2024年8月21日水曜日

特別展「大灯籠絵」を楽しむために その15 現存最古の「大灯籠絵」

 

THE ASTONISHING WORLD OF GIANT LANTERN PAINTINGS

会期:2024913日(金)~114日(月・休)  会場:福岡市博物館


この秋、福岡市博物館では、特別展「(おお)(とう)(ろう)()」を開催します。

展覧会の開催に向けて、「大灯籠絵」にまつわる話題をお届けします。


さて、このブログで何度か紹介している一番大きな「大灯籠絵」▼

昭和10年(1935)発行の『博多年中行事』で、

著者の佐々木滋寛が、

宵の博多の夏祭景趣をかざるものに大灯籠がある。之は路に交叉して路上に高く吊るされた大きい長方形の灯籠で、その両側には極彩色の武者絵が描かれてゐて、中に火を入れて之を見るのである。その最も代表的なものは八月二十四日の大浜の流灌頂のもので一得斎の大徳寺焼香の図などは傑作である。炎帝の暴威から解放された人々が浴衣がけで美しい大灯籠の絵を見てそゞろ歩くのも南国の夜にふさはしい風情である。……(後略)……

と絶賛した 一得斎高清(いっとくさいたかきよ)の「大徳寺焼香之図」ですが、

実は大きいだけではなく、どうやら現存する「大灯籠絵」のなかで一番古いらしいのです!!

はっきりと制作年が分かるわけではありませんが、

作者の一得斎高清は、明治20年代を中心に活動していたことが分かっています。

ということは、おそらくこの「大灯籠絵」の制作も明治時代の中頃のはず。

制作は130年くらい前ということになります。

一得斎高清 大灯籠絵「大徳寺焼香之図」/大浜流灌頂継承保存会

さすがに、時を経て劣化はしていますが、前々回のブログで紹介したように、

「大灯籠」調査の過程で、「再発見」されたことで、

今回の特別展「大灯籠絵」にめでたく出品のはこびとなりました。

是非、展覧会の会場で、この「大灯籠絵」がへてきた歴史と大きさを体感してください。

(by おーた

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