「ペルシャ黄金獅子の器に」
もう十年以上も前になるだろうか、ペルシャ文明展を観に行った。
いまでも鮮明に覚えているのは、黄金色に光り輝いている長靴のかたちをした水を容れる器、それには獅子が彫られていた。入場券にもパンフレットにもこの獅子の器が大きく載っていた。
他にもいろいろ観たと思うが、いまも記憶に残っているのは、この黄金の水差しのみ。
家に帰って夕食後机にむかって坐っているとき、ふとあの獅子の器はいまごろどうしているのかなあと思った瞬間、映像があらわれてきた。天の川(銀漢)の水が獅子の器にそそがれてゆくではないか。
銀漢の水を夜ふけにそそぐ音
ペルシャ黄金獅子の器に
この短歌は中津市万葉短歌大会において最優秀賞をいただいた。
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