特設展示「やまいとくらし」の連載ブログにお越しいただきありがとうございます。今回は、第2章「『外出自粛』したモノ」から、昭和39年(1964)の東京オリンピックに関する資料を紹介します。
そもそも、「外出自粛」したモノって何ぞや、という話だと思いますので、まずはここから説明します。
新型コロナウイルス感染症の影響で、当館は2月27日から3月20日、4月4日から5月18日にわたり休館しました。全国の博物館でも展示の計画が再検討され、延期や中止になる展覧会がありました。当館から貸し出され他館で展示される予定だった資料も、展覧会の延期や中止の影響で、「外出自粛」を余儀なくされました。
色んな場所にお出かけする予定だった「我が子」たち(愛情を込めた館蔵資料の呼び方)、お出かけがキャンセルになった彼らを当館で披露しちゃおうというのが第2章「『外出自粛』したモノ」の主旨なのです!!
さて、話を資料に戻しますね。昭和39年(1964)に東京で開催された第18回オリンピック競技大会、通称東京オリンピックは、アジア地域で開催された初めてのオリンピックです。日本は、バレーボールや体操男子団体総合、レスリングや柔道など、さまざまな種目で金メダルを獲得しました。オリンピックの盛り上がりは、テレビの普及率を高めたと言われています。一方で、オリンピックを目途に東海道新幹線が開通し、東京国際空港(羽田空港)が滑走路を拡張するなど、インフラの整備も行われました。東京オリンピックは、当時の人びとの生活を変化させる一大イベントとなりました。
オリンピックの盛り上がりを支えたものの一つが、グラフィックデザイナー亀倉雄策の手によるオリンピック公式ポスターでした。シンプルで力強いエンブレム、各種競技の躍動感が伝わるポスターデザインは、今見てもある種の新鮮さを感じさせてくれます。これらのポスターは、絵葉書としても印刷され、さらに多くの人の手に渡ったようです。小学校や中学校で購入が受け付けられたという話を聞いたことがあります。
今年、東京で2回目のオリンピックが開催されるということで、昭和39年の東京オリンピックへの注目が高まっていて、当館にもオリンピック関係資料に貸し出しの打診が来ていました。しかしながら、オリンピックの開催が延期となったことで、今年度の貸し出しはキャンセルになってしまいました。来年度には他館に「外出」しているかもしれませんが、今回の特設展示でご覧いただけましたら幸いです。
昭和39年(1964)の東京オリンピック開催記念絵葉書
ポスターと同じデザイン
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(学芸課 野島)
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