2020年7月21日火曜日
【企画展示室2】ダルマさん大集合 7月21日(火)~9月13日(日)
誰じゃ「こわカワ」なんていう奴は!
達(だる)磨(ま)(ボーディダルマ/菩提(ぼだい)達磨(だるま))は6世紀頃のインド出身の仏教僧で、中国に来て禅(ぜん)の教えを伝えたとされる人物です。達磨を祖とする中国禅はやがて日本にもたらされ、臨(りん)済(ざい)宗(しゅう)や曹(そう)洞(とう)宗(しゅう)などの禅宗寺院では、開祖として達磨の像がまつられました。また江戸時代以降は、縁起物の起き上がり小(こ)法(ぼ)師(し)が全国各地で作られたほか、玩具や子どもの遊びにも取り入れられるなど、庶民にも広く親しまれました。
ところで、このように達磨が私たち日本人の文化や生活に広く浸透した理由は、もちろん尊い教えを広めた偉大な人物だからということもありますが、そのイメージには他の人物にはないインパクトや魅力があったからとも言えます。伝説によると、木で鼻をくくったような問答をして中国の皇帝を怒らせたとか、9年も壁に向かって座(ざ)禅(ぜん)をして手足を失ったとか、なかなか強烈な個性の持ち主だったようです。
確かに、描かれた達磨像を見ると、髭を生やしてぎょろりと目をむいた、いかにも厳しそうなオジサンという印象を受けます。しかしよく見てみると、どこかユーモラスで愛嬌もあり、「ダルマさん」と親しみを込めて呼びたくなるものもあります。
こわいけどカワいい―本展示ではこうした「こわカワ」とでも言うべき達磨像の特徴に注目し、その魅力を探りたいと思います。
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