2024年6月19日水曜日

特別展「大灯籠絵」を楽しむために その6 絵師の痕跡をたどって山へ

 

THE ASTONISHING WORLD OF GIANT LANTERN PAINTINGS

会期:2024913日(金)~114日(月・休)  会場:福岡市博物館


この秋、福岡市博物館では、特別展「(おお)(とう)(ろう)()」を開催します。

展覧会の開催に向けて、「大灯籠絵」にまつわる話題をお届けします。

 

今回の展覧会では、大灯籠絵だけでなく、大灯籠絵を描いた絵師たちにも注目しています。

彼らは、地域密着で、さまざまな活動をしています。

地元の新聞の連載小説の挿し絵を描いたり、学校教材の挿し絵を描いたり、見世物小屋の看板を描いたり、人々が神社に奉納する絵馬を手掛けたり、福岡で発行される錦絵を描いたり…

という訳で、資料調査は多方面に及びます。

 

5月某日、調査のために出かけたのは、朝倉市の某神社。

目的は、大正6年(1917)に奉納された(しろ)(うず)(こう)(うん)が手掛けた絵馬です。

 

神社がある山は、平成29年(2017)の九州北部豪雨で土砂崩れがあり、神社の両脇の崖は崩れてしまったものの、幸い神社は被害をまぬがれています。

地元関係者の方から

「絵馬の安全のためにも、作業する人の安全のためにも、梅雨入り前に集荷した方がいい」

と助言をうけて、6月某日、集荷のための出動となりました。

 

豪雨災害以来、神社への道は荒れてしまい、車両を乗り入れられない状況のため、

手分けして絵馬を運ぶための資材を抱えて山道を歩きます。

地元関係者の方に先導されて、狭い山道を一列に並んで、資材を手分けして担いで歩きます。
地元関係者の方々に先導されて山道を進みます

神社の拝殿にたくさんの絵馬が掲げられています。
目的の絵馬は神社の拝殿に

5月の調査時の記録を片手に、目的の絵馬の状態を確認します。
5月の調査時の記録を片手に絵馬の状態を確認します

絵馬を安全に運ぶために、持参した資材で梱包します。
安全に輸送できるように絵馬を梱包します

二人の学芸員が梱包した絵馬を水平に持って、山道を慎重に下ります。
車両が待つ地点まで注意深く人力で運びます

今回調査・集荷した絵馬の作者は、初代白水耕雲(18761923)。

大学通三丁目(福岡市博多区千代三丁目)に「白水絵馬店」を構えていました。

特別展「大灯籠絵」では、箱崎(福岡市東区)で絵馬店を続けていた二代目白水耕雲(18971974)が手掛けた大灯籠絵も公開します。

お楽しみに!!

(by おーた)



0 件のコメント:

コメントを投稿