2022年10月14日金曜日

【別冊シーサイドももち】〈009〉グルメワールド よかトピア

埋め立て地にできたニュータウン「シーサイドももち」の、前史から現代までをマニアックに深掘りした『シーサイドももち―海水浴と博覧会が開いた福岡市の未来―』(発行:福岡市/販売:梓書院)。


この本は、博多・天神とは違う歴史をたどってきた「シーサイドももち」を見ることで福岡が見えてくるという、これまでにない一冊です。


本についてはコチラ


この連載では「別冊 シーサイドももち」と題して、本には載らなかった蔵出し記事やこぼれ話などを紹介しています。ぜひ本とあわせてお楽しみいただければ、うれしいです。


過去の記事はコチラ。


1(「よかトピアに男闘呼組がやってきた!」)

2(「ダンスフロアでボンダンス」)

3(「よかトピアの「パオパオ・ロック」とは。」)

4(「開局! よかトピアFM(その1)KBC岸川均さんが育てた音のパビリオン」)

5(「思い出のマッスル夏の陣 in 百道」)

6(「最も危険な〝遊具〟」)

7(「開局! よかトピアFM(その2)1週間の全番組とパーソナリティー」)

8(「ビルの谷間のアート空間へようこそ」)

※ 2023.4.28 一部タイトルを変更しました。




〈009〉グルメワールド よかトピア


福岡はラーメン・水炊き・もつ鍋・海鮮・うどん・焼き鳥(とり皮や豚バラ)・パン・餃子などなど、グルメのまち

福岡の味を求めて観光に訪れる人も多いですよね。


最近ではカレー店の激戦区にもなってます。

ひと昔(ふた昔?)の福岡のカレー店といえば、ナイル・湖月・Kサムソンが定番の人気店でしたが(3店とも閉店してもなお、いろいろな形で味が継承されています)、ここ数年でスパイスカレーを出すお店がどんどん増えて、まちでカレー待ちの行列を見かけることも珍しくなくなりました。

カレーに限らず、市内には各国のエスニック料理店もたくさん。


よかトピアをやっていた1989年だと、市内にエスニック料理店はまだ少なく、本場の味を楽しみによかトピアを訪れる人も多かったようです。

会場ではほかにも当時の福岡グルメがたくさん並んでいました。

おでかけの楽しみの1つといったら、食べ物ですものね。


というわけで、今回はそんなよかトピアのグルメについて調べてみました。


よかトピアの会場には、食堂街ともいえるグルメワールドに約1000席があって、そのほか各パビリオン内のレストラン、ホットスナックやジュース類のテイクアウト店もあわせると、約1950席で食事が楽しめました(1日3万食の供給力)。


グルメワールドは人工の川に面した2つの横長い建物。

目立つ屋根の形は、インドネシアやタイの建物をイメージしながらつくったものでした。

場所はここ。

(市史編さん室作成)
赤い部分がグルメワールド。


(福岡市博物館所蔵パネル)
川に面していて、なんとなくアジア感も増します。


(西日本新聞社編『アジア太平洋博覧会―福岡'89公式記録』
〈アジア太平洋博覧会協会、1990年〉より)

建物はこんな感じ。


このグルメワールドには14店舗が入っていました。

どのお店に入ろうかなとメニューを眺めてる感じで、主な料理と値段をざっと見てみます。



エスニックレストラン・スリランカ(60席)

ここは『シーサイドももち』の「誌上よかトピア体験」(当時の記録にもとづいて、よかトピアで1日遊んでみたコーナー)でも紹介したお店です(125ページ)。野菜以外の食材はスリランカから輸入したもので、厨房スタッフもスリランカ出身の方々。カレーは本場の辛めの味付けで、ルー・肉・野菜が分けて盛りつけられているのが当時は珍しがられたのだとか。まだあまり知られていなかったゴダンバが人気になりました。

 カレーセット 800円~ ゴダンバ 300円など


ナーナック(60席)

ナーナックは当時福岡市内では数少ないエスニック料理を味わえたインド料理店(今も親不孝通りの入り口の目印になっています)。よかトピアで提供されていたタンドリーチキンなどは、どれも本場インドの味で大人気でした。店長のグルビール・シンさんはパビリオン「アジア館」のなかにもお土産店を出されていて、その流ちょうな日本語で来場者を迎えていらっしゃいました。エスニックレストラン・スリランカとならんで、アジア太平洋をテーマにかかげたよかトピアを象徴するレストランです。

 タンドリーチキン 1000円 ニューデリーセット 1500円など

(福岡市博物館所蔵)
ナーナックの半券です。
ニューデリーセットを食べたんですね~。
(多分、博覧会のスタッフ……)

そうそう、言い忘れました。

よかトピアの最中に、消費税(3%)が導入されています(1989年4月1日)。

なにしろはじめての消費税、それも会期の途中からということで、事前に会場内の営業店が集まって講習を受けたり、対応に苦労されたようです。

ただ混乱を避けるために、実質値下げをして内税扱いにした店が多かったとのこと。

そういうわけですので、ここでの値段もちょっとずれがあるかもしれませんが、どうかお許しください。



韓国料理 食道園(60席)

カルビにライス・えごまの葉のみそ漬け・キムチ・ナムル・わかめスープがついた焼肉定食が人気でした。ランチの時間だけはバイキング形式だったそうです。食道園といえば、大阪万博(1970年)に出店していたお店をすぐに思い出すのですが、残念ながら同じ店かどうかまだ確認ができていません(どなたか教えてください…)。

 焼肉定食 1000円 韓国定食 1000円 チゲ鍋 500円 クッパ 600円など


ロイヤル・フード・コート(260席)

福岡の老舗レストラン、ロイヤルは、よかトピアのためにエスニックメニューを用意しました。サテは、ラムなら2~3時間、チキンなら5~6時間タレにつけ込んでから焼いたもので、本場と同じようにピーナッツソースがついてきました。ただ味は本場に比べると甘めに仕上げられていたそうです。「アセアンプレート」は、マレーシアのサテ、フィリピンのヒープンギサド、インドネシアのナシゴレンのセットで、ランチの人気メニューでした。マレーシアの副国王も来場の際に、ここに立ち寄られたのだとか。

 サテ(チキンorラムの2本) 300円 アセアンプレート 1300円 ガイヤーン 900円など


洋麺屋 ピエトロ(120席)

これまた福岡の老舗レストラン、ピエトロ。トマト・しょうゆ・クリームの3種類からソースを選んで、それに好きな具材を組み合わせるパスタが人気でした。

 パスタ 650~1200円 サラダ 300円~など



ここまでが海外の味。ここからのお店は福岡と日本の味です。



博多一番(150席)

福岡のうどんに加えて、梅ヶ枝餅も出していました。うどんが300円から食べられるのはうれしいですよね。ただ「祭うどん」が名前からして謎メニューでして…、現在調査中です(具だくさんでワッショイってことなのでしょうか??)。

 うどん 300円~ 祭うどん 800円 梅ヶ枝餅 100円など


そば茶屋文六(40席)

天神・西新など福岡市内にいくつかお店を出していた文六そば。よかトピアでも、文六のうどん・そば・丼物を食べることができました。白いつるつるしたそばが人気のお店です。このブログを書くにあたって、博多駅のデイトス店が2022年8月20日に閉店したと知って驚いています…。

 うどん 330円~ 丼物 500円~ 割子そばセット 600円~など


まあちゃんうどん(40席)

会場の最寄り駅、地下鉄西新駅近くのうどん店。よかトピアの地元、西新中央商店街で長年愛されていたお店でした。

 うどん 300円~など


蔵前(40席)

うどん・丼物・カレー・かき氷などを提供していたお店です。人気だった「ちゃんこうどん」はえび・牛肉・ミンチボール・椎茸・白菜・ねぎ・かまぼこが入った、ボリューム満点でした。蔵前は、1975年に大濠公園で開催された「新幹線開通記念 福岡博」にも出店したことがあります。

 ちゃんこうどん 600円 うなぎ丼 800円 天丼 600円 かき氷 200円など


すみ田(40席)

豚骨ラーメン1杯400円という値段の安さが1989年を感じさせますよね。西中洲の国体通り沿いのお店でした。

 ラーメン 400円など


名代(なだい)ラーメン亭(40席)

漫画『クッキングパパ』や小説『君の膵臓をたべたい』にも登場する福岡の有名店。学生時代に天神でバイトしていたときには、今はなきビブレ店に毎日のようにお世話になりました…。ちなみに、『君の膵臓をたべたい』の映画版では、主人公は箱崎の屋台「花山」でラーメンを食べていました。こちらも美味しいお店です。

 ラーメン 350円 チャンポン 500円など


ソーセージハウスWai Wai(40席)

ハンバーガーやソーセージのファストフード店。ソーセージはホワイトソーセージ(プレーン?)やエスニックソーセージ(カレー味)をチャパティに包んでいたようです。

 ソーセージ 値段不明 ステーキバーガーランチ 1000円など


カレーやさん(20席)

カレー専門店なのですが、詳細が不明で調査を継続中です…。

 カレー 600円など


第一玉家寿し(20席)

現在は福岡空港国内線旅客ターミナルビルにある老舗。飛び立つギリギリまで長浜の市場直送の海鮮を楽しめる人気店です。よかトピアのときの特別メニューは「鴻臚館ちらし」。エビやイイダコなど具だくさんで、容器は鴻臚館跡出土の青磁花文碗をイメージしたものになっていました。このお店も1975年の「新幹線開通記念 福岡博」に出店した、博覧会経験のあるお店でした。

 鴻臚館ちらし 1100円 にぎりずし 900円 はかたキャビア(大) 1100円など



あらためてこう見てみると、値段は思ったよりもリーズナブルです。

ただ、今ならもっとエスニック料理のバリエーションが増えそうですよね。

ちょっと物足りない…。

でもよかトピアから福岡とアジアとの交流がさかんになっていくことを考えれば、これがいろいろな国の食が集まる1つのきっかけだったのかもしれませんね。


福岡の味もそうで、このときはうどん・ラーメン・海鮮が中心。

今なら絶対並ぶだろう最初にあげたような福岡グルメが見当たらないのですが、もつ鍋でさえ全国で流行って流行語にノミネートされるのが1992年のことですから、1989年だと無理もないのでしょう。

まだまだこのときの福岡グルメは出張先の楽しみの1つで、観光の目玉になるのはもう少し後ということなのでしょうね。


(福岡市博物館所蔵)
事前に共通の食事券(ミールクーポン)を買うことができました。


今回はグルメワールドだけでしたが、よかトピアのグルメは、パビリオン内のレストランやテイクアウト店など、ほかにもユニークなものがたくさんありました。

パビリオン・食べ歩き編はまた今度に。



【参考文献】

・『アジア太平洋博ニュース 夢かわら版'89保存版』((株)西日本新聞社・秀巧社印刷(株)・(株)プランニング秀巧社企画編集、(財)アジア太平洋博覧会協会発行、1989年)

・『アジア太平洋博覧会―福岡'89 公式記録』((株)西日本新聞社編集製作、(財)アジア太平洋博覧会協会発行、1990年)


#シーサイドももち #アジア太平洋博覧会 #よかトピア #グルメ #うどん多すぎない?

 

Written by はらださとしillustration by ピー・アンド・エル]


2022年10月7日金曜日

【別冊シーサイドももち】〈008〉ビルの谷間のアート空間へようこそ

 埋め立て地にできたニュータウン「シーサイドももち」の、前史から現代までをマニアックに深掘りした『シーサイドももち―海水浴と博覧会が開いた福岡市の未来―』(発行:福岡市/販売:梓書院)。


この本は、博多・天神とは違う歴史をたどってきた「シーサイドももち」を見ることで福岡が見えてくるという、これまでにない一冊です。


本についてはコチラ


この連載では「別冊 シーサイドももち」と題して、本には載らなかった蔵出し記事やこぼれ話などを紹介しています。ぜひ本とあわせてお楽しみいただければ、うれしいです。


過去の記事はコチラ。


1(「よかトピアに男闘呼組がやってきた!」)

2(「ダンスフロアでボンダンス」)

3(「よかトピアの「パオパオ・ロック」とは。」)

4(「開局! よかトピアFM(その1)KBC岸川均さんが育てた音のパビリオン」)

5(「思い出のマッスル夏の陣 in 百道」)

6(「最も危険な〝遊具〟」)

7(「開局! よかトピアFM(その2)1週間の全番組とパーソナリティー」)

※ 2023.4.28 一部タイトルを変更しました。




〈008〉ビルの谷間のアート空間へようこそ


シーサイドももち地区は、たくさんのパブリックアートがあるエリアです。


大きなビルやマンション群の合間をぬって歩くと、さまざまなアート作品と出会うことができます。

中でも福岡タワー行きのバスに乗ると見かける大きなピンクのバルーンアートのようなピンクの犬や、福岡PayPayドーム前の地行中央公園広場にあるカラフルな鳥は有名です。

突如としてまちの中に現れるこれらのアート作品は、日常をちょっとだけ楽しくしてくれます。


photo by 加藤淳史

ババーン!!
風で動くという話ですがまだ見たことはない、
ニキ・ド・サンファル「大きな愛の鳥」。


そんなシーサイドももちの中でも、とくにアートが集まっているスペースがあることは、意外と知られていません。

今回はたくさんあるシーサイドももちのパブリックアートから、シーサイドももちセンターステージにある「エアロギャラリー “デューン”」をご紹介します。

コチラからもご覧いただけます。→ Googleマップ


ここにはUR都市機構の「シーサイドももちセンターステージ」の2階部分に当たります。

バス通りの西日本シティ銀行とMタワーの間から、階段をのぼって福岡市博物館側へ通り抜けることができます。


今回は、最寄りのバス停「博物館北口」(西向き)から博物館に向かって歩いてみようと思います。

こんな感じで歩いてみます。
赤くなっているエリアが「エアロギャラリー”デューン”」。


「博物館北口」バス停から振り返ると、いきなりピンクの犬がお出迎えです。

photo by 加藤淳史

こーんにーちはーー!


こちらの作品はその名も「poodle」。作者は申明銀(しん・みょんうん/Shin Myeong-eun)、ソウル出身のアーティストです。

彼女の作品はペインティングや彫刻で、モチーフはどれも犬、それもプードルというのが特徴です。


バス停のすぐ後ろにいます。



プードルを横目に、背後の階段をのぼるとエアロギャラリー”デューン”の中心に出ます。

この階段をのぼります。
階段の途中にはベンチもあり、ランチスポットになっています。

階段をのぼるとそこが「エアロギャラリー”デューン”」です。

住民の皆さんだけでなく、お昼時は周辺のビジネスパーソンの憩いの場にもなっています。

天気がいいと、ここでランチを食べるのも、またオススメです。

photo by 加藤淳史

東側から見るとこんな感じで、左側が「陽だまりの広場」。
意外と静かで天気のいい日の散歩休憩にはオススメです。


陽だまりの広場はこの辺。



先ほどの広場の写真の右側に写る箱も、もちろんアート作品です。

フランス出身の現代美術作家、ジャン=フランソワ・ブランによる「ナイトシーン」です。

ここは「光の塔」エリアに当たります。

これです。広場の中心にいくつもの箱……。


さらにこの作品にはもう一つ、大きな特徴があります。

なんと夜になると光を発する仕組みになっています。

photo by 加藤淳史

だから「ナイトシーン」なんですね~。


さらにさらに、それだけではありません。

この作品、なんと光が動くんです!


夜になると10分位おきに約10分間ランダムな点滅運動を繰り返しており、まるで打ち寄せる波のようにも見えます。

これは意外と知られていないかも……。

筆者も長く百道浜で働いていますが、昨年初めて知りました。

福岡タワーの夜景を見たあと、ぜひ覗いてみてほしい風景です。


photo by 加藤淳史

実はバス通りからも見えます。
下のプードルとあいまって、ちょっとシュール。


プードル奧の階段をのぼるとすぐです。



さてさて、階段をのぼって左手は「東の広場」になっていて、そこにも作品があります。

photo by 加藤淳史

鮮やかなオレンジが目をひきます。

こちらは「ウルトラファインド」と名付けられた、椿昇(つばき・のぼる)による作品です。

写真だとちょっと分かりづらいですが、結構な大きさで存在感があります。

良く見ると表面がタイルのようになっていて光を反射するので、夕方になると夕陽を反射してキラキラ光るんですよ~。


東側の奧は意外と行かない人が多いかも……。



そして反対側、階段から右手にあるのが「西の広場」。

photo by 加藤淳史

どこから見ても不思議な形。表面はざらざらです。


ここにある作品は「ノスタルジア オブ サーキュレーション」、作者は崔在銀(チェ・ジェウン/Jae-Eun Choi)。ソウル出身のアーティストです。

これまた引き込まれそうな色と不思議な形状をしています。そしてまた大きい……。


全体ではこんな配置。
各所にいくつもベンチがあるので、ゆっくり過ごせます。



広場の左奥(南側)には階段があり、そこを下ると緑道に繋がります。

階段からそのまま真っ直ぐ進むと、福岡市博物館の東口に到着です。

先ほどの「ノスタルジア オブ サーキュレーション」の左手に階段。
奧には福岡市博物館の屋根が見えます。

階段はこんな感じ。
福岡市博物館東口に続く道路につながっています。



いかがだったでしょうか。


暑さもだいぶ和らいで、秋めいてきた今日このごろ。

皆さんも街中のパブリックアートを巡る秋のお散歩に出かけてみてはいかがでしょう?


案内板もあります。



※クレジットのない写真は市史編さん室撮影。


【交通案内】

[西鉄バス]「博物館北口」バス停(西向き)

 ※「博物館北口」バス停までは、博多駅から約25分、天神から約20分(最速の場合)

[福岡市地下鉄]西新駅[K04]から徒歩約15分

 ※西新駅[K04]までは、博多駅[K11]から約13分、天神駅[K08]から約7分



 

#シーサイドももち #シーサイドももち #パブリックアート #エアロギャラリー #巨大モニュメント

 

Written by かみねillustration by ピー・アンド・エル]


2022年10月5日水曜日

【Discover the Feature Exhibition】 Hairstyle Exploration in the Museum

August 23rd (Tue.) ~ October 23rd (Sun.), 2022

Feature Exhibition Room 1

“Keppatsu Zukan”- Hairdressing Scroll created by Gion Seitoku (partial)

  Preparations for this exhibition began last year when I looked through the “Keppatsu Zukan” - a Hairdressing Scroll that was kept in the museum storage room. The scroll depicts many women with excessive yet extremely glamorous hairstyles. It was worthwhile looking up to the names of the hairstyles attached to each figure in the scroll. The artist, Gion Seitoku (circa 1755-1827 - his time of death is somewhere after 1827, but no records can confirm this), was active in and around Kyoto's Hanamachi area (“flower town,” or geisha district) during the late Edo period. His painting style has been identified as being likened to that of Yamaguchi Soken of The Maruyama School. 

 However, his name is seldom mentioned in “Gajin Den” - biographical compilation book. There are many ambiguous reports about the authenticity of his work, making him an extremely mysterious artist. What do you think about Seitoku? Would you be interested to learn some more about him?

 Now, while thinking about how to display this exhibition and from what angles, I remembered a newspaper cutting of Kojima Yoichi, a master of Hakata Dolls. It was an article related to the “Fukuoka Koutou Kai,” which is believed to have brought brightness to postwar Fukuoka in many ways. Koutou means "shiny head" which can mean "bald-headed," and kai means "group." So, here we are talking about a bald-headed group. In this exhibition, I decided to not focus on the general history of hairstyles, but rather on exhibiting a collection of interesting items associated with hairstyles from different places and times.

 Thus, the title of this exhibition is a little unusual, but we hope to convey to you the pleasure of delving into the depths of the museum and encountering unexpected items.

Exhibition view

2022年10月3日月曜日

【Discover the Feature Exhibition】 The Adaptation of the Movement and Tools Related to the Word “Toru”

Feature Exhibition Room 4

August 17th (Wed.) ~ October 23rd (Sun.), 2022

Painting depicts people catching tunas

 The Japanese word “toru” has many different Kanji characters and different meanings, but the pronunciation remains the same. A dictionary search of "toru" reveals more than 30 kanji characters, including , , , , , , , among others. These mainly mean "take," "get," "obtain," "pick up," "catch," "manage," "gather," or "ingest," as well as other related meanings. Many of these words are deeply connected to obtaining food and other items to live and the movement of our hands is a big part of that action.

 For example, the method of “hunting” or “catching” (toru, 捕る, 獲る) an animal for human consumption began with or “throwing” (nageru, 投げる) stones at the beast and “hitting” (ateru, あてる) it. The throwing of stones eventually led to the creation of more effective weapons like stone spears that were thrown using the entire body. Later, in order to efficiently kill fast-moving animals, the action of “shooting” (hanatsu, 放つ) arrows was added to the action of throwing. In the Edo period (1603-1867), when hunting rifles became more popular, it became possible to hunt a larger variety of prey at greater distances. The action of drawing the bow with the whole body and releasing the arrow was transformed into the action of “pulling” (hiku, 引く) the trigger with the fingers.

 Among the various “toru” activities seen in daily life, this exhibition focuses on capturing or hunting animals and gathering plants, and introduces various human activities, with a focus on the tools used in them.

Exhibition view


2022年9月30日金曜日

【別冊シーサイドももち】〈007〉開局! よかトピアFM(その2)1週間の全番組とパーソナリティー

埋め立て地にできたニュータウン「シーサイドももち」の、前史から現代までをマニアックに深掘りした『シーサイドももち―海水浴と博覧会が開いた福岡市の未来―』(発行:福岡市/販売:梓書院)。


この本は、博多・天神とは違う歴史をたどってきた「シーサイドももち」を見ることで福岡が見えてくるという、これまでにない一冊です。


本についてはコチラ


この連載では「別冊 シーサイドももち」と題して、本には載らなかった蔵出し記事やこぼれ話などを紹介しています。ぜひ本とあわせてお楽しみいただければ、うれしいです。


過去の記事はコチラ。


1(「よかトピアに男闘呼組がやってきた!」)

2(「ダンスフロアでボンダンス」)

3(「よかトピアの「パオパオ・ロック」とは。」)

4(「開局! よかトピアFM(その1)KBC岸川均さんが育てた音のパビリオン」)

5(「思い出のマッスル夏の陣 in 百道」)

6(「最も危険な〝遊具〟」)

※ 2023.4.28 一部タイトルを変更しました。




〈007〉開局! よかトピアFM(その2)1週間の全番組とパーソナリティー

 

(その1)はよかトピアFMMOMO)の放送開始前までのお話でした(その1はコチラ)。

今回はオンエアが始まってからのプログラムとパーソナリティー編です。

 

よかトピアFMは毎日8時から22時までの放送。

博覧会は930分~18時(夜間開場の期間は21時まで)でしたが、行き帰りにもラジオでよかトピアを楽しむことができました。

会場周辺の交通情報も1時間に13回流していましたので、時間外の放送は車での来場者には特に役に立っていたようです。

 

福岡市博物館には当時の番組のタイムテーブルが残っています。

番組はシーズンごとに改編されて、タイムテーブルは34月、56月、79月の全部で3種類。

改編では、番組自体に変わりはないのですが、曜日が変わったり、パーソナリティーに入れ替わりがあったりしました。


(福岡市博物館所蔵)
「よかトピアFM」のタイムテーブル(5~6月)。


では、朝から放送を聞いているような気分で、このタイムテーブルを順に眺めてみようかなと思います。

 

 

8:0010:00

よかトピア Today"ピアピアMorning"

39月(月~日曜)

(歴代パーソナリティー)清水千晴さん、東美穂さん、的場英利さん、林田真穂さん、安武優子さん

 

よかトピアFMで唯一の月~日曜を通した帯番組。

おはようコールに始まって、今日の博覧会のメニューを紹介しながら、オールディーズやロックのスタンダード曲をかけていました。

 

パーソナリティーの東さん・林田さんは、博覧会終了後はKBCラジオでパーソナリティーを続けられ人気でした(KBC-INPAXの時代ですねー、懐かしい)。

林田さんは「またどこかでお耳に掛かったらよろしく」と閉幕の際のインタビューで話されていたのですが(『アジア太平洋博ニュース 夢かわら版'89保存版』)、その言葉の通り、博覧会終了後によかトピアFMからスライドして、KBCで東さん・林田さんの番組を聴いた方も多かったのだとか。

 

安武さんは、この時のスタッフ最年少。

のちに、ここでの経験を活かして、「第8回 全国都市緑化北九州フェア(グリーンルネッサンス北九州'91)」のイベントFM局「グリーンルネッサンスFM」でもパーソナリティーを担当されました。

的場さんも当時大学に在学しながらの参加でした。

若いスタッフばかりで放送されていたことにあらためてびっくりです…。

 

 

10:0013:00

Music Channel 76.3MHz

36月(月~金曜) 79月(月~木曜)

(パーソナリティー)ロッカトピア

 

ロッカトピアが送るお昼の人気番組。

ロッカトピアは、ダグさん(カナダ)、ローラさん(アメリカ)、マークさん(アメリカ)、マークさん(オランダ)、ニックさん(アメリカ)、ロンさん(アメリカ)、デイブさん(イギリス)、フランクさん(オランダ)、ケリーさん(アメリカ)のグループです。

番組企画・選曲・パーソナリティーまでご自身たちでやっていました。

 

曲がかかっている間に、パーソナリティーのローラさんが立ち上がって踊り出して、それにあわせてミキサーのロンさんやほかパーソナリティーもステップを踏むような、とてもにぎやかな番組(『西日本新聞』1989422日)。

スタジオの前で、入場者を巻き込んでの真昼のディスコパーティーを開いたこともあったそうです。

 

途中、ニックさんが怪我で入院してしまったり(無事に2か月半後に松葉杖で番組に復帰されました)、フランクさんがよかトピアのイベント「オークランド~福岡ヤマハカップヨットレース1989」に参加したりと、番組外でも話題が満載。

ロッカトピアは、よかトピアFMの顔ともいえるグループでした。

 

※オークランド~福岡ヤマハカップヨットレース1989:ニュージーランドのオークランドから福岡までのヨットレース(1200キロ)。9か国・37艇が参加。4/22にオークランドを出発して、最初に博多港に船が到着したのは6/15

 

 

13:0016:00

NAGISA MUSIC PAVILION

36月(月~金曜) 79月(月~木曜)

(歴代パーソナリティー)古賀香織さん、田中ゆきさん

 

オールジャンルの音楽番組。

よかトピアを訪れたミュージシャン・タレントをゲストに迎えたり、博覧会参加国を紹介したりしていました。

 

パーソナリティーの古賀さん・田中さんは、ともに博覧会終了後も福岡の放送業界で活躍された方々。

古賀さんは番組制作に関わられ、田中さんは、安武さんと同じく「グリーンルネッサンス北九州'91」のイベントFM局「グリーンルネッサンスFM」でパーソナリティーを担当されたり、その後にはCROSS FMのナビゲーターやディレクターなどをつとめられたりしています。

 

 

16:0019:00

よかトピア Music Sky Walker

36月(月~金曜) 79月(月~木曜)

(歴代パーソナリティー)田中ゆきさん、木村匡也さん、古賀香織さん

 

番組では前半はJポップ、後半はアメリカのヒットチャートから選曲。

番組内ではコンパニオンさんを迎えて、パビリオン情報なども紹介してました。

 

木村さんは、今もテレビのナレーションでご活躍ですので、ご存知の方が多いのではないでしょうか(『電波少年』『めちゃ×2イケてるッ!』『芸能人格付けチェック』『ちびまる子ちゃん』などなど)。

西南学院大学の4年生のときによかトピアFMに参加されて、流ちょうな英語を交えた放送が大変人気でした。

博覧会期間中の716日に、FM東京「アメリカンTOP40 イングリッシュDJコンテスト」でグランプリを受賞したことで、今のキャリアをスタートされましたが、そのオーディションの音源は、よかトピアFMを使ったものだったそうです(その1)。

 

 

19:0022:00

Fukuoka Night ピア

36月(月~金曜) 79月(月~木曜)

(歴代パーソナリティー)クレッグさん(アメリカ)、キャロンさん(イギリス)、ジャニスさん(カナダ)、トムさん(アメリカ)、的場英利さん、木村匡也さん

 

夜の雰囲気にあった音楽はもちろん、博覧会の明日の見どころも紹介する番組でした。

 

クレッグさんはアメリカでラジオパーソナリティーを経験し、来日後は福岡の情報誌に記事も書かれていたのだとか。

惜しまれながら6/26の放送を最後に、大学院での勉強のために帰国されました。

 

トムさんもパーソナリティーの経験者。

トムさんのお名前はトーマス・ハッチさんなのですが、福岡に住んでいればおなじみの福さ屋のテレビCM(ぴしゃっと時刻を伝えてくれる、あれです)の初代出演者さんと同じお名前です。

CMで見たお姿もよく似ていらっしゃいます(ちなみに現在のCM2代目のマイケル・ロドリゲスさん)。

はたしてよかトピアFMのトムさんなのか、まだ確認がとれていないのですが、もしご存知の方がいらっしゃったら、ぜひ教えてください。



(福岡市博物館所蔵『よかトピアFMタイムテーブル』VOL2より)
「よかトピアFM」のスタジオ(南側から)。

ここまでが平日のプログラム。

週末は番組が変わりました。


  

8:0010:00だけは変わらず、よかトピア Today"ピアピアMorning"でスタート。

 

10:0013:00

よかトピア Music Brunch

36月(土~日曜) 79月(金~日曜)

(パーソナリティー)ロッカトピア

 

平日に続いて、この時間のパーソナリティーはロッカトピア。

邦楽・洋楽のヒットチャートから選曲しながら、土曜日には電話リクエストも受け付けていました(電リク! ラジオの電リクってなかなか繋がらない分、リクエストできたときのうれしさが忘れられないのですよね)。

 

 

13:0017:00

よかトピア Music Heat Wave

36月(土~日曜) 79月(金~日曜)

(歴代パーソナリティー)トムさん、スティーブさん(アメリカ)、キャサリンさん(イギリス)、木村匡也さん

 

スティーブさんはアメリカの大学で日本語を4年間専攻して、長年空手もやっている日本通。

キャサリンさんはジャズや演劇が大好きな明るい方でした。

1人のパーソナリティーが番組を担当することが多いよかトピアFMでしたが、日曜のこの時間は、スティーブさん・キャサリンさん・木村さんの3人が担当していました。

 

番組は、リゾートシアターからの中継や会場内でのインタビューがあったりして、入場者との一体感がある内容。

ハガキ・FAXで、曲のリクエストも受け付けていました。

 

 

17:0019:30

よかトピア Seaside Walker

36月(土~日曜) 79月(金~日曜)

(歴代パーソナリティー)トムさん、東美穂さん、KBCアナウンサーさんほか

 

ブラックコンテンポラリー(なつかしい響きですよね。ブラコン!)なども選曲するおしゃれな時間帯。

よかトピアが開催された1989年のブラコンだと、ボビー・ブラウンやジャネット・ジャクソンなどがよく聴かれていたころでしょうか。

近年はダンス人気もあって、このころのニュージャックスウィングを思い起こす曲が流行っていますよねー(ブルーノ・マーズは言うまでもなく、アイドルの曲にも多いですよね)。

今こそ聴きたい番組です。

 

パーソナリティーには、放送局の運営に協力していたKBC九州朝日放送のアナウンサーさんも参加されていました。

現在も放送されているKBCラジオ「PAON」のなかで、たびたびパーソナリティーの沢田幸二さんが、よかトピア会場に行ってラジオの放送をしたことがあると話されているのですが(その話題の流れで出てくる、太平くん・洋子ちゃんの声を聞いたという話が最高なのですが、それは置いておいて)、もしかすると、この番組だったのかなと思っているところです。

 

 

19:3022:00

よかトピア Sound Sailing

36月(土~日曜) 79月(金~日曜)

(歴代パーソナリティー)スティーブさん、福山智美さん、田中ゆきさん、古賀香織さん

 

人気アーティストを特集しながら、博覧会の明日のおすすめや見どころも紹介していました。

福山さんはバイリンガルだそうで、よかトピアの国際的な雰囲気にぴったりですよね。


 

(福岡市博物館所蔵)
「よかトピアFM」のシール。

 

ざざっとプログラムを眺めてきましたが、各番組のなかでは、ニュース・天気予報・交通情報に加えて、博覧会のリアルタイムの情報や会場内での中継もやっていました。

会場にいるリスナーには、番組を通して今どこで面白いことがおこっているのかがすぐに分かり、会場の外のリスナーにとっては、まるで会場にいるかのようによかトピアを楽しめる番組ばかりです。

さらには、豪華なゲストの登場や、既存のラジオ局に負けないパーソナリティーのキャラクター・選曲は、ラジオファンにとっても、番組として魅力だったようです。

 

こうなると、ゲストのラインナップや、ラジオには欠かせないリスナーの反応なども気になってきます…。

 

ゲスト編・リスナー編は、また追々。


#シーサイドももち #アジア太平洋博覧会 #よかトピア #よかトピアFM #木村匡也 #KBC #CROSS FM #福さ屋 #ぴしゃっと

 

参考文献】

・『アジア太平洋博ニュース 夢かわら版'89保存版』((株)西日本新聞社・秀巧社印刷(株)・(株)プランニング秀巧社企画編集、(財)アジア太平洋博覧会協会発行、1989年)

・『アジア太平洋博覧会―福岡'89 公式記録』((株)西日本新聞社編集製作、(財)アジア太平洋博覧会協会発行、1990年)

・『radio MOMO よかトピアFMの記録』(FMよかトピア事務局、1989年)

・『よかトピアFMタイムテーブル』VOL1~3((財)アジア太平洋博覧会協会)


Written by はらださとしillustration by ピー・アンド・エル]」


※ 2023.4.28 タイトルを変更しました。

2022年9月23日金曜日

【別冊シーサイドももち】〈006〉最も危険な〝遊具〟

埋め立て地にできたニュータウン「シーサイドももち」の、前史から現代までをマニアックに深掘りした『シーサイドももち―海水浴と博覧会が開いた福岡市の未来―』(発行:福岡市/販売:梓書院)。


この本は、博多・天神とは違う歴史をたどってきた「シーサイドももち」を見ることで福岡が見えてくるという、これまでにない一冊です。


本についてはコチラ


この連載では「別冊 シーサイドももち」と題して、本には載らなかった蔵出し記事やこぼれ話などを紹介しています。ぜひ本とあわせてお楽しみいただければ、うれしいです。


過去の記事はコチラ。


1(「よかトピアに男闘呼組がやってきた!」)

2(「ダンスフロアでボンダンス」)

3(「よかトピアの「パオパオ・ロック」とは。」)

4(「開局! よかトピアFM(その1)KBC岸川均さんが育てた音のパビリオン」)

5(「思い出のマッスル夏の陣 in 百道」)

※ 2023.4.28 一部タイトルを変更しました。

 


〈006〉最も危険な〝遊具〟


なかなか旅行や里帰りなどが難しい昨今だけに、最近では屋外施設であるアスレチックやレジャープールの人気が高いようです。

福岡でも海の中道サンシャインプール今宿野外活動センターなど、福岡市民には昔からなじみのある施設だけでなく、海の中道には新しく巨大アスレチックタワー「シー・ドラグーン」もできて、話題となっています。


シー・ドラグーンは、高さ16.8mの展望デッキを有する国内最大級の巨大アスレチックタワーで、「自己と対峙し、勇気を持って困難を乗り越えた者だけが希望を掴むことができる」がコンセプトのアスレチックなんだそうです。壮大!

規模も大きく危険が伴うため、遊ぶためにはいくつもの注意事項があり、また参加同意書も必要です。安全第一ですもんね。


とはいえ、遊園地の絶叫系マシーンなど、遊具において〝高くて大きくて怖い〟という要素は、人の好奇心を刺激するようです。


それは昔から変わらないようで、今から約100年前、大正~昭和初期の百道海水浴場では、ある意味現代に勝るとも劣らないような、というか現代では考えられない、ちょっとレベルが段違いな巨大遊具がつくられて、来場者の人気を博していました。


それがこちら。

(絵葉書「(福日主催)百道海水浴場 Momoji seabeach」部分、大正末期)
ドォーーーーーン!!!

(絵葉書「福岡百々道海水浴場」部分、大正末期)
バァーーーーーン!!!

ちなみにこれ、すべり台です。……え、すべり台???

いまでいうところのウォータースライダー的な遊具だと思うのですが、どう考えても角度と高さがおかしい……。

しかもこれ、素材は明らかに木の板。いや、絶対ケガするでしょ……。



さらにこちらは海上につくられたブランコです。

(絵葉書「(福岡)百々道海水浴場 The Fukuoka Momodi」、大正10年前後ヵ)
どうやって乗るんだよ?!という高さ。

インスタ映えするフォトスポットとして話題の西区北崎海岸「#ジハングン」にある巨大ブランコをほうふつとさせるような存在感です。

まあ、現代の巨大ブランコと違って、当時は別に写真映えを気にしてのサイズではないでしょうが、このように絵葉書の被写体としてたくさん残っているところを見ると、当時の人も本能的に「これは映える!!」と感じていたのかもしれません。



一方、こちらは遊具ではなく、海水浴場のシンボルでもあった大桟橋です。

(絵葉書「(福日主催)百道海水浴場」、大正末期)
見晴らしが良いとかいうレベルではない高さ(柵なし)。


(絵葉書「(福岡)百々道海水浴場 The Fukuoka Momozi Seabasing」、大正10年代)
見る者の恐怖を増幅させる簡素なつくり。

潮の満ち引きによって海面からの高さが変わるとはいえ、これらの写真を見ただけでも相当な高さということが分かります。

桟橋の形は、当初約30mの橋が1本海に向かってのびていましたが、大正11(1922)年からは1辺約55mのコの字型へと巨大化。この2枚の写真もコの字型期のものじゃないかと思います。

当時の新聞でもこの桟橋について「浮城のような壮観を呈して居る」(大正11年7月1日『福岡日日新聞』朝刊より)と書かれており、写真を見るとそれも納得です。



これはその桟橋のさらに沖にあったやぐらです。

(絵葉書「福博夏の楽天地 ももぢ海水浴場 The Momoji Bathing-Place Fukuoka」部分、大正末~昭和初期)
え、まさかそこから飛び込むの……?(飛び込みます)

このやぐらは鉄骨製で、具体的な高さは分かりませんが、昇っている人と比べると10mくらいはありそうに見えます。

さらには上からの景色を楽しむだけではなく、そこから飛び込む人も多かったようです。


実はこちらは広告塔としても機能しており、よく見ると「福助足袋」の文字が見えます。

余談ですが、大正12年~昭和9年(1923~1934年)まで、中洲には福助足袋の広告塔が建てられていました。この時期は福助足袋が全社的にこうした広告塔による宣伝に力を入れていたため、写真もほぼ同時期のものと思われます。

(絵葉書「(福博名所)水上公園附近」、福岡市博物館所蔵)
西大橋のたもとにあった福助足袋の広告塔。なかなかのインパクトですね。



こちらは桟橋の沖にあった飛び込み台です。

(絵葉書「福岡夏の楽天地 ももぢ海水浴場」、大正末~昭和初期)
美しい放物線……というかさ……。

美しい放物線を描いて今まさに飛び込もうとしている人と、それを見守るギャラリー。

これ、本当に大丈夫なんでしょうか……?


やぐらや飛び込み台から飛び込む遊びは、バンジージャンプのように度胸試しの要素もあったようです。


これらの〝最も危険な〟巨大遊具には、どれもとくに柵や命綱などの安全装置はなかったようですが、そのスリルもまた人気の理由の一つだったのでしょう。


※百道海水浴場の設備については『シーサイドももち』の「2 遊びに行こう!ー百道の海水浴場ー」で解説しています。

※所蔵表記のない画像はすべて福岡市史編集委員会所蔵、年代は推定です。


 

#シーサイドももち #百道海水浴場 #巨大遊具 #絶叫系マシーン


[Written by かみね/illustration by ピー・アンド・エル]