この秋、福岡市博物館では、特別展「大灯籠絵」を開催します。
展覧会の開催に向けて、「大灯籠絵」にまつわる話題をお届けします。
この連載ブログのその2で佐々木滋寛(1899~1976)さんの著書『博多年中行事』を取り上げ、
「夏祭風景」の項目で、一番に挙げられているのが「大灯籠」という話をしました。
そして「夏祭風景」には、2番目は「千灯明」、3番目は「造り物」が数えられていることにふれました。
「千灯明」は今も耳にすることがありますが、「造り物」って?
『博多年中行事』(1935年発行)によれば
之(造り物)は主に歌舞伎狂言に取材した精巧な実物大の人形をかざるもので、その大仕掛けな野外造り物は流灌頂のものである。
とあります。
さらに、江戸時代に奥村玉蘭(1761~1828)が著したガイドブック『筑前名所図会』(1821年完成)にも
大師堂ハ竪町浜(現・博多区大博町)にあり……(中略)……七月廿五日流灌頂の法事あり 其夜ハ此辺の家々灯明茶菓を献じ 偶人様の見セものを出して さなから盆中の賑ひに異ならず
と、大浜流灌頂が紹介されていて、偶人=人形を飾る造り物があり、非常に賑わっていたことが記されています。
大灯籠に負けず劣らず、造り物は夏祭りの呼び物で、人々を引き付ける魅力のあるものだったようです。
とはいうものの、写真がないとどうもピンときません。
そこで登場するのが、またしても佐々木滋寛さん。
滋寛さんの写真コレクションに、大浜流灌頂の造り物をバッチリ撮った写真がありました。
今から100年くらい前の写真のようです。
どうですか、ちょっと意表をつくような大きさではありませんか?!
こんなスケールの大きな造り物とともに、
夏祭りを彩った大灯籠(現在も彩っている現役のものも含め)が、
この秋,福岡市博物館に大集合します。
お楽しみに!!
(by おーた)
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