西光寺の五趣生死輪図(ごしゅしょうじりんず)を立体化したもので、人が死んだあと5つの世界(天道・人道・畜生道・餓鬼道・地獄道)に生まれ変わるとする仏教の考え方、輪廻(りんね)をあらわしています。
たぶん日本初、自分で回せる五趣生死輪図 |
「縁起でもない・・」と眉をひそめる向きもあるかと少し心配したのですが、皆さん案外明るく楽しんでいただいているようで、ギャラリートークでも「年末ジャンボ宝くじ!」とか言って笑いをとれるので重宝しています。
施工した某社長によれば新幹線で使うような高級ベアリング軸を仕込んだそうで、それはもう滑らかに回ってなかなか止まらないのが難点ですが(笑)、高速で回転する生死輪だけをじっと見つめたあと不意に視線を鬼の顔に向けると、こんなぐあいに鬼の顔がぐにゃりと歪む目の錯覚も楽しめます。
シュールな目の錯覚も味わえます |
ただ、思想信条的にはいろいろあっても人はいつか必ず死んでしまうのだし、いざというときに焦らないよう心の準備をしておくに越したことはないと思います。死から目を背けている人は夏休みに宿題を最後までほったらかして遊ぶ子どものようなものかもしれません。
浄土九州展もあと1週間を残すのみとなりました。まだご覧になっていない方は、とりあえず生死輪をぐるぐる回して「人生の宿題」について考えてみてはいかがでしょうか。
次回はいよいよ最終回!
Posted by 末吉(浄土九州展担当学芸員)