2024年7月31日水曜日

特別展「大灯籠絵」を楽しむために その12 大きな灯籠の呼び名はいろいろ

 

THE ASTONISHING WORLD OF GIANT LANTERN PAINTINGS
会期:2024年9月13日(金)~11月4日(月・振休)  会場:福岡市博物館

この秋、福岡市博物館では、特別展「大灯籠絵」を開催します。

展覧会の開催に向けて、「大灯籠絵」にまつわる話題をお届けします。


博多沿岸の町で、夏祭りのときに飾る大きな灯りを「大灯籠」と呼びます。

そして、そこに描かれている絵が「大灯籠絵」です。


このブログでは、ずっとこんな説明をしてきました。


実は、これは正確ではないのです。

地域や世代によって、微妙に「大灯籠」の呼び名がちがうのです。

「おおとうろう」「おおどうろう」「だいとうろう」

「おおえとうろう」「おおえどうろう」

「とうろうえま」「えま」

実にいろいろな呼び方があります。

木箱/唐人町中年会蔵

上の写真は、「大灯籠」を飾っていた旧西唐人町(福岡市中央区黒門)につたわった「大灯籠絵」を収納していた木箱です。
大正13年(1924)につくられた箱で、「大燈籠繪」と墨で書かれています。

網屋天満宮の鳥居にかけられた灯籠

こちらは、「箱崎人形飾り」にあわせて「大灯籠」を飾る網屋天満宮(福岡市東区箱崎二丁目)で撮影した写真です。
鳥居には「大絵灯篭」と書かれた灯籠がつられています。

展覧会では、分かりやすく「大灯籠」と「大灯籠絵」ということばを使っています。
しかし、似ているけれど少しちがう「大灯籠」の呼び名は、
地域によってバリエーションがあり、また、時代とともに緩やかに変化しています。
こうした地域や時代によって生まれる多様性も、
大切に伝えていきたい地域の文化のひとつです。
(by おーた)



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