2020年3月23日月曜日

【企画展示室2】農耕図 令和2年3月21日(土)~ 5月17日(日)



農耕図とは、農民たちの労働のようすを描いた絵で、専門的には耕作図とも呼ばれます。その歴史は古く、平安時代の四季絵の中にも田植えなどのようすが描かれています。室町時代には中国から耕織図が伝来し、男性の仕事である農業と女性の仕事である養蚕および機織りが、セットで描かれるようになりました。
今回の展示で主にご紹介するのは、江戸時代に描かれた2種類の絵巻物。「俵かさね」上下巻と、「農耕図鑑」上下巻です。庶民の一年間の暮らしぶり、季節ごとの農耕のようすを描いたものですが、質素どころか金箔を多用した豪華な画面の連続です。なんなら、描かれた農民も、金泥で縁取られたキラキラの着物を着ています。一体どんな理由で、またどんな目的で、このように現実離れした農耕の図が制作されたのでしょうか。展示では、華麗な絵の内容とともに、その制作背景を掘り下げます。

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