2016年9月12日月曜日

釣道楽の世界展 みどころシリーズ① 洛中洛外図には釣り人がいっぱい

釣道楽の世界展の見どころなどをご紹介するシリーズ。
第1回は「洛中洛外図には釣り人がいっぱい」です。 

いきなり釣りと関係ない話題で恐縮ですけれど、『ウォーリーをさがせ』とか『旅の絵本』とか、人がたくさん描かれている絵本って楽しいですよね。主人公をさがし出すのはもちろんのこと、その周囲で展開されている様々な物語を見つけ出すのが、またオツです。

その本家本元とも言えるのが、「洛中洛外図」。当館も狩野孝信の作品で重要文化財に指定されているものを所蔵しています。昨年だったでしょうか、Google Cultural Instituteで拡大しながらぼんやりと見ていたら、いたんですよ、釣り人が

※当館蔵 洛中洛外図屏風 はこちらからどうぞ→ Google Cultural Institute



[写真 洛中洛外図屏風(部分)福岡市博物館蔵]
 商家の若旦那がウグイかアユを!!


これは面白いぞ、と思いまして、他の屏風や絵巻もさがしてみたら、出てくる、出てくる、楽しそうに釣りをしている人たちがあちらこちらに描かれていることが分かってきました。

娯楽としての釣り文化が大きく花開いたのは17世紀中頃以降の江戸といわれていますので、それ以前の様子が見えてきたのは、大きな感動でした。

とはいえ、本展は「絵画の中の釣り」展ではなく「釣道楽の世界」展です。したがいまして、今回は絞りに絞って江戸時代の初めに描かれた4点の屏風を展示します。絵の中に釣り人が何人いるか実際ご覧になってさがしてみて下さいね。最初のコーナー「Ⅰ 遊釣文化の黎明」に展示しています。どうぞお楽しみに。

このコーナーに展示している近世初期に描かれた風俗図屏風
1 川口遊里図屏風 十曲一隻 大阪歴史博物館所蔵《大阪市指定有形文化財》(全期間)
2 洛中洛外図屏風 六曲一双 神戸市立博物館所蔵(全期間)
3 洛中洛外図屏風 六曲一双のうち右隻 福岡市博物館所蔵《重要文化財》9/17-10/16
4 四条河原歌舞伎図屏風 六曲一隻 福岡市博物館所蔵(10/18-11/6


学芸課 宮野



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