです。
でもかいじゅうの画はすばらしい。これの素敵なぬいぐるみを売っていて、しかしその頃の財布の中身と折り合いがつかなかったので買えなかった記憶から、よけい後ろ向きの感想になってしまいます。


館長 有馬 学

***


でも、すばらしい絵本は、すばらしい。

外遊びをのびのびと出来ない今、おうちにいながら、読書や家での遊びを通じて心の大冒険に出かけている子どもが一人でも多いことを願っています。

福岡市博物館からは、ひとまず、これを!

posted by ShanShan

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